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クリミア問題でのオバマの「制裁」に惑わされるな!

住民投票でクリミアのロシア編入の賛成が9割を超えた。ウクライナに外からのテコ入れで武力クーデターが起き、しかもウクライナ経済は破さん状態で、クーデターを画策したアメリカも大規模な経済支援が出来ないのである。EUはなおさら経済危機が深刻なのであるから、クリミアの住民にすれば選択肢はロシアしかなかったのである。

コソボをセルビアからもぎ取る時NATO軍はセルビアに空爆を行った。これと比べればロシアの今回のやり方は民主的という他ない。EUやアメリカが経済制裁を口にする資格は無いのである。自分たちが第二次大戦後の国境線の変更を旧ユーゴスラビアで、強引に武力で行いながら、同じ事をロシアが選挙でしたら制裁だというのである。

オバマ政権はオランダのハーグで24日から開かれる「核セキリティ―サミット」のさいに、主要国(G8)の内ロシア以外の7カ国首脳会議を呼び掛けロシアの追加制裁を討議する方針である。アメリカのオバマはシリア内戦への軍事介入を叫びながら、いとも簡単にロシアに妥協したことで国内から批判が出て支持率を下げた前例がある。

オバマは9月に中間選挙を控えており、それまでは経済回復で実績を作らねばならないのであるが、しかしロシアへの弱腰は野党共和党の批判を招くので、口先だけは強硬な姿勢を堅持しなければならない。つまりオバマの声高な「制裁」は口先だけであり、実際にロシア高官への口座の凍結は、その口座自体が存在しないと言われている。

つまりオバマは国内世論を見ながらポーズだけは強硬に見せかけているのである。実際に先進各国がロシアに経済制裁をすると、世界貿易が縮小しアメリカ経済もEUの経済も不況になり、オバマは中間選挙で負けることになる。つまりオバマはシリアの時と同じく誰かに制裁を止めてほしいのである。シリアの時はロシアが話し合いで毒ガス兵器の解体を提案してくれたのでオバマは助かったのである。

従って欧州も日本も制裁に歩調を合わせながら経済的打撃にならない「制裁」を提起しているだけなのである。今回はオバマには情けない事に止めてくれる国がない。ロシアという大国を相手に武力制裁だと地政学的にロシアが有利なのである。だから効果の無い「経済制裁」を仰々しく芝居するしかないのがオバマの弱いところである。

安倍首相はこうしたオバマの本音を理解したうえで、ロシア経済制裁を口にするが、実際にはロシアへの打撃にならない配慮が必要なのである。秋にはプーチンの来日を控えている。日本は北方領土を「引き分けで解決」し、ロシアとの経済相互依存関係を強め、ロシアを引き寄せ、対日侵攻を狙っている中国拡張主義の侵略に備えなければならない。

すでにオバマは「同盟国の争いに巻き込まれたくない」と2度も演説しており、日本が独力で防衛するにはロシアを引き寄せておくことが外交的戦略課題となっている事を指摘しなければならない。
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