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アメリカの戦略外交の失敗について

ロシアのプーチン大統領が14日、3時間余りの国民からの質問に答える行事「直接対話」と年末の記者会見を行った。ウクライナ侵攻後初めて、国内外に持論を発信する恒例イベントである。プーチンは「我々が目的を達成すれば平和になる」と主張し、ウクライナ極右政権の「非ナチ化」のためにウクライナ戦争を継続する意向を示した。また「ロシア人とウクライナ人は一つの民族だ」と述べ、ウクライナ戦争を「内戦に似ている」と表現した。

露独立系機関「レバダ・センター」の今年11月の世論調査によると、プーチン氏の支持率は約85%。プーチンは出馬の意向を表明した来年3月の大統領選に向けて自信満々で質問に答えた。今背景にはウクライナへの欧米の支援が続きそうもない事態が影響している。

欧州諸国がウクライナへの援助疲れで、ウクライナへの軍事支援が80%減少し、アメリカもパレスチナ戦争でのイスラエルへの援助が増え、アメリカ議会ではウクライナ支援の予算が共和党の反対で議会を通過できない事態が起きており、年内にアメリカのウクライナ支援金が底をつく事態が生まれている。(岸田政権がウクライナへの4500億円の支援を決めたのは異例で、アメリカ政府の要請なのかもしれない)。プーチンはウクライナ戦線を膠着状態に持ち込み、ウクライナの反転攻勢が完全な失敗となり、冬の季節を迎えてロシア軍には冬将軍の支援もあり、プーチンは来年3月の大統領選での勝利が確実となって、自信満々の記者会見となった。

アメリカがウクライナの親ロシア派政権をクーデターで打倒して極右政権をたきつけてNATO加盟の挑発でロシアを侵攻させ、プーチン政権を打倒するという戦争目的は果たせそうもない。しかしもう一つの目的であるユーロ経済圏とロシアを分断することには成功した。アメリカ経済は二つの戦争で軍需産業が潤い、エネルギー産業も穀物メジャーも価格高騰でぼろ儲けしている。

しかし戦略的に見るとアメリカがロシアを中国の方に追いやったのは、中国の覇権戦略を極めて有利にした。アメリカがイラク戦争とアフガン侵攻で200万人の人民を殺したことが、中東全体をロシア・中国連合の方に追いやったのも重大な戦略的失敗である。

バイデン政権は、イスラエルとサウジの関係改善を条件にサウジへの原発支援を決めたのだが、これがパレスチナのハマスを刺激し、イスラエルへの攻撃を招き、まんまとイスラエルとサウジの関係改善を破たんさせられた。イスラエルのネタニヤフ政権にはサウジへの核開発技術の支援は、安全保障上の危機であり、アメリカのサウジの原発支援をぶち壊す目的でパレスチナ攻撃を続けている。つまり、最近のアメリカの戦略は失敗続きとなっている。

バイデン政権の失敗は、同盟国のウクライナを「捨て駒」にしたこと、同盟国のEUに経済的打撃を与えたこと、同盟国のイスラエルの反対するサウジへの原発支援を約束したことに見られるように、バイデン政権は同盟国の安全保障を軽視することで信頼関係を自ら破壊していることに示されている。

中国政府がシベリアの領有権獲得を外交的狙いとしていることから、中国とロシアの関係は以前は溝があった。しかしアメリカがウクライナの極右政権をたきつけて挑発したことで、ロシアと中国の関係を緊密にしたことの戦略的失敗は大きい。その結果日本には、核保有国の3正面の敵(中国・北朝鮮・ロシア)を持つ戦略的に不利な局面を招いた。バイデン政権の外交はすべて同盟国の安全保障を不利にしている。同盟国としてアメリカへの信頼に疑問・不信がわく事態なのである。

軍需産業の国アメリカ経済はぼろもうけしても、同盟国の安全保障が捨て駒のように扱われるのでは、アメリカの戦略への協力は得られないであろう。我々が対米自立を掲げ、日本の安全保障は自分の力で守ることが必要な情勢であることを指摘しているのは根拠があることなのだ。日本はいつまでも従属国ではいけない戦略事態が生まれているのだ。
#アメリカ外交 #対米自立
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コメント

アメリカはピンチですね

 軍事産業に儲けさせようとして戦略で失敗しているのがよくわかります。アメリカが同盟国を犠牲にするようでは覇権は危ういですね。アメリカは国内も分断しており、犯罪も多いですから落ち目ですね。日本も中国相手に「捨て駒」にされないようにしないといけない。

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