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奇妙な米中関係の戦略的均衡はいつまで続くか?

覇権国アメリカの中国に対する基本的戦略は、ユーゴスラビア解体で実験した教訓に基づき共産党政権を一掃する事である。しかしオバマ政権は現在「息継ぎの和平」に戦略転換している。つまりオバマのアジア重視とは、アメリカ経済の再建という内政重視のもとで中国との経済関係を維持する事である。つまりアメリカは今、帝国主義的忍耐の局面に有るということになる。

他方中国は経済的に見ると、GDPで日本をぬいて世界第2位になったが、内陸部の多くの経済開発に失敗し、経済特区は「新鬼城」と呼ばれるゴーストタウンが各地に生まれ、巨額の投資資金を注ぎ込んだ「影の銀行」が危機に直面している。中国走資派指導部は文革時の毛沢東の集団化の障害で内陸部の経済特区が全て失敗しているのである。

その結果年間何十万件もの暴動とウイグル族など少数民族の民族自決権をもとめる闘いに直面している。走資派指導部はこの危機を誤魔化すための反腐敗の粛清で切り抜けられないので、日本軍国主義を標的にして開戦準備を進め、内的矛盾を外的矛盾に転化することで切り抜けようとしている。

つまり中国経済の危機が背景にあって中国覇権主義の凶暴性が表れていることを見ておかねばならないのである。現在中国政府は政府資金で兵器生産に拍車をかけ人為的市場創出の経済政策を行っており、それはヒトラーの軍拡をしのぐ規模である。軍事力が巨大化すれば軍事的野心が巨大化することになる。

中国軍の幹部がアメリカ太平洋軍の幹部に、ハワイ以東をアメリカが管理し、ハワイ以西を中国が管理する事を提案したのは、アメリカの「息継ぎの和平」を見据えているのである。つまり習近平国家主席の「中米の新大国関係」とはアメリカが当面中国との経済関係の維持を必要としている事に付け入った覇権の分有を指しているのである。

中国覇権主義は海外での資源開発のプロジェクトが95%失敗し、残るは東シナ海と南シナ海の海底資源開発に期待をかけるほかない状況に有る。国内階級矛盾からも資源開発の面からも周辺国を軍事的従属下に置く砲艦外交が必要な局面なのである。中国にすればアメリカが内政重視で経済的に中国との関係を断てない中で、このアメリカの「息継ぎの和平」の期間を最大限活用しなければならないのである。

こうしてアメリカと中国の戦略的都合で一時的に米中の新大国関係が成立しているのである。今年4月のヘーゲル米国防長官と中国の常万国防相の会談で、ヘーゲル国防長官が「日中間の係争においてアメリカは日本を守る」と語り、常万国防相が「武力を使用する準備はできている」と語った点に、この両国の「新大国関係」が実は相方の一時的・戦略的妥協の産物に他ならないことを示している。

それではアメリカと中国のこの奇妙な妥協はいつまで続くかというと、アメリカの方から見ると財政が好転するまでであり、中国の側から見ると尖閣戦争を必要とする経済的破綻と暴動が激化した時であり、または軍事的備えが整った時に、この両国の覇権をめぐる衝突が起きるのは避けようがないと見ておくべきである。

集団的自衛権で日本がアメリカの番犬国家になるのが「亡国路線」に他ならない事は明らかだ。日本は対米自立することで、米中間の戦争に巻き込まれない防衛戦略が必要な時なのである。
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