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偵察気球は中国覇権主義の野心の表れ!

アメリカ国務省は3日、監視用とみられる中国の気球がアメリカ上空を飛行したことを受け、近く予定されていたブリンケン国務長官の訪中を延期すると発表した。アメリカは現在、海中に落下した気球の残骸の回収や、回収した残骸の解析作業を進めている。米軍は今月4日、米本土上空に飛来した中国の気球を米南東部サウスカロライナ州の沖合で撃墜した。これに対し、中国側は「強烈な不満と抗議」を示した。

中国外務省の謝鋒次官は5日、在中国アメリカ大使館に申し入れを行った。アメリカ側の側の対応は「過剰反応だ」と批判したうえで事態を注視するとし、対抗措置の可能性にも言及した。謝氏は「民間の気球が米国領空に迷い込んだのは不可抗力であり、偶発的な事件だったが、アメリカ側は離れていく気球に武力を用いた。明らかに過剰反応であり、国際法の精神や国際慣例に反している」と訴えた。

中国外交部も「しかるべき反応に踏み切る権利を留保する」と強硬な対応を示唆した。習近平政権は、国内的にゼロコロナ政策や、他派閥の勢力を「反腐敗」の名で弾圧・排除して、国内的に孤立を深めており、国内に反米を煽ることで求心力を回復しようとしているように見える。

中国が気象観測用と言うなら、あらかじめアメリカ政府に通報しておくべきであった。この気球が飛行した地点には、アメリカの大陸間弾道ミサイル基地があり、中国側が密かに軍事偵察していたことは主権侵害・国際法違反であることは明らだ。

アメリカ軍高官は6日、過去にアメリカ本土上空を飛行した中国の気球を米軍が探知できていなかったことを明らかにした。情報機関からの情報を得て、事後的に把握したという。アメリカ政府によると、今回撃墜した気球のほかに、これまでトランプ前政権下で3回、バイデン政権初期に1回、中国の偵察・監視用とみられる気球が米本土上空を飛行したという。アメリカ側も来年の大統領選に向けて、中国の覇権追及の野心に強硬方針を執る理由がある。

アメリカ国防総省によると、この気球は高さ約60メートルで、ジェット機に相当する大きさだったという。この同型の偵察気球が過去に日本の青森上空も飛行しており、このときは米軍三沢基地を偵察したと見られている。この気球は太陽光発電で移動でき、明らかに軍事偵察用とみられている。

偵察衛星の時代に風船での偵察はないだろう、との意見もあるが、今回の巨大な風船による偵察はコストが安く、しかもレーダーにも映らないので案外効果的だという。現在の中国は世界覇権を目指し、野心的な強国路線を進めており、覇権国アメリカの核ミサイル基地を偵察すること自体が、習近平ファシスト政権の軍事的野心の大きさを示している。

中国の気球を米軍機が撃墜したことに関し、浜田靖一防衛相は7日の閣議後の記者会見で、日本の領空に外国の気球が許可なく侵入した場合は「領空侵犯となる」と述べ、撃墜について「(国民の)生命と財産を守るために必要なことであれば実施する」として選択肢であるとの考えを示した。

ロシアのウクライナ侵攻を、中国政府がロシアを支援している関係もあり、アメリカと中国の国内的反発が背景にある以上、両国の対立関係は当分続くことは避けられない。
#中国軍事偵察気球
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コメント

米中対立の時代ですね

 バイデンは大統領選、習近平は孤立、双方とも対立していかないと政権が維持できません。
 今回の気球「観測気球」ではなく挑発が目的とみていいですね。
 米中は敵対的な方向で自国国民の支持を得ようとしています。
 これは危険な兆候です。

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