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北朝鮮のミサイル発射延期示唆の理由?

北朝鮮がミサイルの延期を示唆する内容の報道が関心を集めている。「一連の事情」が何を指すのか?報道されているように果たして技術的理由なのか?大いに疑問である。

ミサイルのエンジンは旧ソ連製のスカッドミサイルのエンジンを改良したと見られており、技術的に問題があるのは当たり前だが、北朝鮮がミサイルの技術的問題で失敗した場合は政治問題化しやすい国だということを見ておくべきであろう。

前回失敗した時は事前に国内でも公表した。今回は国内で公表されていない。北朝鮮は若い指導者が最高指導者のポストを世襲した。しかも国内には予算を優先的に獲得する「先軍政治」への批判があり、「先軍政治」を続ける限り国民経済の発展は期待できないのだから、経済優先か軍優先かをめぐる路線闘争が激化していてもおかしくはない。

ミサイルの打ち上げを今回も失敗すれば「先軍政治」からの転換がしやすくなるであろう。逆に先軍政治の側にすれば失敗は「先軍政治」「強盛大国」路線の失敗を印象づけることになる。若い指導者が自らの指導権を確立するには古い軍指導者(軍官僚)の路線を転換し経済を立て直す必要がある。

ミサイルの発射は経済制裁の強化を招くのであるから、若い指導者の側近が発射に慎重になるのは理解できる。まだ指導権が確立していない若い指導者と側近がリスクのあるミサイル発射に固執するのは軍官僚の力を無視できないからなのか?それとも、失敗を路線転換に利用するつもりなのか?注目される点である。

北朝鮮という特殊な王朝は、権力基盤が軍にあり、軍事的緊張状態が権力維持の必要条件なので、あえて周辺国との対立関係を強化する外交ばかり取る傾向がある。しかもアメリカが「財政の崖」に直面し戦略転換しているので、今回は「見返り援助」も期待できない。

国民を食わすこともできない国が、多額の予算を軍事につぎ込む愚をなぜ避けられないのか?軍の力が強いからである。ミサイル発射の失敗は体制の危機に結び付く可能性があるので、今回の発射実験を報道規制しているのであろう。金正恩指導部は思ったより政権基盤は脆弱かも知れない。
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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル : 政治・経済

コメント

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 感想を述べさせtいただきます。
 
 まず、朝鮮問題の根本は、未だ終結していない朝鮮戦争です。アメリカとその従属国である日本の侵略にいかに対抗するかが今の朝鮮の課題です。 この観点がないまま「先軍政治」という型をはめて批判ししても意味がないと思います。
 イラク、リビア、シリアの現実を目の当たりにして、朝鮮が思うことは「次は自分の番だ」ということです。現にアメリカは、中東から東アジアへと戦略の重点をシフトするといっています。そして日本で阿部・石原・橋本の連合政権ができれば、第二次朝鮮戦争は時間の問題となるでしょう。
 よって核兵器とミサイルの開発は急務であり、それ以外の選択肢は朝鮮にはないのだと思います。
 
 さて、今私たちは何をすべきでしょうか。

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