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中国の現局面の深刻さを正しく認識する必要がある!

月刊誌「選択」の11月号に「まるで文革時代の中国」というまるで見当違いの記事が掲載されている。この記事は中国の現政権が取っている政策がまるで分かっておらず、現象的・表面的・一面的にとらえ文革の再来であるかのような認識である。これは日本の中国分析のお粗末さを示すと同時に、第一線の記者たちの情勢を見る目の無さを示している。

文化大革命は、毛沢東が官僚独裁支配を打破するために、次世代の為に奪権の予行演習を行ったのであり、それを官僚たちが骨抜きをしたので権力闘争的に見えるのである。それではなぜいま習近平が文化大革命時代の「為人民服務」(人民意奉仕する)のスローガンを持ち出し、反腐敗の名で腐敗幹部を逮捕しているのか?

現在の中国経済はリーマン・ショック後輸出が減少したので人為的市場創出で内陸部に工業基地をたくさん開発した。ところがこの数十にのぼる工業基地は「新鬼城」と呼ばれるゴーストタウンになり、莫大な投資資金が焦げ付く事が避けられない状況になっている。つまり中国経済は金融的破綻に直面しているのである。

現在中国で暴動がたくさん起きているのは土地を奪われた農民たちだが、金融危機が起きると工業基地「新鬼城」に投資した中産階級の資産が全て失われる事態となる。そうなると中国を支配している党官僚に矛先が向かう可能性が高い。これを地方の腐敗した党幹部のラインで押しとどめようというのが「為人民服務」(人民意奉仕する)の文革時代のスローガンを持ち出した理由である。

注目すべきは習近平指導部が富国強兵を叫び、解放軍指導者が「戦争を準備せよ」と叫んでいることである。中国が進めている大軍事力増強は経済的には内需を拡大する事であるが政治的には中華思想に基づく拡張主義である。これは官僚支配層が内的脆弱性を外的矛盾に転化する事を戦略としているということであり、その矛先が何処であるかは、中国政府がこの間国民に「反日教育」を行ってきたことで明らかである。

つまり中国はすでに社会帝国主義に転化しており、冷戦時の軍事力増強で疲弊したソ連がアフガン侵略に乗り出した時と似た情勢にあるという事が重要なのである。中国を現象面から文革の再来であるかのように報道することは間違いなのである。
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テーマ : 中国問題 - ジャンル : 政治・経済

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