ウクライナ戦争でアメリカがはまり込んだ矛盾!
ウクライナ戦争は、NATOとロシア・中国の両陣営の代理戦争であり、このような地域戦争が長期の消耗戦になり、勝利できないことは明らかだ。ナポレオンもヒトラーもモスクワ攻防戦で疲弊し、最後は冬将軍に敗れた。ロシア軍は攻防戦の経験が世界一豊富な国であることは広く知られている。
報道によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は、イギリスの公共放送BBCが21日放送したインタビューで反転攻勢について「すべてが容易というわけではない。われわれはもっと大きく前進しようとしているが、現状では、望んでいるより小さい前進にとどまっている」と述べ、作戦が難航しているという認識を示しました。
ゼレンスキー大統領はその理由のひとつとして、ロシア軍が広い範囲に仕掛けた大量の地雷を挙げた。そして「結果を急ぐ人、結果に期待しすぎる人がいる。あるいはハリウッド映画のような結果を求める人もいるが、ものごとは必ずしも映画のようにはならない」と述べた。
ウクライナ戦争を仕掛けた国、すなわち最初に挑発したのはウクライナである。アメリカは親ロシア派政権を極右クーデターで覆し、ウクライナ国内のロシア人を迫害し、さらにウクライナのNATO加盟で挑発した。以前からロシアの「柔らかい下腹」に当たるウクライナが西側陣営に加わるとき、ロシアが軍事介入することは公然の秘密といわれていた。
アメリカの代理戦争の狙いは、ロシアを経済制裁で疲弊させ、プーチンを失脚させることだった。またEUとロシアの経済関係を遮断するという狙いもあった。ユーロ経済圏の拡大はアメリカにとりドル支配への挑戦であったからだ。ところが、ロシア・中国陣営に中東産油国が加わることは、アメリカの想定外の事であった。中東産国は両陣営を手玉に取り「漁夫の利」を狙っている。
この結果、当初侵攻を待ち伏せたことで、首都であるキーウは防衛できたが、ロシアがロシア人居住区を占領する戦術に変えたことで、戦場となったウクライナ東南部が戦場となった。ロシアは占領地域を独立させた後併合した。それゆえロシア軍は得意の防衛ラインをすでに構築している。塹壕や地雷原や地下陣地を構築した防衛ラインを突破するのは、ナチスヒトラーの軍でも不可能であった。なぜならこの地域は冬将軍がロシア軍に味方するからである。反転攻勢の期間は短いのである。
今回NATOは大量の最新戦車・装甲歩兵戦闘車を援助し、ウクライナ軍の反転攻勢の成功をもくろんだが、その反転攻勢では大量の最新兵器が破壊され、アメリカは追加の装甲歩兵戦闘車を送る羽目になった。ロシア側の報道ではドイツ製のレオパルト戦車も鹵獲されたそうだ。ロシア軍は最新の軍事技術を手に入れることになった。
朝鮮戦争もベトナム戦争も、長期化し泥沼になった。ウクライナ戦争の長期化は避けられない。戦争では敵の防衛ラインを突破しようとする側が、守ろうとする側よりも大量の犠牲を出すことになる。ロシア側は旧ソ連領の領土をNATOが手に入れてロシア攻撃の基地を作ろうとしていると認識しており、したがって防衛戦争を闘うプーチンの支持率は80%を超えている。
ウクライナ戦争を続ければ、経済的に疲弊するのはアメリカであり、欧州になる。この戦争は先に挑発したのがウクライナの極右政権なので、発展途上国の多くがロシア・中国側に立っている。しかも資源産出国がロシア・中国陣営に立っているので、ウクライナは勝てる戦争ではないし、戦えば闘うほど国土は荒廃していく。
欧米は物価上昇で、金利を上げざるを得ず、金融危機目前になっている。ロシアは負けそうになれば戦術核兵器を使うであろう。ロシアにすれば、ウクライナにNATOの基地さえ作らせなければ、すなわち勝利であるので、ウクライナを荒廃させることに躊躇しないであろう。
日本は、ウクライナへの軍事支援は猶予されているが、ゼロ金利を続けることでアメリカの高金利政策によるドル高誘導に協力させられている。日本は円安で資源輸入価格が高騰し、またウクライナの復興に多額の援助が求められるであろう。すなわちアメリカの従属国である日本も、アメリカの起こした代理戦争に安くない「協力」をさせられているのである。
いずれ双方が、この戦争の無価値を悟り、停戦を余儀なくされることは明らかだ。しかしバイデンは再選を目指しているので今は、戦争を続けるほかない。この戦争を続ければ続けるほど、多極化・ブロック化が進み、アメリカの覇権は崩壊していくのである。アメリカのはまり込んだ矛盾(コントラディクション)は大きい。
#ウクライナ戦争の戦略的意義
報道によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は、イギリスの公共放送BBCが21日放送したインタビューで反転攻勢について「すべてが容易というわけではない。われわれはもっと大きく前進しようとしているが、現状では、望んでいるより小さい前進にとどまっている」と述べ、作戦が難航しているという認識を示しました。
ゼレンスキー大統領はその理由のひとつとして、ロシア軍が広い範囲に仕掛けた大量の地雷を挙げた。そして「結果を急ぐ人、結果に期待しすぎる人がいる。あるいはハリウッド映画のような結果を求める人もいるが、ものごとは必ずしも映画のようにはならない」と述べた。
ウクライナ戦争を仕掛けた国、すなわち最初に挑発したのはウクライナである。アメリカは親ロシア派政権を極右クーデターで覆し、ウクライナ国内のロシア人を迫害し、さらにウクライナのNATO加盟で挑発した。以前からロシアの「柔らかい下腹」に当たるウクライナが西側陣営に加わるとき、ロシアが軍事介入することは公然の秘密といわれていた。
アメリカの代理戦争の狙いは、ロシアを経済制裁で疲弊させ、プーチンを失脚させることだった。またEUとロシアの経済関係を遮断するという狙いもあった。ユーロ経済圏の拡大はアメリカにとりドル支配への挑戦であったからだ。ところが、ロシア・中国陣営に中東産油国が加わることは、アメリカの想定外の事であった。中東産国は両陣営を手玉に取り「漁夫の利」を狙っている。
この結果、当初侵攻を待ち伏せたことで、首都であるキーウは防衛できたが、ロシアがロシア人居住区を占領する戦術に変えたことで、戦場となったウクライナ東南部が戦場となった。ロシアは占領地域を独立させた後併合した。それゆえロシア軍は得意の防衛ラインをすでに構築している。塹壕や地雷原や地下陣地を構築した防衛ラインを突破するのは、ナチスヒトラーの軍でも不可能であった。なぜならこの地域は冬将軍がロシア軍に味方するからである。反転攻勢の期間は短いのである。
今回NATOは大量の最新戦車・装甲歩兵戦闘車を援助し、ウクライナ軍の反転攻勢の成功をもくろんだが、その反転攻勢では大量の最新兵器が破壊され、アメリカは追加の装甲歩兵戦闘車を送る羽目になった。ロシア側の報道ではドイツ製のレオパルト戦車も鹵獲されたそうだ。ロシア軍は最新の軍事技術を手に入れることになった。
朝鮮戦争もベトナム戦争も、長期化し泥沼になった。ウクライナ戦争の長期化は避けられない。戦争では敵の防衛ラインを突破しようとする側が、守ろうとする側よりも大量の犠牲を出すことになる。ロシア側は旧ソ連領の領土をNATOが手に入れてロシア攻撃の基地を作ろうとしていると認識しており、したがって防衛戦争を闘うプーチンの支持率は80%を超えている。
ウクライナ戦争を続ければ、経済的に疲弊するのはアメリカであり、欧州になる。この戦争は先に挑発したのがウクライナの極右政権なので、発展途上国の多くがロシア・中国側に立っている。しかも資源産出国がロシア・中国陣営に立っているので、ウクライナは勝てる戦争ではないし、戦えば闘うほど国土は荒廃していく。
欧米は物価上昇で、金利を上げざるを得ず、金融危機目前になっている。ロシアは負けそうになれば戦術核兵器を使うであろう。ロシアにすれば、ウクライナにNATOの基地さえ作らせなければ、すなわち勝利であるので、ウクライナを荒廃させることに躊躇しないであろう。
日本は、ウクライナへの軍事支援は猶予されているが、ゼロ金利を続けることでアメリカの高金利政策によるドル高誘導に協力させられている。日本は円安で資源輸入価格が高騰し、またウクライナの復興に多額の援助が求められるであろう。すなわちアメリカの従属国である日本も、アメリカの起こした代理戦争に安くない「協力」をさせられているのである。
いずれ双方が、この戦争の無価値を悟り、停戦を余儀なくされることは明らかだ。しかしバイデンは再選を目指しているので今は、戦争を続けるほかない。この戦争を続ければ続けるほど、多極化・ブロック化が進み、アメリカの覇権は崩壊していくのである。アメリカのはまり込んだ矛盾(コントラディクション)は大きい。
#ウクライナ戦争の戦略的意義
スポンサーサイト

<<日本の政策決定はアメリカが決めている | ホーム | 大規模金融緩和の維持を決めた日銀の愚劣!>>
コメント
No title
No title
アメリカは大統領選があるので長期化はまずいのでは?
挑発させておいて見捨てるわけにもいかない。
金融危機もあるし、多極化が進むし、ピンチですね。
反転攻勢がうまくいくのを待つしかない。
挑発させておいて見捨てるわけにもいかない。
金融危機もあるし、多極化が進むし、ピンチですね。
反転攻勢がうまくいくのを待つしかない。
コメントの投稿
トラックバック
| ホーム |
戦争の報道は嘘ばかりで信用できませんね。
戦略的に不利だから、武器援助を増やしたが、思い通りにはいかない。
アフガニスタン戦争は挑発したほうが多極化を招いた。
それで覇権を失いつつあるというのは、なるほどと思います。