中国に操られるトランプ政権の危険!

北朝鮮の核放棄で外交得点を稼ぎ秋の中間選挙で勝利して再選を果たす、というのがトランプ政権の筋書きだ。これに対する中国と北朝鮮の戦略がどうなのかを見ることが重要だ。

7月5日夕刊の朝日新聞によれば、北朝鮮の金正恩委員長が6月19日20日の中国の習近平主席と会談し、朝鮮戦争の休戦協定が平和協定へ転換された場合には在韓米軍の朝鮮半島での駐屯は必要なくなるとの認識で一致。その上でトランプ米政権に在韓米軍の撤退を促すために中朝が戦略的に協力していく方針を確認した、(関係筋による情報)という。

この線で北朝鮮と中国が手を握っているのに、トランプ大統領はいとも簡単にこの戦略にのり在韓米軍と韓国軍の共同軍事演習の中止を受け入れた。また6月14日の板門店で開かれた南北将官級軍事当局者会談では、南北は最前線に配備された北朝鮮の長距離砲を軍事境界線から30~40キロ後方に移す問題について協議を始めたという。

韓国の文在寅政権は「韓半島の恒久的な平和体制の定着」を悲願として南北協議を進めている。しかし北朝鮮の長距離砲を軍事境界線から30~40キロ後方に移すには、米韓合同軍も多連装ロケットや戦術対地ミサイルを後方に下げる必要がある。軍事境界線の距離はソウルが約50キロ、平壌が約140キロで、同じ距離だけ下げたら北朝鮮が軍事的に有利になる。だから韓国国防部は「こんな協議はしていない」と懸命に隠蔽している。

中朝の戦略には、非核化の協議でアメリカに譲歩を迫り、在韓米軍を撤兵に追い込みベトナム戦争後の「パリ協定」のように米軍を南ベトナムから撤兵させてから、2年後に侵攻作戦を行い南ベトナムを降伏させた、南北統一の戦略再現が頭の中に描かれている。

米紙ウォールストリートジャーナルによれば1日衛星写真を専門家が分析した結果として北朝鮮がミサイル製造工場の拡張を進めていると報じた。どう見てもトランプの半島の非核化は実現せず、逆に軍事力による南北統一が実現しかねないのである。韓国の文在寅政権は、中国と北朝鮮の陰謀に乗せられており、北朝鮮への融和策で、韓国民を危険な戦争の道に導きつつあるのだ。

既に中国と北朝鮮は米朝交渉を急がない方針で一致しており、トランプ政権はまんまと在韓米軍撤兵の罠にはまりつつある。トランプには在韓米軍の戦略的価値を理解してはおらず、金がいくらかかるかという経済的側面しか見えていないのである。
米朝協議は中国の戦略的狙いに導かれて進んでいるように見える。

日本の指導者の「道義」が地に堕落ちた!

「人が行うべき正しい道」の事を「道義」という(広辞苑)、この「道義」が疑われる指導者が日本には多すぎる。安倍首相の「森友・加計問題」、大企業のデータ改ざん問題、日本相撲協会の八百長・暴力問題、日大アメリカンフットボール部の問題、関西学院大の暴力教師の問題、理研のパワハラ・セクハラ・不正、大学のパワハラ・研究妨害、大学研究者の論文のパクり問題、財務官僚の公文書改ざん問題、文科省の官僚の贈収賄での逮捕、一つ一つ挙げていけばきりがない。東電の原発事故もこうした「道義」が地に堕落ちた表れかもしれない。

あらゆる組織のトップが腐敗しているのであり、こうした人達に「道」を説いても意味がないのだが、世界中の人達が称賛する誠実で秩序ある日本人は、上層階級の人達は例外で、彼らは「正しい道」を忘れたのであろうか?それとも日本が豊かになって、支配層に驕りが生まれたのであろうか?

特徴的なのは、不正が摘発されても、醜く居座り、言い逃れし、反省せずごまかす。これが共通してみられる。安倍首相などは「森友・加計問題」で1年以上言い逃れしている。道義に反する行為と自覚したなら、なぜすぐ責任を取って辞職しないのか?引き際の悪さは権力の座にいる人の特徴なのか?それとも失うものを持つ人達は道義に反することも平気で切り返すようになるのか?日本の民主主義は上層から腐りつつあるのではないのか?

世界でも珍しい日本社会は「道義」が一般民衆にまで浸透する貴重な存在なのに、日本の上層の人達の「道義」が地に落ちているのが現在の日本なのである。利権にありつくと平気で嘘を付き、違法行為をやり、商品のデータまでごまかすようになる。責任ある地位にいる人達は恥を知るべきである。
日本の指導者の地に落ちた「道義」を回復する道を日本人は真剣に考えねばならない。マスコミがこれを誘導すべきなのであるが、現実は権力に媚びるばかりなのである。

平和のためにイスラム教の宗教改革が必要だ!

アフガニスタンでイスラム教原理主義の武装勢力が再び勢力を伸ばしている。タリバンはアフガニスタンの国土の3分の1以上を支配する。シリアとイラクから追い出されたテロ組織「イスラム国」(IS)がアフガニスタンで急速に台頭しているという。またウサマ・ビン・ラ―ディンが組織した「アルカ―イダ」も健在で、訓練キャンプに数百人がいると言う。

これらの武装勢力は国際支援の金を巻き上げるだけでなく、ケシによるヘロイン生産で麻薬の密輸・密売を資金源としている。アフガニスタンにおけるアヘン生産は昨年で史上最高の年間9000トンを記録している。

アフガニスタン駐留米軍は、オバマ大統領時代に10万人に達していたが、トランプ政権で撤退を進め現在15000人ほどで、アメリカではアフガニスタン駐留米軍の撤退論が広がっている。マティス米国防長官ら軍幹部は撤退するとISが伸長するとして反対しているが、10万人の米軍が武装勢力を一掃できなかったのに、わずかな米軍では何もできない実態がある。したがってアメリカでは超党派で厭戦論が広がっているのである。

アメリカの間違いは、武力で原理主義勢力を一掃できると考えたことである。奴隷制時代のイスラム教原理主義は政教一致で女性差別の野蛮な宗派である。テロで中東の平和が訪れるわけがなく、アフガニスタンの住民も強請りたかりの武装勢力を嫌っているのである。アフガニスタンを再び「テロの巣」にしない為には民主主義の時代に合ったイスラム教の改革が必要なのである。

ところが中東にはいまも王政の国家が多く存在しているため、今のままではこうした原理主義の武装勢力が蔓延る事になる。国連が中心になってイスラム教の各宗派を統合し、民主的な宗教への改革を行うべきで、そうしないとアフガニスタンが世界中にテロを振りまく武装勢力の拠点化することは避けられないであろう。

多極化の中での戦後の国際秩序の崩壊!

哲学的に言えば、あらゆるものに生成・発展・消滅の過程がある。それは第2次大戦後の国際秩序に置いても然りである。アメリカの巨大な経済力を背景にした一極体制の下での民主主義的国際秩序は、冷戦の終了と強欲の資本主義への移行の下で、急速に多極化への移行を早めた。

資本主義の不均等な発展がその変化の経済的基礎であり、一方でのアメリカ経済の衰退は、産業の空洞化と金融支配への移行であり、他方での1党支配の下での中国の経済的成長、さらには欧州の通貨統合などのブロック化が多極化を経済面から推進した。

アメリカのトランプ大統領が、現象的には「強いアメリカ」の政策で、アメリカが自らの1極支配を解体しているように見える現象は、金融支配のもとでアメリカの産業資本家たちの反動復古とも言える政治の一時的揺り戻しと言える後退現象なのである。これがアメリカの大統領が「戦後の国際秩序」を自ら解体するように見える奇妙な現象を生むこととなった。

欧州における移民問題をきっかけとするポピュリズム政党の排外主義的動きも、「戦後国際秩序」の後退的解体の現象と解するべきであろう。トランプ政権の北朝鮮と中国への融和的政策が北東アジアにおけるアメリカの覇権を解体するきっかけとなるであろう。

アメリカに変わって非民主主義国の絶対主義的一党支配の中国が、今世紀半ばまでに世界一流の軍事力を備えた「社会主義現代化強国」を建設する事は、中国の覇権主義的変化であり、習近平の「中国の夢」実現は戦争の時代への扉を開くことになるであろう。中国は間違いなく戦後の「民主主義的国際秩序」に敵対する一方の旗頭である。アメリカがトランプ政権を生み世界の警察官役を降りた事は、世界各地に独裁国家の地域覇権国を台頭させることになった。

旧ソ連圏のロシア・中東のイラン・アジアの中国という独裁国家が戦略的空白を埋め、将来反動復古から転換したアメリカとの間で覇権争奪が激化する可能性が高い。つまり世界は軍事力による対立の時代へと移行しているのである。このような時代背景の下で日本における護憲勢力による観念的平和主義の虚構も破綻の憂き目を見ることになる。戦後の国際秩序が今死滅しつつあるのだ。時代の変化に備えて日本は対米自立しなければ、国際的変化への備えとはならないであろう。

中国「一帯一路」が狙う債務の罠!

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は講演で、中国の「一帯一路」に付いてこう指摘した。「参加各国は(中国のインフラへの投資などを)フリーランチと考えるべきではない。」「フリーランチ」とは「代償なし」とか「無料」の事であり、IMFのトップが中国の「一帯一路」に付いて回るリスクを公に警告した。

「一帯一路」に伴うインフラ支援を受けたばかりに巨額の債務で建設した港も奪われる事態が起きているのである。その代表例がスリランカである。スリランカ政府は南部のハンバントタ港は2010年に建設が始まり、建設費約13億ドル(約1421億円)の多くを中国からの融資で賄った。

スリランカに重荷となったのは、中国側が設定した最高で年6,3%という高金利だ。財政に余裕がなかったスリランカ政府は、港の株式の80%を中国国営企業に貸与した、その期間が何と99年で、リース料として11億2千万ドル(約1224億円)を受け取ることで合意した。期間99年とはイギリス帝国主義の香港併合の期間と同じであり、スリランカ政府は港を建設したが、事実上中国のの手に港が渡ったことになったのである。このような手口を世界では「債務の罠」と呼ばれている。

米シンクタンク「世界開発センター」は今年3月、「一帯一路」参加国の債務について調査結果を公表した。その調査によれば債務にリスクがある国とされたのが、ジブチ、キルギス、ラオス、モルディブ、モンゴル、モンテネグロ、タジキスタン、パキスタンの8カ国である。

東アフリカのジブチは対外債務が2年間でGDPの50%から85%に増加した。大半の債権を抱えるのは中国だ。東南アジアのラオスでは最大67億ドル(7327億円)の債務が鉄道建設でGDPのほぼ半分となり、債務返済が難しくなっている。この鉄道も99年間中国のものになるかもしれない。
最大のリスク国はパキスタンで中国・パキスタン経済回廊(CPEC)に基づいて620億ドル(6兆7800億円)の融資が見込まれ、高い金利がパキスタンのリスクとなる」と調査は指摘している。

その他の「一帯一路」の援助で受け入れ国は押し並べて借金奴隷になりかけており、中国の「一帯一路」でのインフラ建設は、借金奴隷にして建設したインフラを中国が握る経済支援に名を借りた陰謀といえる。アジア諸国は中国の「援助」の欺瞞に騙されぬよう事業契約をキチンと検討し、プロジェクトの中止を決定する勇気を持つべきである。
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