内外政策の失敗を招いた習近平の「戦狼外交」
先ごろ、ロシア軍と中国軍の爆撃機の編隊と艦船多数が、日本周辺で恫喝するかの編隊飛行や艦隊訓練を行った。また台湾国防部(国防省)は12日、中国の軍用機延べ24機と艦船延べ5隻が同日午前6時(日本時間同7時)までの24時間に台湾海峡周辺で活動したと発表した。このうち戦闘機の「殲16」や「スホイ30」など10機が台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」である中間線を越えた。中国の巡視船による尖閣諸島海域での領海侵犯も続いている。習近平政権は、まるで清朝時代のように、砲艦外交で恫喝を行えば、日本と台湾が屈服するとでも思っているかのようである。
3年前、コロナ禍が武漢から世界に拡散したとき、親中だったオーストラリアのモリソン首相(当時)が「ウイルスの発生源に対する国際調査が必要だ」と発言したことに対し、中国政府が激怒し、豪州産ワイン、大麦、牛肉などに一方的に高関税をかけ、禁輸に近い措置をとって屈服させようとした。この後オーストラリアは米英と軍事協定「AUKUS」で合意し、同時に自衛隊とオーストラリア軍の関係も準同盟の関係となった。習近平は自分から敵を増やしている。
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は12日、2023年1月時点の中国が保有する核弾頭数が昨年同月から60発増え、推計410発になったと発表した。「中国が既に核戦力を著しく拡大し始めている」と指摘、今後も増加が見込まれ「国の安全維持に必要な最小限の核戦力」とする中国の説明との整合性が取りにくくなっているとした。
このように習近平の強軍思想、大軍拡で超大国の地位を獲得することを目指す覇権主義は、「戦狼外交」という言葉で表現されるように、その威嚇的で、傲慢な外交で、中国は世界で孤立しつつある。ウクライナ戦争でロシアを支援していることもあり、欧州諸国も中国への警戒感を強めている。
主要7カ国(G7)と中国との分断が深まっている。中国はG7の制裁を受けるロシアを経済面で支え、中央アジアなどと米欧に依存しない経済圏づくりを目指している。すなわち中国は「脱G7経済圏」=ロシア・中央アジアとの関係強化に傾斜しつつある。これでは中国に進出している欧米企業や日本企業は、部品供給網への危機感を強めざるを得ない。
中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は5月24日、北京を訪れたロシアのミシュスチン首相に「良好な中ロ関係の発展は時代の流れだ」と発言した。こうした世界の分割の傾向は、習近平政権が目指していたグローバル経済の維持の路線を変更せざるを得なくなったことを示している。そのように追い込んだのは、実に習近平ファシスト政権の「戦狼外交」なのである。
問題は、中国は安い労働力を武器に世界の工場を目指してきたが、コロナ対策で独裁的な都市封鎖を多用した結果、中国からの部品が届かなくなり、多くの外国企業がサプライチェーンへの寸断を怖れ、生産拠点をインドや、ベトナムなどに移転し始めた。このため中国における失業者は20%を超えているが、この数字には農民工は含まれていないので、実際の失業率は30%を超えるのである。これも習近平独裁政権の強権思想が招いた失敗である。
経団連は、現在日本企業の中国駐在社員の半減化を進めている。2014年から現在までに中国法人の日本人社員が17人スパイ罪で逮捕され、今も5人が投獄されているからである。中国では反スパイ法が7月から施行される。今以上に日本人が逮捕される危険がある。今後中国から撤退する企業が増えるのは不可避となっている
中国側は、中国には14億人の人口があること、この巨大な市場があるので外国企業は撤退することはない、と安心しているのだが、これが甘い。中国の内陸部は5億人が社会主義的自給自足経済であり、市場とはなりえない、しかも旧社会主義国なので所有制と市場経済化が矛盾して、内陸部の資本主義化は限界がある。人口ほどに中国市場は大きくはないのである。むしろ個人独裁のファシスト政権の経済的無知と、政権の脆さがあり、いずれ動乱は避けられない。
習近平外交の拙劣さは、台湾への統一政策にも表れている。台湾の野党国民党に中国政府は金をばらまき次期総統選候補への支援を始めている。この対台湾工作は、①中国本土に働きに来ている台湾人への工作②華僑団体を通じた国民党への資金援助③台湾のメディアやインターネットを通じた工作、で国民党政権を打ち立てて、「国共合作」に持ち込む戦略を展開している。だが香港人民への民主のはく奪、「一国二制度」のウソがばれているので、台湾の人民が息も詰まる独裁政権を選ぶわけがない。習近平が、台湾の平和的統一の鄧小平路線を放棄した付けは大きいのである。
習近平の失敗はまだある。所有制と市場経済の矛盾で「双循環政策」がうまくいかず、国内への投資市場が小さいので、習近平は「一帯一路」でアフリカなどの発展途上国に投資した。しかしそのずさんな投資で、資金回収ができず、金融危機が迫っている。中国政府のすべての政策的失敗が、習近平自身に起因している。習近平の突然の失脚がありうるかもしれない。もし中国内が騒乱になれば中国に進出している外国企業は破たんに直面するであろう。
#習近平ファシスト政権
3年前、コロナ禍が武漢から世界に拡散したとき、親中だったオーストラリアのモリソン首相(当時)が「ウイルスの発生源に対する国際調査が必要だ」と発言したことに対し、中国政府が激怒し、豪州産ワイン、大麦、牛肉などに一方的に高関税をかけ、禁輸に近い措置をとって屈服させようとした。この後オーストラリアは米英と軍事協定「AUKUS」で合意し、同時に自衛隊とオーストラリア軍の関係も準同盟の関係となった。習近平は自分から敵を増やしている。
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は12日、2023年1月時点の中国が保有する核弾頭数が昨年同月から60発増え、推計410発になったと発表した。「中国が既に核戦力を著しく拡大し始めている」と指摘、今後も増加が見込まれ「国の安全維持に必要な最小限の核戦力」とする中国の説明との整合性が取りにくくなっているとした。
このように習近平の強軍思想、大軍拡で超大国の地位を獲得することを目指す覇権主義は、「戦狼外交」という言葉で表現されるように、その威嚇的で、傲慢な外交で、中国は世界で孤立しつつある。ウクライナ戦争でロシアを支援していることもあり、欧州諸国も中国への警戒感を強めている。
主要7カ国(G7)と中国との分断が深まっている。中国はG7の制裁を受けるロシアを経済面で支え、中央アジアなどと米欧に依存しない経済圏づくりを目指している。すなわち中国は「脱G7経済圏」=ロシア・中央アジアとの関係強化に傾斜しつつある。これでは中国に進出している欧米企業や日本企業は、部品供給網への危機感を強めざるを得ない。
中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は5月24日、北京を訪れたロシアのミシュスチン首相に「良好な中ロ関係の発展は時代の流れだ」と発言した。こうした世界の分割の傾向は、習近平政権が目指していたグローバル経済の維持の路線を変更せざるを得なくなったことを示している。そのように追い込んだのは、実に習近平ファシスト政権の「戦狼外交」なのである。
問題は、中国は安い労働力を武器に世界の工場を目指してきたが、コロナ対策で独裁的な都市封鎖を多用した結果、中国からの部品が届かなくなり、多くの外国企業がサプライチェーンへの寸断を怖れ、生産拠点をインドや、ベトナムなどに移転し始めた。このため中国における失業者は20%を超えているが、この数字には農民工は含まれていないので、実際の失業率は30%を超えるのである。これも習近平独裁政権の強権思想が招いた失敗である。
経団連は、現在日本企業の中国駐在社員の半減化を進めている。2014年から現在までに中国法人の日本人社員が17人スパイ罪で逮捕され、今も5人が投獄されているからである。中国では反スパイ法が7月から施行される。今以上に日本人が逮捕される危険がある。今後中国から撤退する企業が増えるのは不可避となっている
中国側は、中国には14億人の人口があること、この巨大な市場があるので外国企業は撤退することはない、と安心しているのだが、これが甘い。中国の内陸部は5億人が社会主義的自給自足経済であり、市場とはなりえない、しかも旧社会主義国なので所有制と市場経済化が矛盾して、内陸部の資本主義化は限界がある。人口ほどに中国市場は大きくはないのである。むしろ個人独裁のファシスト政権の経済的無知と、政権の脆さがあり、いずれ動乱は避けられない。
習近平外交の拙劣さは、台湾への統一政策にも表れている。台湾の野党国民党に中国政府は金をばらまき次期総統選候補への支援を始めている。この対台湾工作は、①中国本土に働きに来ている台湾人への工作②華僑団体を通じた国民党への資金援助③台湾のメディアやインターネットを通じた工作、で国民党政権を打ち立てて、「国共合作」に持ち込む戦略を展開している。だが香港人民への民主のはく奪、「一国二制度」のウソがばれているので、台湾の人民が息も詰まる独裁政権を選ぶわけがない。習近平が、台湾の平和的統一の鄧小平路線を放棄した付けは大きいのである。
習近平の失敗はまだある。所有制と市場経済の矛盾で「双循環政策」がうまくいかず、国内への投資市場が小さいので、習近平は「一帯一路」でアフリカなどの発展途上国に投資した。しかしそのずさんな投資で、資金回収ができず、金融危機が迫っている。中国政府のすべての政策的失敗が、習近平自身に起因している。習近平の突然の失脚がありうるかもしれない。もし中国内が騒乱になれば中国に進出している外国企業は破たんに直面するであろう。
#習近平ファシスト政権
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コメント
習近平は強硬すぎる
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中国は自由と民主のない監視社会です。
習近平は強硬すぎて、孤立しているように見えますね。
台湾の人たちは自由のない中国との統一は望まないでしょう。
習近平政権は強そうに見えるが、意外と脆いので、倒されるのではと思う。