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アメリカの対中戦略と中国の戦略について!

アメリカは市場経済に中国を取り込み資本主義化を促すことで、中国の内陸部と沿岸部の矛盾を激化させ、とりわけチベットや新疆ウイグル、内モンゴル等の少数民族との矛盾を激化させ、ユーゴスラビア連邦を解体したように中国を解体する、というのがアメリカの基本的対中戦略である。

市場経済のグローバル化による企業競争の激化は、労働力の安い国への生産施設の移転を促し、中国やインドやブラジル等を急速に発展させた。これは資本主義の不均等発展の法則の結果であり、アメリカに多極主義者がいるわけではない。

欧米がユーゴ解体時に位置付けたのは、冷戦時の旧ソ連(現ロシア)と中国の解体の実験としての国際的戦略であった。中国を解体するにはその経済的諸条件を整えなければならない。それが中国の資本主義化であった。

一見解体の対象である中国の経済発展にアメリカが手を貸すことが奇異に思われるでろうが、資本主義化によって一党支配の党官僚を新興ブルジョア化することが、この戦略のポイントなのである。

もちろん中国の側もアメリカの戦略は先刻承知であり、中国はこのアメリカの戦略を利用して経済発展の時間を手に入れ、戦略的大国の地位を不動のものにしょうとしている。
中国はアメリカが「反テロ戦争」で疲弊し「息継ぎの和平」に入ったことを自分たちの戦略的地位を固めるチャンスと考えている。

中国はシベリアと中央アジアを自己の経済圏にしつつあり、東シナ海を自己の資源地帯にしょうとしている。中国企業はアフリカに100万人の労働力を送り込み資源開発を進めている。また中南米へも鉱山買収を進め世界第二位の経済力を武器に資源大国を目指している。

沖縄のアメリカ軍に対しては、中国は長距離ミサイルを沿岸に配備し、空母を大陸に寄せ付けない戦略を実施している。この中国のミサイル配備で沖縄の海兵隊を分散配備し、第一撃からの残存性を高める必要が、在沖縄米軍を配備再見直しへと動かしているのである。

つまりアメリカの戦略と中国の戦略は錯綜(互いに相手を利用し、追い詰めようと)しており、今のところアメリカの中国解体戦略が成功するかどうかはわからない。つまり経済危機から中国の一党支配が崩壊し始めると、中国軍が周辺国に軍事行動を仕掛け、反動的民族主義を煽って国内の分裂傾向を抑止する可能性が強いのである。

現在の中国は社会帝国主義に転化していることをアメリカがどう認識しているかはわからない。言えるのは戦略的に中国の方が攻勢に出ており、アメリカは今のところ財政危機で中国の攻勢を傍観せざるを得ない。インド洋のジエゴガルシアの海軍基地を整備したり、太平洋への空母増強は中国への万一の備えでしかない。

アメリカはグローバル化で一極支配の覇権が危機にあるが、多極化の進む今も覇権を維持しようとしており、アメリカに多極主義者はいないと断言できる。いずれ米中は激突する運命にあり、日本は両国の戦争に巻き込まれないようにしなければならない。

当面中国は日本企業から必要な技術を獲得しようとして日中関係を重視しているが、これは一時的・戦術的なものである。日本は対米自立し、国防力を強化し、独自の戦略を持って、多極化した世界で平和主義に基づく多極外交を展開しなければならない。
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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル : 政治・経済

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