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中国をめぐる最近の動きから分かること

最近の中国に関する報道をまとめると以下の点である。

*福島原発の処理水放出を口実にした、日本からの魚介類の輸入停止と反日宣伝を組織したが、反日がデモに発展するのは防止しようとしているように見える。これは経済危機の中で、デモが政権批判に発展することを警戒しているからである。

*香港紙の報道によると、中国が北極海の氷の下に音響探知装置を設置し、アメリカのミサイル原潜の動きをさぐっているという。これはアメリカ海軍への事実上の挑発といえる。

*中国の諜報機関が台湾の黒社会(暴力団)とつながり、台湾の退役将校の情報を使いスパイに仕立てて軍事情報を手に入れているという、台湾メデアの報道がある。

*中国が海外警察網で新しい手法を使っているという報道もある。オーストラリアメデアによると、中国ネット空間に中国IT企業のプラットホームやアプリを使い、オーストラリア国内で活動するスパイへの指示を出しているという。最近同国で摘発されたスパイ拠点摘発で入手した中国政府の内部文書でわかったという。

*中国の李尚福国防相の動静が2週間伝えられておらず、国内外で臆測を呼んでいる。中国では習近平(シー・ジンピン)国家主席の3期目政権以降、秦剛前外相や人民解放軍ロケット軍幹部らが突然交代する事態が相次いでいる。

*中国の習近平国家主席が8月26日に新疆ウイグル自治区を視察し、「イスラム教の中国化」の推進や「中華民族の共同体意識の増強」を指示した。国際社会が中国の民族迫害政策を非難する中、ウイグル人への同化政策を緩めない姿勢を改めて示した。

*防衛省統合幕僚監部は11日、中国海軍のミサイル駆逐艦やフリゲート艦など艦艇計8隻が沖縄本島と宮古島の間を通過し、東シナ海から太平洋へ移動したと発表した。
防衛省によると、11日午前、宮古島の北東約140キロで5隻、さらに尖閣諸島・大正島の北東約230キロで3隻がいずれも南寄りに進むのを確認した。計8隻はその後、太平洋へ向かった。海上自衛隊の艦艇や哨戒機が監視に当たった。
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これらの情報をまとめると、中国国内経済の危機の中で、習近平は国内統治体制を固めようとしていること。引き続き中華大民族主義を実行し、少数民族の同化政策を堅持していること。引き続き西側諸国や台湾を標的にスパイによる情報や技術を奪い取ろうとしていること。今も習近平が「強国路線」を堅持し、中国艦隊の行動半径を拡大し続けていること、などが分かる。習近平がインドにおけるG20の会議を欠席したのは、インドが第3極を目指しており、世界が3極体制になりつつあることを認識したからに他ならない。またアメリカのバイデンとの接触を避けたとも見える。

これに対しアメリカの動きを見ると。バイデン米大統領は10日、訪問先のベトナム首都ハノイで記者会見し、インドで閉幕した20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で10日に中国の李強首相と会い、米中関係の安定化などについて話したと明らかにした。
バイデンは「中国は困難な経済問題を抱えている」と指摘。特に習氏は、中国国内の若年層の失業率上昇や経済政策の失敗といった問題で「手がふさがっている」状態だと分析した。一方で、こうした中国の国内問題が米中対立の激化につながることはないとの見通しを示し、中国経済の減速が「中国による台湾侵攻を引き起こすとは思わない」とも強調した。
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このことからバイデンはアメリカの大統領選を前に、対中国姿勢を緩和し、米中関係の改善を求めて習近平との首脳会談を求めていることが分かる。これに習近平が応じるのか?それとも突き放すのかが現時点での注目点である。習近平がG20をボイコットした理由がバイデンとの会談を拒否した可能性もある。バイデンは中国が経済危機だから大統領選中の一時的融和策に応じるとみているのであろう。中国が自国の戦略から見てトランプを選ぶのか?それともバイデンを選ぶのかで習近平の対米対応が変わる可能性がある。
#中国習近平主席
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コメント

確かに!

 中国がアメリカにどう対応するのか見ものですね。
  バイデンは中国に選挙を妨害されるのを気にしているのですね。
   しかし習近平は個人独裁を固めるのに、やりすぎのような気がする。

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