広島サミトでのG7各国の狙いと矛盾!
新聞報道によると、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は17日、19日開幕の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)ではG7として「中国に対処する上での基本的な原則」を打ち出すことになるとの見通しを示した。
G7各国間では、フランスのマクロン大統領が「欧州は米中どちらにも追随すべきではない」と述べるなど、対中国で温度差がある。サリバン補佐官は、G7各国の対中関係はさまざまだとした上で、サミットでは中国への懸念を話し合い「共通の土台」を見いだすことがアメリカの狙いである。ウクライナ戦争に関しては、対露制裁の履行徹底と抜け穴をふさぐことが中心議題になると説明した。
欧州は、最大の貿易相手国である中国を重視しており、アメリカの先端技術での中国封じ込めに一線を画している。ただウクライナ戦争の関係で露骨にアメリカに反対はできない。欧州では東京にNATO事務所を開設する動きもあるように、対ロシアとの関係で日本を、対ロシア封じ込めに取り込みたいとの狙いがある。しかし日本は今もロシアから天然ガスを買い続けている。対ロシアとの敵対関係は日本の防衛で、3正面に敵を置くことになるので、うかつにNATO事務所を東京に開設することは許可しにくいのである。
岸田首相は、G7広島サミトでNATO側に核恫喝を行っているロシアへの対抗として、反核のスタンスを打ち出したいとの狙いがあるが、アメリカは乗り気ではない。広島に国際法違反の原爆を人類で初めて使ったアメリカは、サミットの議題では核の問題には関心がない。
アメリカのバイデン大統領にはもう一つ懸念がある。それはアメリカ政府の債務上限問題がこじれていることだ。アメリカは議会のねじれ、さらには来年の大統領選もあり、内政で与野党の分裂と対立が激化しており、簡単に妥協ができない事態となっている。
もしアメリカが債務不履行(デフォルト)になれば発展途上国がウクライナ戦争に中立の国が7割もある事態が、さらに悪化する。多くの国がアメリカがウクライナのクーデターを画策し、極右の親米政権を作り、NATO加盟の挑発でロシアを侵攻させたことを見ており、ロシアが悪いわけでないことが広く知られているので、世界全体では、フローバルサウスと呼ばれる、多くの国がウクライナ戦争を冷めた目で見ているのであり、アメリカの債務不履行問題が、これら発展途上国のアメリカへの不信を一層拡大する危険がある。
バイデンが広島サミット参加後、予定を変更し、アメリカにとんぼ返りしなければならないのは、債務上限問題が金融危機を拡大し、国際的な不信を招く恐れがあるからだ。このように広島サミトでのG7各国の狙いと矛盾は深まっており、とりわけ欧米側に金融危機の深まりが背景にあるので、アメリカの対中国戦略での合意は形だけで終わるのか、それとも戦略的合意がなるのかが最大の注目点なのである。
#G7広島サミット
G7各国間では、フランスのマクロン大統領が「欧州は米中どちらにも追随すべきではない」と述べるなど、対中国で温度差がある。サリバン補佐官は、G7各国の対中関係はさまざまだとした上で、サミットでは中国への懸念を話し合い「共通の土台」を見いだすことがアメリカの狙いである。ウクライナ戦争に関しては、対露制裁の履行徹底と抜け穴をふさぐことが中心議題になると説明した。
欧州は、最大の貿易相手国である中国を重視しており、アメリカの先端技術での中国封じ込めに一線を画している。ただウクライナ戦争の関係で露骨にアメリカに反対はできない。欧州では東京にNATO事務所を開設する動きもあるように、対ロシアとの関係で日本を、対ロシア封じ込めに取り込みたいとの狙いがある。しかし日本は今もロシアから天然ガスを買い続けている。対ロシアとの敵対関係は日本の防衛で、3正面に敵を置くことになるので、うかつにNATO事務所を東京に開設することは許可しにくいのである。
岸田首相は、G7広島サミトでNATO側に核恫喝を行っているロシアへの対抗として、反核のスタンスを打ち出したいとの狙いがあるが、アメリカは乗り気ではない。広島に国際法違反の原爆を人類で初めて使ったアメリカは、サミットの議題では核の問題には関心がない。
アメリカのバイデン大統領にはもう一つ懸念がある。それはアメリカ政府の債務上限問題がこじれていることだ。アメリカは議会のねじれ、さらには来年の大統領選もあり、内政で与野党の分裂と対立が激化しており、簡単に妥協ができない事態となっている。
もしアメリカが債務不履行(デフォルト)になれば発展途上国がウクライナ戦争に中立の国が7割もある事態が、さらに悪化する。多くの国がアメリカがウクライナのクーデターを画策し、極右の親米政権を作り、NATO加盟の挑発でロシアを侵攻させたことを見ており、ロシアが悪いわけでないことが広く知られているので、世界全体では、フローバルサウスと呼ばれる、多くの国がウクライナ戦争を冷めた目で見ているのであり、アメリカの債務不履行問題が、これら発展途上国のアメリカへの不信を一層拡大する危険がある。
バイデンが広島サミット参加後、予定を変更し、アメリカにとんぼ返りしなければならないのは、債務上限問題が金融危機を拡大し、国際的な不信を招く恐れがあるからだ。このように広島サミトでのG7各国の狙いと矛盾は深まっており、とりわけ欧米側に金融危機の深まりが背景にあるので、アメリカの対中国戦略での合意は形だけで終わるのか、それとも戦略的合意がなるのかが最大の注目点なのである。
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ウクライナ戦争があるので、形はアメリカに足並みをそろえるでしょう。
岸田首相は、3正面にして日本を守れるのでしょうか?
アメリカの言いなりでは日本の防衛が危ういと思います。