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米の戦争路線の欺瞞が分断と多極化を招いた

アメリカは産軍複合体の国である。主要な産業が兵器産業であるために、アメリカは定期的に大きな戦争を闘わねばならない。イラク戦争は、フセイン政権が大量破壊兵器を保持しているとの嘘の理由でイラクに侵攻した。このアメリカ国民をだました戦争の口実が、アメリカ社会に与えた衝撃は非常に大きい。

政府が国民をだまして他国を侵略したことが、アメリカ国民の合衆国政府への不信感を強め、国家が階級支配の道具であることをあからさまに国民に示した。現在のアメリカ社会における分断と対立を生み出したのはイラク戦争であった。覇権国のアメリカは、その覇権を維持するために幾多の侵略的戦争を行ってきた。

イラクとアフガンの戦争で、中東の人民200万人が死んだが、アメリカ兵も多くが身心を病むことになった。この傷病兵への補償の多さが、アメリカが戦争を闘えなくなっり、ウクライナに代理戦争を強いる理由である。欺瞞的な戦争のたびに、アメリカ国民の前に、軍産と金融資本の醜い癒着を露呈し、国内の分断を深めてきたのである。トランプの「アメリカ第一主義」とは、言い換えれば対外不干渉の事である。

今回のウクライナでの極右クーデターに始まる、ウクライナ政府のNATO加盟のロシアへの挑発が、ウクライナ戦争を引き起こした。アメリカの隠された狙いは、EUのユーロ経済圏の東への拡大を阻止することであった。ウクライナ戦争で、アメリカは原油価格と天然ガス、穀物などの価格の高騰、と兵器売却でぼろ儲けしたが、その反作用で中東産油国をはじめ、アフリカなどの発展途上国をロシア・中国連合の方に追いやることになった。

覇権を維持するための戦争画策が、アメリカの覇権を崩し、世界を2大陣営に分断しつつあるのは皮肉としか言いようがない。ウクライナ戦争でアメリカが失ったものは、一極覇権であり、中東など発展途上国であり、米ロ間の「新戦略兵器削減条約」(新START)であった。新STARTの終了で、米ロ間に唯一残る核軍縮条約を失ったのは、世界の2分化の象徴的出来事であり、再び核軍拡競争の時代を招くことになった。

世界が多極化の時代に移行しつつあるのは明らかであり、冷戦の崩壊後のグローバル化の安定した時代は終了した。つまりアメリカの一極支配の終わりの始まりといえる。それはウクライナ戦争とコロナ禍でのインフレ対策が、アメリカの金融危機を招いたことを見れば明らかである。アメリカのドル支配が終わりつつあることは明白である。多極化を導いたのは資本主義の不均等発展が大きな要因であり、それは中国の台頭と、アメリカの不朽性の結果であり、誰かが多極化を促しているのではない。

情勢は、再びトランプのアメリカ第一主義が支持を拡大する経済的な基礎が生まれた。バイデン政権は、トランプの立候補を阻止する陰謀へと突き進みつつある。反動的覇権国家の病める腐敗と分断と対立は、世界をまたも金融危機と軍事力による国境線の変更の時代へと導きつつある。
#多極化の時代
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コメント

アメリカの分裂は深刻ですね

 トランプが勝つ可能性があるので、立候補を阻止するしかない。
アメリカは民主主義に反することがやれますか?難しいですね。
 金融危機が回避できるかがカギですね。

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