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中国の反米は政治危機回避の特効薬!

中国の1~2月の輸出額は前年同期比6・8%減の5063億ドル(約69兆円)だった。インフレに悩む欧米の景気減速が影響したとみられ、昨年10月以降、前年と比べて輸出の減少が続いている。ゼロコロナ政策で打撃を受けた経済の回復を急ぐ習近平指導部に、輸出減少の逆風が吹いている。しかも作物の輸入量は1億1687万トンで、国内流通量の21%にも急増した。中国政府が食糧安保に言及し始めたのは、食料の自給自足が崩れた危機感ゆえである。

中国税関総署が7日に発表した。国別の輸出額をみると、アメリカ向けが前年同期比で約22%減、欧州連合(EU)向けが同約12%減で突出している。これに対し日本向けは微減だった。品目別に見ると、家電や集積回路、紡績品、衣服や靴、おもちゃなど幅広い分野で輸出額はマイナスを記録した。これはエネルギーや原材料価格の高騰の反映なのであるが、世界の輸出基地の中国経済には深刻な打撃である。

外需が減少しているので全人代では、これまで規制していた建築バブル容認の方向を打ち出し、膨大な財政赤字を抱える地方政府に、公債発行で公共事業の拡大を促すという、内需拡大の方向であるが、国営企業の軍需生産をやめるわけにいかず、日本の来年度国防予算の4,5倍の、前年比7・2%増の1兆5537億元(約31兆円)の国防予算を計上した。それも一人当たりの国防費で見るなら、アメリカよりはるかに少ない、と強調しての増額だった。中国は経済危機を兵器生産に走ったナチス・ヒトラーの道を進んでいる。

中国の秦剛(しんごう)外相は、7日の記者会見で「アメリカがいう『(中国との)競争』とは中国を全面的に抑圧するもので、食うか食われるかのゼロサムゲームだ」と対抗姿勢を強めるアメリカの対中政策を「理性的で健全な軌道を完全に外れている」と非難し、ブレーキをかけなければ「衝突に陥るのは避けられない」と厳しく批判した。中国は、習近平国家主席が掲げる「強軍思想」を貫徹し、台湾侵攻のための「重大任務」の準備強化を進めながら、外相は記者会見で「中国は一貫して世界平和の建設者だ」と述べて、世界中をあきれさせた。

アメリカ国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は7日のオンライン記者会見で、中国の秦剛外相がアメリカの対中政策を批判したことについて「中国とは戦略的な競争をするが、競争の段階でとどめておきたい、衝突は望んでいない」と強調した。また台湾への支援を巡っても「アメリカは台湾の独立は支持しない」と重ねて表明した。

中国外相が、アメリカが「衝突は望んでいない」といっているのに、「衝突に陥るのは避けられない」と、厳しく批判するのは国内向けである。それは中国経済の直面する深刻さの表れであり、中国は経済危機が中国民衆の反習近平への退陣要求となることを恐れるあまり、反米を強硬に打ち出しているのである。中国社会においては、反米は国内政治危機回避の「政治的特効薬」なのである。

中国を、外国企業の輸出基地とする「改革開放」路線は、エネルギー価格の高騰の直撃を受ける。それに誤ったゼロコロナ政策で大きな経済打撃と重なり、さらには習近平の民間企業抑圧政策、不動産投機への反発規制が重なり、中国経済は実のところマイナス成長の深刻さなのである。

中国における統計は、各レベルの官僚が保身のために改ざんに改ざんを重ねており、中国官僚が「わが国には統計という最後の手段がある」と語るように、この国内経済の深刻さは隠蔽されている。この深刻さを図るバロメーターは、国内向けのアメリカ批判であり、反米の強さに表れるのである。

この現状の経済危機に、全人代で打ち出された不動産バブル奨励政策が重なれば、経済破綻は一層深刻となりかねない。中国のような独裁国家では、経済の延長が政治であり、政治の延長が戦争として特徴的に露呈する。我々が、中国の内的矛盾の激化が、外的矛盾への転嫁を促すこと(中国の軍事的暴走)を警戒する経済的根拠である。
#中国経済の危機
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コメント

No title

 中国は経済危機を招き寄せていますね。
  だから「反米」で政治危機を逃れようとしているわけですね。
   反米が政治危機を逃れる特効薬とは、あきれますね。

習近平はファシスト

 習近平思想は理解不能。本も書いていないのに思想があるのかと思う。
  ただライバルを蹴落とすのがうまいだけ。
 個人独裁で孤立した弱気な男のようだ。

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