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利上げを控えられないFRBの決断の背景

米銀の相次ぐ破綻や銀行の破綻の欧州への広がりの中で、FRBは利上げを控えると見られていたが、FRBは、21日から2日間、開いた会合でインフレ抑制を優先し0.25%の利上げを決めた。FRBは、利上げを控えられない事情があるということだ。

FRBは、金融不安がくすぶる中でも物価と労働市場に関する指標が予想以上に強かったことを理由にあげている。FRBのパウエル議長は記者会見で、「会合の参加者は、インフレ率が徐々に低下することを予測しているが、それでも年内の利下げは想定していない」と述べた。

FRBのパウエル議長は、相次ぎ利上げ政策で銀行破綻が相次いだことをふまえ、銀行への監督や規制を強化する必要があるという考えを強調した。0.25%の利上げを受けて、22日の米株市場は大幅反落した。ダウ工業株30種平均は前日比530ドル(1.6%)安の3万2030ドルで引けた。

今後の焦点は今回の利上げが住宅ローン貸し出しの大手が業績見通しが悪化しており、シャドーバンク(影の銀行)といわれる証券会社や保険会社、住宅ローンの貸し手の銀行が破たんに追い込まれるかどうかである。

影の銀行が作り上げた住宅ローン担保証券(МES)は世界中に売られており、日本の地方銀行も購入している。アメリカの雇用条件が悪化すると住宅ローン延滞率が上がることになる。実際にアメリカではインフレで住宅ローン延滞率が上がっている。FRBが銀行の相次ぐ破たんにもかかわらず利上げ政策を継続したのは、物価上昇を抑制しないと住宅ローン担保証券(МES)が暴落し、金融危機が世界的に深刻化するからなのである。

つまりアメリカは、相次ぐ利上げ政策で債券投資を行っているIT企業が地盤のシリコンバレー銀行(SVB)がつぶれたのに、それでも利上げを続けるのは、より大きな金融危機を回避するためなのである。住宅ローン担保証券(МES)が暴落すれば世界中に金融危機が拡大する恐れがある。つまり今回の金融危機は終わってはおらず、さらに拡大する恐れがあるということだ。

ウクライナ戦争を早く停戦しないと欧米のインフレが続く、インフレを抑えるための利上げが続けば、金融危機が深刻化する。それでも利上げしないと、もっと大きな金融危機が起きるのである。ウクライナ戦争の継続で、追い詰められているのはロシアではなく、欧米金融資本の方なのである。

日銀がゼロ金利をやめられなくなっているのは、アメリカの金融危機が深刻化しているので、日本の銀行救済と見た方がいい。日本のゼロ金利政策継続とは、国民の預貯金への利子支払い部分(年間数兆円)を銀行に免除することであるからだ。言い換えるとゼロ金利政策とは国民収奪の事である。
#米金融危機 #FRBの利上げ
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コメント

No title

 まだ金融危機が終わったわけではないのですね。
 これは深刻ですね。
 ゼロ金利は、国民の貯金の利子分を奪うこととは、確かにそのように言えます。
 銀行救済のためのセロ金利で、しかも国債を日銀が買いまくってインフレです。
 貯金は利子分だけでなくインフレ分が目減りしているわけですから、アベノミクスはやめるべきです。

No title

 金融危機はこれからのようですね。
  早く戦争をやめるべきです。
   このままでは恐慌になる可能性もあるのでは?

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