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中国 途上国への巨額融資の罰則金利は約3倍!

2023年11月7日 NHKニュースによると、一帯一路構想を掲げる中国は途上国のインフラ事業などに巨額の融資を行ってきましたが、アメリカの研究機関がその実態を分析した最新の報告書を公表しました。返済が滞った国に対する罰則金利を3倍近くに引きあげるなど、債権回収を強化する姿勢が浮かび上がりました。
これはアメリカ南部バージニア州の公立大学、ウィリアム・アンド・メアリー校のエイドデータ研究所が6日、公表したものです。

 同報道によると、中国は一帯一路構想のもと、途上国に巨額の融資を行っていますが、融資条件など詳細はこれまで公表されず、透明性が低いと指摘されていました。この研究所はネットなどで得られる中国や途上国の公開情報と、数千人の政府高官などへの聞き取り調査をつきあわせて分析を行ったという。

 その結果、中国から途上国への融資残高は、元本だけで少なくとも1兆1000億ドル、日本円でおよそ165兆円に達し、世界最大の債権国になっていると指摘しています。そのうえで返済が滞った場合、中国だけが資金を引き出せる専用の口座をつくる契約を結んでいたケースがあったとしています。
また、返済が滞った国に対する罰則金利を設け、2017年までの4年間は上限が3%だったのに対して2021年までの4年間は8.7%と、3倍近くに引きあげていたということです。

 この調査に対し、中国の専門家 は“双方が合意 誰かが強制したのではない”としています。国際経済や外交に詳しい中国の民間シンクタンクの王輝耀 理事長は「一帯一路協力協定には多くの国と国際機関が署名し、3000以上のプロジェクトが推進されており、世界の多くの新しい機会をもたらした」と述べ、一帯一路構想の成果を強調しました。

 中国の途上国へのインフラ事業などに対する巨額の融資について「一帯一路プロジェクトは、共同協議と共同建設であり、中国と、プロジェクトを進める国の双方が協議し、合意して署名したもので、誰かが強制したというものではない」と述べました。

また、王理事長は「中には、個別のプロジェクトで、計画が野心的すぎた可能性があるものもあるかもしれないが、これは非常にまれな現象であり、一帯一路は、大多数の途上国から、歓迎されている」と述べています。
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中国政府は、安い労働力による外国企業の生産拠点化を進め外貨を稼いでいる。これにより国内の労働者の預貯金総額も増大した。この資金を海外投資に向けたのが「一帯一路」戦略の経済的側面であった。それゆえ中国政府には途上国が返済不能になっても債権放棄はできない。何が何でも回収するのが中国政府のスタンスです。

中国の、深圳などとは違い内陸部の市場計画は、公共事業による産業都市やマンション建設などを進めたが、そもそも所有制と市場経済化の政策が矛盾している中で、また資本蓄積ができない中では成功するはずもなかった。こうして内陸部の市場計画は地方政府の財政を破たんに追い込んだだけで多くが失敗した。

それゆえ国民の預貯金を運用する場も中国にはなかった。これが海外への貸し付けに進まざるを得なかった理由である。だが土地が国有の中国のやり方では、土地の買収から始める途上国での開発計画はうまくゆくはずもなく、多くが支払い不能になっている。これは罰則的金利を8.7%に上げれば上げるほど途上国は返済できい。

習近平は国有企業を国民への株式売却(株の共同保有)という方法で民営化を進めるべきであった。ところが中国の国営企業はすべて官僚たちの利権となっているので、民営化もできない。つまり中国の特徴ある市場経済化は、社会主義的所有制の壁にぶつかり、限界にぶつかっている。

しかも習近平の行き過ぎたゼロコロナ政策、江沢民派の資金源である不動産企業への締め付け、習近平思想の学習強化のための学習熟の禁止などで、多くの失業者を出すことになった。つまり習近平の政策で中国の経済危機はより深刻化した。当然にも国民の批判は激化する。

中国の歴史では右から左、左から右へと路線闘争が闘われ、路線変更が起きている。しかも今回は左派が台頭することを中国の多くの国民が知っている。習近平政権打倒の横断幕が表れたゼロコロナ政策反対の「白紙革命」は、習近平には衝撃であった。

習近平が鄧小平の長男鄧樸方(中国身障者連合会名誉主席)を引退させ、毛沢東の娘李納氏を「副国級」(閣僚クラス)の老後待遇を命じたのは、左翼を偽装することで政権の安定を図ろうとしているのであり、いわば政権保全の偽装である。習近平は独裁の強化と左翼政権を偽装しなければ危うい情勢が中国の現状なのである。日本の中国研究の評論家たちが、あたかも習近平が文革をやろうとしているかのニュース解説をしているのは、完全な間違いである。

習近平はファシスト政権の保全のために左派を偽装しているに過ぎない。ゆえに習近平政権は江沢民派、胡錦濤派(団派)太子党、軍部などの幹部を多数失脚させて恨みを買っており、現在の経済危機の中で極めて危うい状態にあるので偽装が必要なのである。しかも習近平が左翼を偽装しているために文革派が台頭する条件もある。今後中国の路線闘争=政争の激化は避けられない。
#習近平政権
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コメント

そうか!

 習近平は左を装っているのですね。
  それで分かりました。彼は文革を恐れているのですね。
   しかし習近平は他派閥の幹部に打倒される可能性の方が強いように思う。

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