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シリア問題での米ロ合意の戦略的意味!

シリアの化学兵器の破棄に向けた米ロの合意に対するオバマへの批判が高まっている。「アメリカは敗北者だ。アサドが合意に違反した場合、我々はロシアの人達の善意に頼るしかないのが現状だ」(共和党マケイン上院議員)というのである。

米ロ合意への懸念や批判は、(1)シリアが合意を守るのか?(2)守らない場合武力行使出来るのか?の2点である。内戦中のシリア軍が戦略兵器の解体に応じるわけが無い。応じても解体は一部分であり、ポーズでしかないであろう。

はっきりしているのはオバマは「息継ぎの和平」に戦略転換しており、武力行使をしたくなかった(できなかった)ということである。もしアメリカがシリアに介入しておればアメリカはイラク・アフガンに続きシリアで泥沼にはまり込んだであろう。財政危機はさらに深刻化し、アメリカは一極支配戦略の放棄を確実なものとしたであろう。

ロシアにとってシリアは、地中海における唯一のロシア海軍基地を失うことはリビアを失う事以上に軍事的敗北となったであろう。帝政ロシアの時代から黒海艦隊は地中海への進出が悲願であったのである。ロシア海軍にとって極東とバルト海での不凍港獲得と地中海進出(シリアの軍港)が戦略課題であったのである。

それは中国が日本の列島線を封じ込められると太平洋へ出れなくなるので尖閣諸島を口実に対日開戦を策動している事と同じ軍事・戦略上の重要性を持っている。つまり今回ロシアは戦わずに勝利したのである。

アメリカは移民制度改革や医療保険改革で民主・共和の対立が激化しており、しばらくは内政重視が続くのである。シリア問題でのオバマの消極性は弱さの表れであり、議会の捻じれの下で政権運営は困難な状態が続く事になる。もはやアメリカは他国との安全保障の約束を守る余力は無い事を知るべきである。

イスラエルの場合は、エジプト軍のクーデタ―でイスラエルの安全は最低限保証したというのがオバマの考えなのである。中国がアメリカの戦略転換に付け入れれば日本の西南諸島はたやすく占領されるであろう。いまのアメリカは、財政危機で一極支配者としての「世界の警察官」の役割は果たせないのである。日本は対米自立しなければならないのである。
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