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世界貿易でドル支配からの脱却が進み始めた

アメリカがウクライナの極右にテコ入れしてクーデターを画策し、親ロシア派政権を打倒して、ウクライナに住むロシア人を迫害し、NATO加入を発表してロシアを挑発し、軍事侵攻させた狙いが、ユーロ経済圏の東への拡大を阻止する狙いがあったことが、欧州のフランスやドイツにもわかり始めたようだ。

フランスのマクロン大統領は訪中して、ロシアと戦略関係を強め対ロシア貿易を2倍にした中国を批判せず、逆に、中国と戦略パートナー関係を締結して協力し合う方向を打ち出した。 マクロンは「欧州を米中と並ぶ世界の極の一つにしたい。」「欧州はアメリカから自立せねばならない」とし、台湾問題は欧州が関与すべき問題でないと「第3極」に立つとし、「ドルへの依存を下げるべきだ」などの発言を行っている。 マクロンの訪中に合わせ、中国から初めて人民元建てで液化天然ガスを買ったりもしている。

中国は、中東からの原油購入を自国通貨元で行い始めている。ブラジルのルラ大統領が中国を訪問し、中国とブラジルの「全面的戦略パートナーシップ」の深化に関する共同声明を出した。ルラ大統領は中国企業にブラジルでの投資や事業の拡大を直接要請した。またウクライナ戦争に関し「アメリカが戦争をあおっている」と発言した。ウクライナ和平で中国と一致しだけでなく、「なぜドルを使わねばならないのか?」と発言し、新興国内部の貿易からドルを排除する提案をして、中国を喜ばせている。インドも中国に影響され、自国と中国やロシアとの貿易決済をドルでなくルピーでやる新戦略を打ち出している。

アジアのアセアン諸国は、「米中対立の影響を受けないようにする」との口実で、域内の貿易決済で、ドルや円やユーロを使うのをやめて代わりに加盟諸国の地元通貨を使うことに関する議論を開始した。これら一連の動きが示しているのは世界貿易の先行きは、ドル支配から多極通貨へと、通貨のブロック化が進む方向が明白になっている。

通貨のブロック化の動きが世界的に拍車をかけ始めたのは、アメリカ国内に対外干渉に反対する「アメリカ第一主義」(=トランプ派)が台頭し、アメリカ国内が覇権維持派(産軍共同体と金融資本)とアメリカ第一主義派の分裂と対立が深刻化していることの反映でもある。

中東産油国プラスが原油の減産を打ち出したことでもわかるように、中東は丸ごとロシア・中国ブロックに加担しはじめ、原油価格の高値維持により、欧米の高物価が続くことはアメリカの高金利が続き、金融危機が深刻化することでもある。アメリカのバイデン政権がウクライナへの武器支援を強化しているのは、こうした国際情勢におけるドル支配への逆風の強まりを、軍事的に阻止しようとするものである。

しかしそのことが戦争の泥沼化で、アメリカのドル支配をさらに弱めることに繋がりつつあることを指摘しなければならない。トランプの「アメリカを再び偉大にする」との発言が、アメリカ人民の支持を集める環境が出来つつあることに注目しなければならない。トランプの支持率が上がっているのは根拠があるのだ。
#世界貿易の多極化
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コメント

通貨の多極化ですね

 ブロック化が進むと、貿易の総量が減少して世界的不況になると聞いたことがあります。原油の減産が価格の高騰とあんり、金融危機を促すことを心配しています。

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