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官僚独裁と資本主義の対立は不可避か?

現在のロシアや中国の現状を見てみると、この2国は資本主義経済が発展していない、弱い環であり、その遅れた経済から社会主義国になった。冷戦は資本主義陣営と社会主義陣営の並列する時代の事であり、この分裂と対立は軍拡競争となったことで、ロシアも中国も官僚独裁が強まり、労働者農民の権力は、官僚の権力へと変質することになった。

遅れて発展した社会主義国が兵器生産にまい進すれば、当然にも人民の生活は後回しになる。官僚の利権が拡大していくと、国家資本主義への変質が始まり、官僚独裁から、ファシスト政権へと変質する。資本主義の道を歩み始めた旧ソ連は共産党を解散したが、今も当時の官僚支配が事実上続いている。

ロシアの経済的支配勢力=オリガルヒとは、ソビエト連邦の崩壊に続く、ロシアやウクライナなど旧ソ連諸国の資本主義化の過程で、主に国有企業の民営化(=国有財産の横領)の中で形成された政治的権力と結びついた新興財閥であり、1990年代に急速に富を蓄積したロシアの大富裕層のことである。

中国は、未だ一党支配を維持しているが、内実はロシアとほとんど変わらない。官僚独裁化で市場経済化を進めたが、それは外国企業への場所貸し経済であり、内陸部の市場経済化はロシアと同じで所有制と市場経済が矛盾し、価値法則は貫徹せず、その資本主義化は限界があり、結果独裁政権がファシスト政権に変質することが分かってきた。言い方を変えれば社会主義革命の成果は何も失われておらず、その成果が官僚独裁の走資派権力を経済危機に追い詰めているのである。

つまりアメリカがもくろんだ旧社会主義国を普通の資本主義の国にするという目的は、達成が難しいことが分かってきた。ロシアや中国の資本主義化を進めることは、世界の覇権を握るアメリカには、自らの敵対的競争相手、すなわちファシスト政権を生み出すことになった。

ロシアを解体するために、ウクライナの極右にクーデターを行わせ、NATO加盟でロシアを挑発し戦争に持ち込んだことで、アメリカはロシアを中国の側に追いやり、同盟を強めさせ、世界の資源産出国がロシア・中国の側に付き始めた。つまりウクライナ戦争の長期化は、中国の覇権獲得戦略に有利に働き始めた。そうした視点で見るとアメリカの戦略的失敗は明らかである。

ただでさえアメリカ国内は産軍複合体を中心とする金融資本(=バイデン陣営)と、重化学工業や農村を中心とする、経済発展から取り残された白人層(=トランプ陣営)の分裂と対立が激化し、アメリカは国内的困難の中にある。

つまり世界は、ロシア・中国の側も、欧米の側も経済危機の中で、戦争への動きが急速に進行している危険な政治局面が生まれている。経済的危機が政治的困難を生み、政治の形を変えた延長が戦争なので、現局面が世界大戦の再発になる可能性が強まっているのである。

このアメリカと中国の覇権争奪は、冷戦崩壊後のグローバル経済の不均等発展の結果であり、資本主義の不均等発展の法則が世界を多極化したのである。米中の対立は戦争へと進まない可能性もある。なぜなら双方が核大国であり、戦争は破滅を意味するからである。つまり権力維持では米中は相互に妥協する余地があるので、新たな冷戦となるのかもしれない。しかし局地戦の起きる可能性は高いので、双方が新たな軍事同盟を模索し始めたのである。
#米中対立 #官僚独裁と市場経済化
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コメント

新しい冷戦

 まさに歴史は繰り返すですね。
  私は中国が近く習近平が打倒されると思います。
   彼は恨みを買い過ぎで、敵が多いですから政権が持たないのでは?
    このまま「戦狼外交」を続けると経済が持たない気がします。

社会主義の所有制とは

 全人民所有制が市場経済の障害になるとは知らなかった。改革はなくならないということですね。習近平はこのことが理解できていないということのようですね。

No title

 戦争は避けないと破滅です。
 米中は依存面もあるので競争でとどまるのでは?
 

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