fc2ブログ

G20で強まる発展途上国の発言力

インドの首都ニューデリーで開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は2日間の日程を終え10日、閉幕した。サミットではアフリカ連合(AU)の参加が正式承認されたことで「グローバルサウス(GS)」と呼ばれる新興・途上国の発言力が増すことになった。多極化が進む世界の現実を反映した。

今後は意見集約がさらに困難になるのは必至。バイデン米政権は、米国が議長国となる2026年に向け、G20を先進国とGSをつなぐ場と位置づけて関与をいっそう強める構えだ。「経済回廊を築く」バイデン大統領は官民のインフラ投資を通じてGSへの関与を深め、先進諸国との経済的な結びつきを強めるとする考え方を述べた。

その具体化として、インドと中東、欧州を結ぶ鉄道・港湾網でつなぐ構想を発表し、関係国・地域と覚書を交わした。アフリカ中部のコンゴ民主共和国とザンビアをアンゴラのロビト港と結ぶ回廊構築への支援強化も約束した。いずれも、中国やロシアが影響力を強めようとしているGSを西側につなぎ止める政策である。

G20サミットは、08年の世界金融危機を受けて生まれた、アメリカをはじめとする先進7カ国(G7)の相対的な地位低下を象徴する枠組みだ。世界規模の問題を協議する場である一方、近年は米中対立が強まる中で、国際社会の足並みがそろわない傾向も増した。今回の首脳宣言は、ウクライナ侵略を続けるロシアを名指しして批判することすら避けた。

ロシアのラブロフ外相は、20サミットについて、ウクライナを議題にしようとする西側諸国の試みは失敗したと主張。グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国の力が強まって「内部改革が進んでいる」とし、「西側諸国は覇権を維持できなくなるだろう」との見解を示した。またアフリカ連合(AU)のG20参加に言及し、アラブ連盟や中南米カリブ海諸国共同体、ユーラシア経済連合(EAEU)などの将来的な参加を支持した。

冷戦崩壊後のグロバル化がもたらした資本主義の不均等な発展は、世界を多極化し、中国・ロシア・北朝鮮の独裁連合と欧米日先進国の対立が深刻化する中で、第三極としての発展途上国(アジア・アフリカ・中東・中南米)の国際社会における地位を有利にし、発言力を強化したと言える。

もはや世界の覇権は、分有の時代であり、文字通り合従連衡の時代が到来したといえる。バイデン米大統領が先進国と発展途上国を結ぶ回廊構築の経済戦略を打ち出したことが、資源を握る発展途上国の国際的発言力が増していることを示したといえる。

世界の多極化は、アメリカの一極支配の終焉であり、かってなかった3極体制の時代が来たという事だ。日本は対米従属をいつまで続けるのか?それが問われる外交の時代でもある。アメリカにそそのかされて戦争を挑発し、アメリカの捨て駒になり、自国の荒廃を招いたウクライナのてつを踏んではならないのである。
#世界の多極化
スポンサーサイト



コメント

No title

 国民を犠牲にしないようにするには自立しないと、いつまでもアメリカの言いなりでは、ウクライナのような捨て駒にされます。対米自立を支持します。

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

SEO対策:政治