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アメリカのサウジとの関係改善は困難だ!

アメリカのブリンケン国務長官が6~8日、サウジアラビアを訪問した。サウジの国政を実質的に取り仕切るムハンマド皇太子と会談したほか、アラブ諸国の外相会合にも出席。アメリカは中東で主導権を握り始めた中国を警戒しており、この地域への継続した関与を印象づけ、近年対立することの多いサウジとの関係改善の糸口を探っているようだ。

ブリンケン国務長官は「アメリカはこの地域にとどまる。そして、可能な限り明るく強い中東の未来を築くため、みなさんとの連携に深い努力を続ける」サウジの首都リヤドで7日、ペルシャ湾岸6カ国でつくる湾岸協力会議(GCC)の外相会合に参加したブリンケン氏はこう強調した。会合では、安全保障や経済面での協力拡大が話し合われた。

イラン政府は6日、長年対立してきたサウジアラビアにある自国の大使館を7年ぶりに再開させた。イランの国営テレビなどが報じた。イランは、冷え込んだ状態が続いてきたエジプトとの関係改善も模索しており、中東各地で緊張緩和の動きが続いている。

 イランとサウジは3月、中国の仲介により外交関係を正常化し、双方の大使館を2カ月以内に再開させることで合意していた。報道によると、両国の間では現在、直行便の復活やビジネスの再開に向けた検討が続いている。サウジにはイスラム教の聖地メッカがあり、イラン側にとっては、外交正常化により、巡礼に必要なビザの取得が容易になるメリットがある。

サウジは、アメリカと対立する中国・ロシア・イランとの関係を改善することで、矛盾を外交的に利用しようとしている。それによりアメリカを譲歩させたり、要求を聞き入れさせたりしようとしているようだ。バイデン米政権はサウジの実力者で、アメリカの意に沿わない外交政策を取るムハンマド皇太子を何とかコントロールしようとしている。

しかし、世界が多極化している中では、アメリカとサウジの間が、以前の友好的関係に戻ることはない。アメリカが目指すのはサウジをアメリカと対立する中国・ロシア・イラン関係の中立に立たせることであろう。中東産油国プラス1(=ロシア)の関係は、原油の価格維持という経済的利益でつながっており、アメリカの関係改善はたやすくはない。

アメリカは大統領選の時期に入りつつあり、原油価格を上げるための産油国プラス1の原油の減産はアメリカ経済を悪化させる。バイデンにとり大統領選挙で不利となる事態を避けることも、関係改善の狙いであり、そのための経済面での協力なのである。
#米・サウジ関係
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コメント

No title

 サウジは外交で矛盾の利用をしているのですね。大国を向こうに回して大したものですね。さすがアラブ人ですね。

アメリカはピンチですね

 中東産油国がロシア・中国側についたのは、アメリカ外交の失敗だと思う。覇権争いで、ロシア・中国独裁連合の方が優位に立っていますね。
 サウジは昔から外交がうまいですね。
アメリカから譲歩をえるのですから大したものですね。

No title

 大統領選がバイデン政権の弱みですね。
  産油国が減産することをバイデン政権はおそれていいますね。
   物価の上昇は原職のバイデンには不利に働きますから。
    米は、今はサウジに膝を屈するしかないのでは?

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