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中国経済の構造的不況で軍事的暴走は不可避!

世界で、中国の成長率見通しを下方修正する動きが続いている。中国政府は2023年の経済成長率目標を「+5%前後」に設定した。これは、当初は保守的な見通しと評価されていたが、昨年の中国の成長率も+3%と政府見通しを下回ったが、その後の経済情勢の悪化を受けて、今年も2年連続で政府見通しを下回る異例の事態となる可能性が強まっている。
中国経済の行方について著名なエコノミストがさまざまな診断・処方箋を発表し、さながら百家争鳴のさまを呈している。

一部のエコノミストや投資家らは、中国政府に国内総生産(GDP)を押し上げるもっと大胆な取り組みを求めている。その内容は、新型コロナウイルス下でアメリカが行った現金給付を実施すべきだという。中国がアメリカに近い消費者主導型の経済への移行を加速させれば、成長が長期的に持続可能となる、とエコノミストや投資家は指摘するが、これも間違っている。

中国経済の30%を不動産業が占めているが、その中国の一連の不動産市場の変調を踏まえ、バブル崩壊以降の日本経済の病理(=「日本病」)と重ね合わせる「中国経済の日本病化」との主張も出ている。しかしこれも間違いだ。日本と中国はそもそも所有制が違うし、税制も違う。

また中国には、アメリカの企業が7万社以上、日本の企業が2万5000社進出している。いわば中国経済は場所貸し経済であり、これが米中の経済摩擦による、半導体封鎖もあって、日本やアメリカ企業がコロナ禍に、部品供給ができなくなったこともあり、中国リスクを自覚して工場の移転を始めたことを理由に挙げる人もいる。

そのほか中国経済の不況を、人口減少や海外からの直接投資の鈍化などを挙げる主張も多いが、どれもが現象の一側面を取り上げているに過ぎない。しかもこれらの間違った論は中国が旧社会主義の国であり、全人民所有制であることを忘れている。

中国の市場経済化は、深圳を中心とした外国企業の生産拠点化として始まり、その後習近平の内陸部の市場経済化の政策が始まった。中国の内陸部、すなわち農村地帯は、社会主義的自給自足経済であるので、習近平の「双循環政策」(=外需も内需も発展させる)はそもそも無理があった。

地方政府が借金で公共事業を行って、新産業都市を建設しても、中国経済には資本形成ができていない、土地は国有なので、土地を売却して資本を作ることもできない。そうすると建設された新産業都市は「新鬼城」と呼ばれる廃墟となり、地方政府には多額の借入金が残ることになる。つまり中国では日本のような公共事業で産業基盤を作っても、市場経済化は難しいのである。

つまり鄧小平以後の走資派指導部の市場経済化は、所有制と市場経済が矛盾して資本主義の法則である価値法則は貫徹せず、したがって、中国経済は深圳の場所貸し経済と、国営企業(主に重化学工業)が中心となる。後は国営の土地の所有権を払い下げられた不動産産業が一時的に発展するぐらいであり、現在その不動産業が大不況に陥っている。

旧ソ連が冷戦の中で、国営企業が武器生産に頼り、やがてアフガン侵略を経て崩壊したように、習近平ファシスト政権も、この経済危機を現状の政策では克服することはできず、やがて軍事的暴走で崩壊を迎えることは必然である。

いわば習近平政権は、文革の中で毛沢東が進めた全人民所有制の改革の壁にぶつかっているのである。習近平政権が本当に農村を市場経済にするためには、戦後の日本がおこなった高米価政策で、農村を市場にするほかなかったのであるが、しかし深圳を中心にした外国企業は安上がりの労働力が目的であるので、賃上げを伴う高米価政策は、中国政府はとれなかったのである。

つまり、中国政府は、深圳以外は計画経済を地道に行うほうが経済建設はうまくいったというほかない。資本主義の市場経済は自由と民主主義がなければ発展しないのであり、旧社会主義国が官僚独裁の国家資本主義となり、現在の中国はさらに個人独裁のファシスト政権となっているので、なおさら資本主義市場経済はうまくいくはずがない。しかもゼロコロナ政策や、塾経営の禁止など、習近平の誤った政策が、失業を増やし、中国人民の個人消費を縮小させたので、経済上の困難はさらに増している。

習近平政権が、アメリカに対抗する世界覇権を目指し、強国路線を進め、大軍事力増強を行っているので、経済政策の破たんを機に、外敵を求め、外への軍事的暴走が始まるであろう。習近平政権はライバル派閥を「反腐敗」で叩き潰してきたので、国内に反対派が多い。ゆえに経済危機は外に敵を求めるほかに習近平の逃げ場はない。現在の中国政府の福島原発の処理水放出を口実とした反日世論工作は、内的矛盾の外的矛盾への転化の政策的表れと見るべきである。
#中国経済
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コメント

中国はこれからが大変!

 安定期が終わり、経済危機をどのように切り抜けるかが習近平の課題のように思います。
 やはり戦争に行くのでしょうか?困りますね。

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