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経済改革政策を打ち出せなかった習近平の苦境

中国の全国人民代表大会(全人代)が5日、北京で開幕し、李強(リーチアン)首相は今年の経済成長率目標を「5%前後」にすると表明し,そのうえで「中国の発展が必ず明るい未来を切り開くことは十分に明らかだ」とも強調した。しかしその根拠となる長期の経済改革案は何も示されなかった。

中国経済はゼロコロナ政策の都市封鎖で民間企業が大打撃を受けた。若者の失業率は昨年20%を超えた。中国の失業率は改ざんされており農民工の失業がカウントされていない。消費者物価指数は4カ月連続でマイナスだし、不動産不況で地方政府は財政難になり一部の地方政府は公務員に6か月給与が未払いの例もある。また賃金が半額になった労働者も少なくない。

全人代で明らかになった中国政府の政策は、
(1)中国経済の先行きは明るいという「公明論」を国家の宣伝部門が宣伝する。
(2)停滞する消費には「新しい商品を買おう」と国民に働きかける。
(3)経済評論家や記者などには中国経済については「ネガティブ(否定的)な言及はするな」と指示、指示に従わず、中国経済衰退論に言及すると改正スパイ法で国家安全局が「虚異の宣伝をした」として逮捕することで、中国経済悲観論を封じ込める。
(4)国債を21兆円発行して公共事業と、国防予算を34.8兆円に増やし兵器生産で景気を刺激する。
(5)国家統計局がデータをねつ造し目標の5%成長を演出する。

つまり明らかになった政策には、外資の撤退を防止する経済改革案は何もなく、中身はヒトラーの軍拡による需要の拡大政策と、経済の落ち込みを隠蔽する強権的封じ込めに過ぎない。その内容が経済改革政策とは言えないものであるので「李強首相の記者会見は行わない」ことにしたのである。

これでは長期的な経済改革政策は何もなく、中国経済がぶつかっている市場経済化と所有制の矛盾は解決しない。習近平は国営企業は官僚たちの利権なのでこれに手を付けられない。国内需要を拡大するための高米価政策は外資への場所貸し政策なので賃金は上げられない。もともと全人民所有なので価値法則は貫徹しない。だから計画経済しかないが、習近平は市場経済化で「自由放任の政策」を取った。ゆえに人口15億の中国で30億人分のマンションを建設した。これでは習近平に「買え」といわれても売れるわけがない。

政治局会議で机をたたいて習近平を批判した李克強元首相を失脚させ、亡き者にした付けは非常に大きい。経済に明るい指導者を、自分の支配に邪魔だと排除した習近平は墓穴を掘ることになるであろう。官僚たちは李克強元首相の事例があるので、現行の中国経済の問題点を指摘すると、それが習近平批判となるので、誰も経済的問題点を指摘できない。つまり習近平は「裸の王様」状態なのである。ゆえに経済行動を変える政策は誰も口出しできない。したがって今後は経済衰退を権力的に封じ込め、ごまかすしかない。

資本主義国でさえ投資に当たり一定の市場調査を行う。官僚独裁の特徴は各省の官僚が「右えなれい」で競争のようにマンションを建設する。かっては新工業団地をこぞって建設したが、社会主義的自給自足経済なので、もともと資本蓄積がなく誰も工場を作れず、「新鬼城」という廃墟が各地に残った。

つまり習近平は、市場経済に対する理解がなく、全人民所有制の下で市場経済を行うにはどのような構造改革の政策が必要かが理解できていないのである。また理解していても「反腐敗」を掲げ政敵を打倒してきた習近平には所有制に手を付けるわけにはいかないのである。なぜなら国有財産である工場の払い下げや、売却(=民営化)は横領に等しいからである。

今後習近平を打倒する政変が起きなければ、習近平ファシスト政権は経済が行づまり、成長が長期にできず、人民の不満は高まる。したがって内的矛盾を外的矛盾に転化する道、すなわち巨大化した軍事力に頼り、対外軍事侵攻へと突き進む可能性が高くなった。

習近平に構造的経済改革など望むべくもないことが全世界に明らかとなった。治安官僚は成果を誇示しなければならない。今後改正スパイ防止法により、外国人が公安機関に次々逮捕されるであろう。外資の撤退を防止する民主化の方針もない、ゆえに今後外資の撤退が加速するであろう。
中国に進出している2万5000社の日本企業は傷が大きくならないうちに撤退したほうが賢いといえる。
(追記)
本日(7日)の朝日新聞の報道によると、国債発行の資金の一部を設備投資の補助に使い、製造機械の更新を行う方向であることが報道されている。しかし中国経済は個人消費が冷え込んでいることが問題で、設備投資がどの程度経済にプラスになるかは疑わし。個人消費を促すには賃上げが必要だが、それをやると外資が逃げる可能性がある。
#中国全人代
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コメント

習近平は失脚するのでは?

 全人代での習近平の顔が渋かったそうですね。
  経済政策を打ち出せなかったのですから当然です。
   裸の王様は全てを隠ぺいするだけのようですね。
    中国経済の停滞と衰退をいつまで隠ぺいできるかです。
     クーデターもあり得ると思う。なぜなら軍幹部を次々失脚させたから。

習近平が中国経済をダメにした

 その事実を認識していないのが問題です。
  裸の王様では改革はできないでしょうね。
 新しい商品を買えという運動で消費が回復するわけがない。
  今更、計画経済では外資を撤退させるばかりだし、
 設備投資で新しい商品を出せば解決するのか?疑問ですね。

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