台湾と経済摩擦で緊迫する米中関係
アメリカのバイデン大統領は10日、中国について経済が失速しているとして「時限爆弾だ」などとしたうえで「悪い人間が問題を抱えていると悪いことをする」と述べ中国の国内問題が対外的な行動に影響を及ぼすことに懸念を示しました。
バイデン大統領のこの認識は、我々がこの間分析してきた認識と一致している。中国経済の景気後退は、コロナ禍もあるが基本的に社会主義的所有制と、市場経済が矛盾して、価値法則が貫徹しない構造的な不況であり、習近平政権が国内経済を好転させる手段を見出していないこと、したがって内的矛盾を外的矛盾に転化する可能性が高いことを示している。経済の延長が政治であり、政治の形を変えた延長が戦争なのである。
中国の王毅外相は11日、訪問先のシンガポールでリー・シェンロン首相と会談し「アメリカが世界最大の不安定要因だ」と述べ、中国包囲網ともいえる動きを進めるアメリカをけん制した。米中がともに相手が国際紛争の要因であると批判しているのである。
WTO=世界貿易機関は16日、中国が、アメリカのトランプ前政権による鉄鋼製品などへの関税に対抗して豚肉などアメリカからの輸入品に幅広く課税したのはWTO協定に違反するという判断を示しました。
中国は、アメリカのトランプ前政権が2018年、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を課す輸入制限措置を発動したのに対抗して、アメリカから輸入される豚肉や果物、それにスクラップなど幅広い品目に高い関税をかける報復措置を発動しました。
WTOは、去年12月、中国が反発したアメリカ側の輸入制限措置についてもWTO協定に違反するという判断を示していますが、バイデン政権はこの措置を維持している。つまり米中がともにWTO協定に違反する制裁合戦を続けているのである。
中国商務省はコメントを出し、WTOの判断に対し「原因はアメリカの一国主義、保護主義的な行動にあり、中国の対抗措置は正当だ」と述べ、アメリカ側にトランプ前政権から続く関税措置を直ちにとりやめるよう求めている。
また台湾の頼清徳副総統が南米訪問の経由地のアメリカを訪問したことに、中国は反発しており「アメリカと台湾の公的な往来に断固反対する」と、対抗措置をとることを示唆している。
台湾の頼清徳副総統は、自身が南米を訪問するためアメリカを経由したことを口実に中国が脅しをかけるなら、軍事的な威嚇によって台湾の選挙への介入を企てていることの裏付けになると指摘して、中国をけん制しました。台湾では、中国が近く台湾周辺で大規模な軍事演習を行うという見方が出ている。
アメリカは中国が世界の不安定要因だと批判し、中国はアメリカの一国覇権主義が不安定要因となっていると互いに批判している。これは米中の矛盾が、世界覇権をめぐる対立であることを物語るものであり、ウクライナ戦争が拡大の兆候を示している中で、アジアで軍事的緊張が高まっていることは危険極まりない兆候といえる。
報道によると、中国政府が、東シナ海などで独自に設けている禁漁の期間が16日終わり、南部・福建省の港では、漁船が一斉に出港した。漁を解禁したとする海域には、沖縄県の尖閣諸島や台湾周辺も含まれていて、今後、中国当局が中国漁船をどのように管理するのか、軍事的挑発を行うのか?注目すべき点である。中国が外務大臣を更迭した意味が分かるかもしれない。
このように米中は台湾をめぐり一触触発の危機にあるといえる。ヨーロッパで戦争が起きている中でのアジアにおける米中の対立激化は、第2次世界大戦とよく似た図式が展開していることに警戒しなければならない。こうした戦争の危機が迫る中では国際間の協定などは「絵に描いた餅」であり、モノが言うのは自国の軍事力だけだと、政権を担当する政治家は心得なければならない。
#緊迫する米中関係
バイデン大統領のこの認識は、我々がこの間分析してきた認識と一致している。中国経済の景気後退は、コロナ禍もあるが基本的に社会主義的所有制と、市場経済が矛盾して、価値法則が貫徹しない構造的な不況であり、習近平政権が国内経済を好転させる手段を見出していないこと、したがって内的矛盾を外的矛盾に転化する可能性が高いことを示している。経済の延長が政治であり、政治の形を変えた延長が戦争なのである。
中国の王毅外相は11日、訪問先のシンガポールでリー・シェンロン首相と会談し「アメリカが世界最大の不安定要因だ」と述べ、中国包囲網ともいえる動きを進めるアメリカをけん制した。米中がともに相手が国際紛争の要因であると批判しているのである。
WTO=世界貿易機関は16日、中国が、アメリカのトランプ前政権による鉄鋼製品などへの関税に対抗して豚肉などアメリカからの輸入品に幅広く課税したのはWTO協定に違反するという判断を示しました。
中国は、アメリカのトランプ前政権が2018年、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を課す輸入制限措置を発動したのに対抗して、アメリカから輸入される豚肉や果物、それにスクラップなど幅広い品目に高い関税をかける報復措置を発動しました。
WTOは、去年12月、中国が反発したアメリカ側の輸入制限措置についてもWTO協定に違反するという判断を示していますが、バイデン政権はこの措置を維持している。つまり米中がともにWTO協定に違反する制裁合戦を続けているのである。
中国商務省はコメントを出し、WTOの判断に対し「原因はアメリカの一国主義、保護主義的な行動にあり、中国の対抗措置は正当だ」と述べ、アメリカ側にトランプ前政権から続く関税措置を直ちにとりやめるよう求めている。
また台湾の頼清徳副総統が南米訪問の経由地のアメリカを訪問したことに、中国は反発しており「アメリカと台湾の公的な往来に断固反対する」と、対抗措置をとることを示唆している。
台湾の頼清徳副総統は、自身が南米を訪問するためアメリカを経由したことを口実に中国が脅しをかけるなら、軍事的な威嚇によって台湾の選挙への介入を企てていることの裏付けになると指摘して、中国をけん制しました。台湾では、中国が近く台湾周辺で大規模な軍事演習を行うという見方が出ている。
アメリカは中国が世界の不安定要因だと批判し、中国はアメリカの一国覇権主義が不安定要因となっていると互いに批判している。これは米中の矛盾が、世界覇権をめぐる対立であることを物語るものであり、ウクライナ戦争が拡大の兆候を示している中で、アジアで軍事的緊張が高まっていることは危険極まりない兆候といえる。
報道によると、中国政府が、東シナ海などで独自に設けている禁漁の期間が16日終わり、南部・福建省の港では、漁船が一斉に出港した。漁を解禁したとする海域には、沖縄県の尖閣諸島や台湾周辺も含まれていて、今後、中国当局が中国漁船をどのように管理するのか、軍事的挑発を行うのか?注目すべき点である。中国が外務大臣を更迭した意味が分かるかもしれない。
このように米中は台湾をめぐり一触触発の危機にあるといえる。ヨーロッパで戦争が起きている中でのアジアにおける米中の対立激化は、第2次世界大戦とよく似た図式が展開していることに警戒しなければならない。こうした戦争の危機が迫る中では国際間の協定などは「絵に描いた餅」であり、モノが言うのは自国の軍事力だけだと、政権を担当する政治家は心得なければならない。
#緊迫する米中関係
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コメント
協定や条約に覇頼れない
戦争中の日本とソ連の不可侵条約がいい例ですね。日本は防衛力を強化し、自立した外交が必要です。
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