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なぜアメリカは普天間移転を棚上げしたのか?

在日米軍再編見直しでアメリカはなぜ普天間移転を棚上げしたのか?この背景にはアジアにおける戦略的激変があります。沖縄の米軍海兵隊は中国を仮想敵として配備されており、中国の戦略と結びついている。

その中国の戦略は将来台湾を併合し、防御ラインを第二列島線に置き、米空母を近海に近づけさせないことを戦略としている。このため大型長距離対地・対艦ミサイルを沿岸部に1200基以上配備している。

沖縄はこのミサイルの射程内にあり、沖縄の米海兵隊はわずか数発のこのミサイルで壊滅することになる。つまり沖縄の米軍基地の戦略的価値は、中国の領域への「米軍アクセス拒否」の戦略によって今や低下しているのである。

沖縄の海兵隊を、アメリカがアジア各地に分散配備しているのは、中国のアクセス拒否戦略への戦略的後退であり、沖縄から逃げ出すことで第一撃での残存性を確保しようとしているのである

つまり戦略的変化によって辺野古へ海兵隊基地を移転するよりも、民家に囲まれた普天間基地の方が米軍にとって戦略的価値が高く、移転する必要はなくなっているのである。民間人に被害の出る攻撃は中国にはリスクが高いのである。

つまり普天間移転をアメリカが棚上げした裏には中国の「アクセス拒否戦略」にアメリカ軍が戦略的後退をせざるを得なくなったということなのだ。しかしアメリカは日本との同盟関係を考えると「沖縄から逃げ出したい」とはいえないのである。だから「見直し」と表現しているのである。

このことが示しているのはイージス艦の対ミサイル防衛が実際には役に立たない事を示していると同時に、辺野古への新基地建設は費用が巨額にかかる割に軍事的には意味がない事を認めたようなものなのだ。

いまや米空母機動部隊が中国沿岸に近づけないこの軍事的・戦略的変化は、台湾や日本やベトナムなどには深刻な安全保障上の変化と言える。日本は対米自立して、自分の力で防衛力を保持しなければならない時が来ているのだ。
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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル : 政治・経済

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