なぜ世界経済の多極化が進むのか?!
旧ソ連が崩壊し、冷戦が終わりをつげグローバルな世界が誕生した。世界のグローバル化はアメリカのドル支配の拡大であり、アメリカの覇権は盤石に見えた。しかし現在では、世界はユーロ圏、ドル圏、中国・ロシア圏と多極化しつつある。これはなぜなのか。
原因は二つある。それは①資本主義の経済成長の不均等発展の法則から生ずる。中国のように人口の多い「社会主義国」でありながら、走資派指導部が市場経済化を進める国は、低賃金が武器となり、輸出基地として世界各国の企業の投資を呼び込める。中国は世界の工場として急速に発展した。資本主義経済は超過利潤を見込める好条件の国には、工場の場所貸し経済が急速に発展するのである。②もう一つは覇権国アメリカの経済制裁が、経済制裁される側をドル圏から離れさせるのである。
欧州のユーロ経済圏は、旧ソ連崩壊後の東ヨーロッパを統合することでユーロ経済圏を東に拡大した。統一通貨ユーロは、アメリカのドル支配からの抜け出すことであり、通貨発行益を自分たちのものにする経済戦略であった。
アメリカは、欧州経済がエネルギーをロシアに頼ることで、その代金を工業製品の市場とすることで、やがてロシア経済もユーロ圏に統合することを怖れた。そこでウクライナの極右を買収し、クーデターを画策し親米政権を打ち立て、ウクライナに住むロシア人を弾圧し、ウクライナ政府にNATO加盟を表明させロシアを挑発し、ウクライナ戦争に持ち込んだ。
こうしてアメリカは巨大化するユーロ経済圏を分断することに成功した。ロシアからドイツを結ぶ海底パイプラインを破壊したのはウクライナの極右政権であることをアメリカが認めていることでも、アメリカの狙いが欧州の分断にあったことが分かる。
ウクライナ戦争で、プーチン政権を倒したいアメリカはロシアへの経済制裁を行った。イランのイスラムシーアー派政権にもアメリカは経済制裁を行っている。中国には先端半導分野の隔離政策を行った。するとアメリカの経済制裁を怖れるロシアやイランや中国は、アメリカのドル圏から離脱するようになる。中国とサウジは石油取引の決済に米ドルを使わないことで合意した。
このことは現象的に見れば、アメリカに「多極主義者」がいるように見える。しかしそれは現象であり、本質は、アメリカがドル支配というグローバルな指導力を発揮すればするほど、経済制裁を怖れている国が、ドル経済圏から離脱しようとする動きを強めるのに過ぎない。中国政府は、事実アメリカ国債を売却し、金(ゴールド)を買い集めている。
つまり世界経済のグローバル化が、資本主義の不均等発展の法則で、アメリカの相対的経済力を弱めており、しかも、アメリカが覇権を維持しようとする経済制裁が、アメリカの経済力を削いでいくという皮肉な現象が生じているのである。ゆえに世界は多極化(=ブロック化)していく趨勢は強まりこそすれ弱まることはない。
多極化は当然にも資源と市場をめぐる経済圏の対立を激化させる。世界は世界大戦前の経済ブロック間の対立とよく似た情勢が生まれつつあるのである。とりわけ中ロの独裁連合と欧米ブロック間の政治対立は、戦争へと進む危険を内包している。経済的対立の延長が政治であり、政治対立の延長が戦争なのである。ゆえに「平和憲法」(=実は従属憲法)があろうがなかろうが戦争は起きるのである。
#世界の多極化
原因は二つある。それは①資本主義の経済成長の不均等発展の法則から生ずる。中国のように人口の多い「社会主義国」でありながら、走資派指導部が市場経済化を進める国は、低賃金が武器となり、輸出基地として世界各国の企業の投資を呼び込める。中国は世界の工場として急速に発展した。資本主義経済は超過利潤を見込める好条件の国には、工場の場所貸し経済が急速に発展するのである。②もう一つは覇権国アメリカの経済制裁が、経済制裁される側をドル圏から離れさせるのである。
欧州のユーロ経済圏は、旧ソ連崩壊後の東ヨーロッパを統合することでユーロ経済圏を東に拡大した。統一通貨ユーロは、アメリカのドル支配からの抜け出すことであり、通貨発行益を自分たちのものにする経済戦略であった。
アメリカは、欧州経済がエネルギーをロシアに頼ることで、その代金を工業製品の市場とすることで、やがてロシア経済もユーロ圏に統合することを怖れた。そこでウクライナの極右を買収し、クーデターを画策し親米政権を打ち立て、ウクライナに住むロシア人を弾圧し、ウクライナ政府にNATO加盟を表明させロシアを挑発し、ウクライナ戦争に持ち込んだ。
こうしてアメリカは巨大化するユーロ経済圏を分断することに成功した。ロシアからドイツを結ぶ海底パイプラインを破壊したのはウクライナの極右政権であることをアメリカが認めていることでも、アメリカの狙いが欧州の分断にあったことが分かる。
ウクライナ戦争で、プーチン政権を倒したいアメリカはロシアへの経済制裁を行った。イランのイスラムシーアー派政権にもアメリカは経済制裁を行っている。中国には先端半導分野の隔離政策を行った。するとアメリカの経済制裁を怖れるロシアやイランや中国は、アメリカのドル圏から離脱するようになる。中国とサウジは石油取引の決済に米ドルを使わないことで合意した。
このことは現象的に見れば、アメリカに「多極主義者」がいるように見える。しかしそれは現象であり、本質は、アメリカがドル支配というグローバルな指導力を発揮すればするほど、経済制裁を怖れている国が、ドル経済圏から離脱しようとする動きを強めるのに過ぎない。中国政府は、事実アメリカ国債を売却し、金(ゴールド)を買い集めている。
つまり世界経済のグローバル化が、資本主義の不均等発展の法則で、アメリカの相対的経済力を弱めており、しかも、アメリカが覇権を維持しようとする経済制裁が、アメリカの経済力を削いでいくという皮肉な現象が生じているのである。ゆえに世界は多極化(=ブロック化)していく趨勢は強まりこそすれ弱まることはない。
多極化は当然にも資源と市場をめぐる経済圏の対立を激化させる。世界は世界大戦前の経済ブロック間の対立とよく似た情勢が生まれつつあるのである。とりわけ中ロの独裁連合と欧米ブロック間の政治対立は、戦争へと進む危険を内包している。経済的対立の延長が政治であり、政治対立の延長が戦争なのである。ゆえに「平和憲法」(=実は従属憲法)があろうがなかろうが戦争は起きるのである。
#世界の多極化
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コメント
大戦前の状況
遅れて経済が成長した3国同盟と先に経済成長した連合国、これが今はロシア・中国・中東連合とNATOの対立ですが、今回は資源を独裁連合の方が握っています。これは独裁連合が優位な点ですね。希少金属も原油も天然ガスも独裁連合が握っていますが、これがどのように覇権に影響するかも書いてくれるとありがたいです。
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