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オバマ訪日の注目点は何か?!

安倍の靖国参拝でアメリカは「失望」し、安倍の側近がその事に「失望」した事は、日米の「こじれた」関係を象徴している。オバマが「同盟国の争いに巻き込まれたくない」と2度も演説したことから、日本政府関係者の中には、中国の尖閣占領に対しアメリカが同盟国を守る気があるのかどうかについて不信感が生じている。

22日からのオバマの国賓としての訪日で、アメリカ側が日本を守る事を明言するかどうかが焦点の一つである。「息継ぎの和平」に戦略転換している内政重視のオバマが、アジアにおける中国の拡張的軍事行動に対決する腹を表明できるかどうかが内外の注目点である。

クリミア半島で軍事力による国境線の変更が現実化した後だけに、ロシアに軍事力を行使できなかったオバマが、尖閣諸島への中国軍の進行に約束通り日米安保条約上の約束を行使できるかどうかは、多くの日本国民が疑問を持ち、注目している点である。安倍が対中国戦略の上で、ロシアを引き寄せたいと考えているのに対し、オバマはウクライナに対するロシアの強硬姿勢に腹の内で怒っている。対ロシア政策でも日米の立場の違いが浮き彫りになっている。

オバマ訪日の第2の焦点は、米日韓の軍事同盟を固められるか、それとも韓国が中国との反日共闘を優先するかが注目点だが、韓国政府は旅客船「セウォル号」の沈没で国民の政府不信が高まり、今度ばかりはパク・クネ大統領も日本の責任にはできず、窮地に陥っている。もはやパク・クネに反日をやりまくる余裕は無い。従って日韓関係はオバマも解決したと同様で安堵(あんど)しているであろう。

第3の注目点は、TPP交渉の行方である。オバマは秋に中間選挙を控えており、民主党の支持基盤の全米自動車労組等の関税自由化反対の意向もあり、また農民票をあてにするには牛肉やコメで日本の譲歩を必要としている。しかし安倍政権も農民と日本農業を公約を無視して絞め殺す訳にも行かず。双方の譲歩の余地は極めて少ない。

つまりオバマの訪日と東南アジア諸国訪問の狙いは、対中戦略であり、TPPも経済戦略上の問題で有るが、経済重視のオバマは中国との関係も持続しなければならない。オバマが安倍に中国と韓国を刺激する靖国参拝など右翼的行動を控えるよう求める事になる事は確実である。安倍にしてみれば右翼的な断固とした尖閣諸島防衛の政治姿勢が国民の人気の源であるだけに、靖国参拝は今後控えても右翼的政治姿勢は変える事は無いであろう。安倍は日米関係を改善する為TPPで思い切った妥協をしたいところである。しかし次の選挙を考えると自民党が分裂しかねないコメと牛肉での譲歩は限りがある。

つまり安倍首相とオバマ大統領は抽象的に日米同盟の強化を謳い上げるしかない。それで日米のこじれた関係を立て直せればよしとしなければならない。世界経済の雲行きが中国経済の先行きの悪さもあって微妙な時期だけに、中国と世界経済のマイナス要因は刺激したくない、というのがオバマの本音であろう。
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