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米軍の親イラン組織空爆の軍事的狙い!

アメリカ国防総省は23日、米軍がシリア東部で親イラン組織を空爆したと発表した。同日に過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討を目指す米軍など有志国連合の拠点が受けた無人機攻撃への対抗措置で、バイデン米大統領が指示した。アメリカは無人機攻撃を行った組織がイランの最高指導者ハメネイ師に直属するイラン革命防衛隊とつながりがあるとしている。

イランメディアは26日、シリアにあるイラン関連拠点への米軍の攻撃について、最高安全保障委員会の報道官が「イランは迅速に対応する」と語ったと報じた。23日に米軍がシリアの親イラン系組織への空爆を実施しており、対抗措置を警告してけん制する狙いとみられる。
イランのタスニム通信によると、報道官は「米政府は意図的に危機をつくり出し、うそをついている」と指摘した。イラン国営通信によるとイラン外務省報道官もアメリカによる攻撃を非難し「アメリカはシリアに違法に駐留している」などと主張した。

米軍は24日にシリア北東部の駐留拠点がロケット弾で攻撃を受けたと発表。米軍による23日の空爆への報復攻撃とみられている。バイデン米大統領は24日、カナダの首都オタワで開いた記者会見で「勘違いしないでほしい。アメリカはイランとの紛争を模索していない。しかし我々は人員を守るため強力な行動をする用意がある」と語った。新たな対抗措置を辞さない構えを示した。

先に中国の仲介でサウジとイランが外交関係を改善している。この関係改善でイスラエルの安全保障は危機に直面している。アラブ産油国を含むアラブ諸国は全体がいまやロシア・中国陣営に立っており、シリア東部に駐留する米軍が、イラン系の軍事組織への空爆に踏み切ったことは、明らかに外交的敗北への巻き返しの軍事的狙いがある、と見るべきであろう。

中東では米軍のイラク進攻がでっちあげの大量破壊兵器を口実に行われたこと、これと今回のウクライナ戦争を重ねて見ることで、世論が反米色を一段と強めている。当時のイラクがアメリカの挑発に乗り、クェートに侵攻したことと、ロシアがウクライナのNATO加入の挑発に乗り、ウクライナ侵攻に踏み切ったことが、双方ともアメリカの陰謀であったと見るのが中東の人々の戦争観なのである。また欧米の中東とウクライナ双方の戦争難民への扱いの格差が、中東の世論の反発を高め、反米色を促している。

アメリカがこうした中東の世論を覆すことは難しく、当面はシリア国内でのイラン系軍事組織への攻撃で、サウジとイランの関係改善で、動揺しているイスラエルの安全保障の意思を明確にすることが、今回のシリア国内のイラン系軍事組織への米軍の空爆の主要な狙いである。中国の仲介による、サウジとイランの関係改善は、アメリカの同盟国を危機に陥れるほどの外交的な敗北といえる。
#サウジとイランの関係改善
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コメント

No title

 イスラエルの動揺を抑えるためなのか。
 日本も3正面で安全保障が危機です。
 岸田首相はロシアを敵にしない方法を取るべきでした。
 日本の安全保障を揺るがしてよくウクライナに行けますね。
 確かに外交音痴だ。

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