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台湾侵攻を当面あきらめた習近平の公表できない理由

中国の李尚福(リーシャンフー)国務委員兼国防相が24日に突如解任された.「主席令により、李尚福の国防相と国務委員の職を解く」「秦剛の国務委員の職を解く」「李尚福の中央軍事委員会委員の職を解くことが評決された」 24日夜の中国中央テレビのニュース。キャスターは淡々と決定事項だけを読み上げた。中国外務省は25日、「これ以上提供できる情報はない」と繰り返した。解任の理由も不明なままで、7月の秦剛(チンカン)外相の解任に続き、李尚福国務委員兼国防相が解任された。

この人事が世界の注目を集めたのは、解任の理由も不明なままで、解任された外相と国防相が独裁者習近平のお気に入りであったからだ。それゆえ中国で何が起きているのか?習近平の力が落ちているのか?との疑問が出ているのである。

現在中国で起きている幹部の失脚は、2つの理由がある。一つは、習近平の台湾進攻論に慎重論を主張して習近平の逆鱗に触れた者。二つは、武器の開発を進めてきた装備開発部の幹部達の腐敗である。李尚福国防相の解任は二つ目の理由である。

ウクライナ戦争でロシア製兵器の性能の低さが世界に露わとなったこと、また中国が密かにロシアに送ったミサイルなどが、飛距離も足りず、命中率も悪いことがロシアからの苦情で明らかとなり、習近平が装備開発部長に就任したばかりの許学強上将に、密かに武器の総点検を命じたという。その調査で中国軍の装備開発部が膨大な予算を使いながら開発した武器の性能が、党中央に報告した内容が実態と大きく違うことが明らかとなり、習近平が激怒し、徹底調査したら、装備開発部と兵器生産部門の腐敗が数多く露呈したというものである。

つまり秦剛外相と李尚福国防相の解任理由を公表できないのは、いずれも台湾侵攻にかかわる理由であること、任命したのが習近平であるため、任命責任が問われるので解任理由を公表できないのである。

以上の一連の習近平の幹部粛清から言えることは、中国軍はロシア製の兵器だけでなく、中国開発の兵器も性能が悪すぎてとても戦争をできるレベルではないことから、当面習近平はアメリカとの対話路線で時間稼ぎをするほかないということである。バイデン米大統領も大統領選があるので中国政府との対話路線なので、当面米中は緊張緩和を選択するということは確実である。

習近平のお気に入りの幹部が中央に嘘の布告をしていたこと、それゆえに一連の幹部解任で打撃を受けたのは習近平である。しかも中国経済が深圳を中心とした輸出分野が米中摩擦で振るわず、内陸部の経済開発も社会主義的所有制と市場経済が矛盾して、市場経済化が失敗し、その上に習近平のゼロコロナ政策の行き過ぎ、他派閥の資金源であるとの理由で建設産業を締め付けた失政もあり、中国経済は深刻な不況に直面している。とても習近平が任命した幹部たちの腐敗を公表できる状況にはないのである。

つまり習近平ファシスト政権はゼロコロナ政策に反対する「白紙革命」で習近平批判の横断幕が表れたこともあり、現在窮地にある。彼は江沢民派や胡錦濤派(=団派)を「反腐敗」で容赦なく弾圧しだけに敵が多く、自分の部下の腐敗を見逃すわけにいかなかったのである。それだけに外相と軍幹部の解任は習近平政権に少なくない打撃を与えることになった。習近平政権は最近20兆円の国債を発行し、自然災害の復興に使うことを発表した。これは人民の不満への懐柔策であり、とても習近平の悲願である台湾侵攻ができる状況ではないのである。

最近の中国艦艇と航空機の米軍艦船や航空機への挑発行為は、自己の軍隊の装備上の弱さを自覚した習近平が、アメリカに意図的に軍事衝突の危険を知らせ、対話路線に引き込む下心からの画策と見るべきである。
#中国の台湾侵攻
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コメント

最近の中国機の挑発の意味が分かりました

 アメリカと対話路線ですね。
  それにしても中国の駆け引きはすごいですね。
   話し合い路線でも逆に挑発しますか!
    習近平は経済危機の組織の腐敗で、戦争もできませんね。
     中国軍は張り子のトラですね。だから核に頼るのですね。

No title

 中国は外交は強気ですが、技術の低さや管僚の腐敗はすごいようですね。

 経済も不況が構造的ですし。習近平は失脚するのでは?

 敵を多く作りすぎですね。

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