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米中の対話路線は国内事情による一時的・戦術的なもの

バイデン米政権が、バイデン大統領と習近平国家主席による米中首脳会談の開催について、今月15日を軸に最終調整を進めている。イエレン米財務長官は9日、中国の何立峰(ホーリーフォン)副首相と米サンフランシスコで会談し、「アメリカは中国のデカップリング(切り離し)を望んでいない」と伝えた。アメリカの国家安全保障に向けた措置(=半導体規制)は今後もとり続けるとしながらも、両国の「健全な経済関係」を築く必要性を訴えた。

中国の習近平政権は、ロシアへの支援で送ったミサイルの性能が著しく劣悪であることをロシア軍から指摘され、武器開発部の不正が発覚した。現在中国は深刻な経済不況の中で、軍の兵器開発部門の武器性能の水増し、不正が発覚し、現在兵器開発の指導部を総入れ替えし、武器開発体制を再建している。とても現状では台湾進攻など出来ない事態となっている。

中国軍機や海軍艦船が最近南シナ海で、米軍機や艦船に挑発的な接近を行い、一触触発の事態を演出したのは、アメリカを対話路線に導く戦術であった。互いの軍幹部の対話などを通じて、中国は当面緊張緩和を必要としているのである。

アメリカのバイデン政権は、来年の大統領選を控えウクライナへの戦争支援の予算法案が議会の抵抗を受け、またパレスチナ戦争でアラブ系国民の票が期待できなくなり、再選戦略が崩れつつある。米中関係を今以上悪くするわけにはいかないので、バイデン政権は当面は中国との関係を正常化しておかなくてはいけない事情がある。バイデンは、中国政府の行動でこれ以上再選戦略を崩されたくないのである。

つまり今月15日に予定されているアメリカ・サンフランシスコでの米中首脳会談は、そうしたそれぞれの国内事情から、当面は両国関係を改善しないわけにはいかないのである。したがってこの対話路線、すなわち米中の緊張緩和は一時的、戦術的なものであり、米中の覇権争奪が国内的困難から一時休戦するに過ぎない。戦略的に米中の覇権争奪が続くことに変わりはない。バイデンは再選を実現するために、トランプ政権よりも自分の方が対中国政策が穏便であることを、当面中国側に強調しておかなくてはならないのである。
#米中関係
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コメント

米中共国内の事情

 なるほど、確かに米中共国内が大変ですね。
 トランプが勝つとアメリカ第一主義ですから米中の対立は激化するかもしれませんね。

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