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オバマ外交の無原則的な後退と戦略的誤りについて!

オバマが財政危機から内政重視の「息継ぎの和平」に戦略転換したことは誤りではない。しかしその戦略転換に伴う同盟国の安全保障や、拡張主義的な国に対する戦術的配置が出来ていない。その為アメリカの同盟国が戦略的危機に直面し、覇権主義・拡張主義勢力に大きなチャンスを与えている。

中東和平は行き詰まり、イランは封じ込めの危機を脱し、世界の原理主義勢力の盟主としての地位を固めることになる。シリアは内戦の長期化が避けられず、反政府勢力内の原理主義勢力は勢力拡大のチャンスを得た。借金まみれのウクライナはロシアに「重荷」を押し付けておくべきだった。ところが反政府勢力を炊きつけて武装クーデターをやらせたため、ウクライナという「重荷」は欧米が抱え込み、しかもクリミア半島という戦略的要地はロシアのものとなった。しかもウクライナ新政権内にはチェチェンの過激派と関係のあるファシスト勢力が力を持っている。

ロシアのプーチンに軍事力による国境線の変更の機会を与え、領土的成果を与えたことは、拡張主義の中国社会帝国主義を大いに励ます事となった。台湾やフィリピンや東南アジア諸国が動揺し、中国の砲艦外交に従属的翼賛化しつつある。2013年度の航空自衛隊のスクランブルが810回と激増している。尖閣諸島への軍事的脅威は現実のものとなった。

アメリカのアジア重視戦略とは、中国大国主義の軍事的のさばりを許すものであった。オバマの戦略転換は、その結果地域情勢を有利に運ぼうとする地域覇権主義をのさばらせる結果となっている事を指摘しなければならない。アジア諸国の中国拡張主義への脅威は、アジア諸国の国民の怯えを誘い、事実上地域的覇権国中国への従属的翼賛化(=フィンランド化)を推進しつつある。

アジアにおける覇権をオバマが手放さない決意を示す事が何よりも重要であった。日本の尖閣を含む中国の領空識別圏設定に対し、空母機動部隊を東シナ海に入れることすらできなかったオバマの弱腰は、同盟国の安全保障を危機に直面させている。韓国が中国の「反日」に歩調を合わせていることも、アジアの覇権国中国への従属的翼賛化(=フィンランド化)の表れなのである。

安倍首相が、アメリカとの軍事同盟強化の集団的自衛権の容認に舵を切っても、オバマはそれを自己のアジア戦略に生かす事も出来ない。何より秋の中間選挙までは経済重視を崩さないために何も出来ない政権なのである。これをアメリカでは「政権のレイムダック化」というのであるが、今までは外交は民主・共和の合意でアメリカの覇権戦略が揺らぐことはなかったのであるが、今や民主・共和の対立は深刻で、オバマは何も出来ない政権となっている。

安倍首相がオバマにすり寄っても成果は得られない。日本は単独で中国の軍事侵略に対処する決意を固め、防衛力の大胆な強化を進めるべき時である。アメリカの弱腰外交が、あたかもナチスの拡張主義を容認したチェンバレン英首相(当時)の融和路線にあたる事をアジア諸国は見てとり、軍事的備えを急ぐべきである。
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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル : 政治・経済

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