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岸田にすり寄る金正恩の政治的狙いについて

北朝鮮の朝鮮中央通信は15日、金正恩(キムジョンウン)総書記の妹で朝鮮労働党副部長の金与正(キムヨジョン)氏の談話を配信し、正恩氏との首脳会談に強い意欲を示した岸田文雄首相の発言について、「解決済みの拉致問題を障害物としなければ」と条件をつけた上で、「肯定的なものとして、評価されないはずがない」との見解を明らかにした。

岸田首相は9日の衆院予算委員会で、拉致問題の解決に向けて「大胆に現状を変えていかなければならない」と発言したことに対し、金与正氏は談話で、拉致問題は「解決済み」とする従来の主張を維持しながら、日本が北朝鮮への敵対意識をやめることなどを前提に、「日本が政治的決断を下せば、両国がいくらでも新しい未来を共に開いていくことができる」「首相が平壌を訪問する日が来る可能性もある」と柔軟な主張をおこなった。

この北朝鮮の柔軟姿勢にはいくつかの理由がある。それは以下の点である。

(1)ウクライナ戦争での初戦でロシア軍戦車部隊が米製の対戦車携帯ミサイル「シャベリン」で壊滅的打撃を受けたこと、つまり北朝鮮軍も旧ソ連製兵器であるので、その西側の軍事技術の高さを見て、軍事的脅威が深刻であることを理解したこと。

(2)韓国の政権が親北政権から保守派の政権に代わり、米日韓軍事同盟が強化され、その共同演習を見てふるえあがっていること。つまり米日韓軍事同盟にくさびを打ち込む必要性が北朝鮮にはある。支持率が低迷している岸田を組しやすい相手と見ていることでもある。

(3)北朝鮮政府を樹立した金日成はコミンテルンの社会主義的改革をすべて拒否した。このため北朝鮮は儒教思想に立脚した絶対王政下の奴隷制社会である。金王朝が支配する北朝鮮の政治支配体制は世界で一番古臭いことから当然にも経済的遅れがひどく、国民は飢えに苦しんでいるだけでなく、自由もない。韓国の豊かさを強調する宣伝が北朝鮮人民の韓国へのあこがれを生み出している。ゆえに脱北者が急増している。つまり北朝鮮は国連の経済制裁の突破口を開けなければならない。

(4)日本の側から見ると、岸田首相が政権の長期化を実現するには外交で成果を誇示する以外にない、何故なら自民党の裏金問題で支持率が15%に下がっており、これを内政で盛り返す方法が見当たらないからである。ゆえに岸田は密かに北朝鮮に接触を行っている。

(5)アメリカの次期大統領が「政治取引」を信条とし、過去北朝鮮と会談したことのあるトランプである可能性が強まり、北の金正恩はアメリカとの直接交渉が可能になると見ている。北朝鮮経済を立て直すには日本との関係改善が必要条件なのでその布石を行っているのである。

北朝鮮問題(すなわち拉致問題)の解決を難しくしている政治情勢は、半島の現状固定化で米中が戦略的合意をしていることにある。北朝鮮のような遅れた政治支配体制の国は自由貿易体制に取り込めば、すぐに支配体制は崩壊する。江戸幕府が開国して自給自足経済が成り立たなくなり崩壊したように、専制支配下における経済体制の変化は政治体制を崩壊させる力がある。
過去に小泉首相が訪朝し拉致家族の「一時帰国」で合意したが、約束を破り帰国させなかった。北朝鮮はだまされたので拉致問題は解決済みのスタンスを取り続けている。しかしこの北朝鮮金王朝のスタンスも変わるほかない情勢が来つつある。それがアメリカの戦略の変化である。

米中の戦略合意が北を自由貿易体制に取り込むことを阻止しているのであるが、重要なことはトランプが「中国に60%の関税をかける」と語っていることだ。しかも中国は構造的大不況の最中にある。米中の半島の現状維持の戦略的合意が破棄される可能性は強いと見なければならない。北朝鮮は相手がトランプなら、国連の経済封鎖を打破できると見ている。

皮肉なことに、北朝鮮が念願の自由貿易体制に参加すれば、奴隷制社会の大王としての金正恩の地位を突き崩す可能性が出てくる。経済成長は古臭い政治体制を打破する力があるのだ。半島の政治情勢の激変の時期が来たといえる。北朝鮮にラブコールを送る岸田首相がこうした戦略関係を理解しているとも思えない、そこに彼の外交の危うさがある。
#北朝鮮外交
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コメント

北朝鮮の岸田への摺り寄り

 その狙いがよくわかります。
  岸田首相は北朝鮮に舐められそうですね。
 岸田外交はウクライナ全面支持で、ロシアを敵にしてしまいました。
  これは日本の安全保障を危機にすることだと私は思います。

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