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ウクライナ戦争継続は米戦略の破たんを招く!

NATO諸国はウクライナに最新式戦車を支援することで、戦争を継続させ、ロシアを経済的に疲弊させてプーチンを失脚させようとしている。これは「木を見て森を見ない」方針というべきで、欧州の戦局だけを見てウクライナ戦争を継続すると、アメリカは世界覇権をめぐる中国との争奪で戦略的不利を招くことになりかねない。

ウクライナの極右クーデターと、その後の反ロシア政策、すなわちウクライナのNATO加盟によるロシアへの挑発は、アメリカの思い通りにならないロシアを、普通の資本主義国にしようとの、バイデン政権のたくらみから行われている、しかし、これは失敗を免れない。生産手段の集団化、全人民所有化した社会主義国は、必然的に官僚独裁(もしくは元官僚独裁)に移行し、普通の資本主義国にすることはできないのである。

アメリカは対中国においても、独裁権力を利用して「改革開放」の資本主義化に乗じ、世界の工場としたが、その官僚独裁の政権は、今では凶暴な習近平個人独裁のファシスト政権となっている。これは一党独裁の社会主義国が変質したら、口先の社会主義、実際の官僚独裁になり、普通の民主的資本主義国にはなりえないことを示している。

アメリカがイラクへの、有りもしない大量破壊兵器を口実に始めたイラク戦争は、イラクの人民200万人を殺し、多大な反発を中東全域に巻き起こした。今では中東産油国は(OPECプラス連合)として、ロシアと団結し、ロシア・中国の独裁連合が世界のエネルギーを握り、戦略的優位を確立した。

バイデンの提唱する対ロシア経済制裁は、エネルギー価格を高騰させ、欧州や日本のエネルギー消費国が経済的打撃を受ける図式ととなっている。このままでは欧米と日本は大経済的危機を迎え、逆に中国は格安なエネルギーをロシアから供給されて、経済的優位を確立しかねない。習近平は昨年末のサウジ訪問で元通貨による原油取引の約束を取り付けた。国際通貨ドルの地位は揺らぎ、通貨の面でも多極化・ブロック化が進行することになるであろう。

グローバル経済は、世界通貨ドルを握るアメリカの地位を強化したのであるが、進行する世界の多極化は、誰かの政治的意図で進んでいるのではない。資本主義の不均等発展の法則が、世界の多極化を促し、アメリカの経済覇権を脅かしているのである。今はその上にウクライナと台湾の危機がアメリカの覇権を脅かしている。

2度の世界大戦が欧州から民族主義が台頭し、戦火を拡大し、世界大戦となったのは偶然ではない。欧州の過去の民族的軋轢が火種となり、武力紛争を拡大する。ロシアによるウクライナ侵攻が、過去のナチスのポーランド侵攻と重なることを軽視してはいけない。欧州諸国は物価高騰の中で経済危機を深めており、各国で極右勢力が台頭している。

ウクライナ戦争の継続拡大は、台湾進攻を準備する中国の習近平にとっては、軍事侵攻のまたとない好機となる。アメリカ経済が産軍複合体であり、戦争で武器売却が倍増し、経済が潤うにしても、今回のロシア・中国独裁連合は、エネルギー支配では戦略的に優位に立つのであり、アメリカにとって、ウクライナ戦争の継続は、世界覇権喪失の戦略的不利益を招くことは避けられない。

アメリカは国内に深刻な対立と分裂を抱えており、他国の安全保障に否定的な共和党のトランプが次期大統領選に立候補する。内的矛盾を激化させているアメリカは、進行する多極化の中で、ウクライナの戦争支援を継続するリスクは小さくはないことを指摘しなければならない。「2度あることは3度ある」「歴史は繰り返す」という諺は、歴史的な民族間の軋轢と地政学的な法則であり、アメリカはウクライナ戦争を分岐点として世界覇権喪失を招きつつある。

日本は対米自立し、欧米と中ロ独裁連合との覇権戦争に巻き込まれないようにすることが重要な戦略的選択となる局面が生まれているのである。日本にとって避けなければならない最悪の選択は、ロシアと闘うウクライナのように、アメリカの代理戦争として中国と消耗戦を闘うことなのである。
#米中対立 #覇権争奪 #世界の多極化
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コメント

アメリカは分裂している

 アメリカはウクライナ戦争を長引かせるのはまずいと思う。
  中国が利益を得るだけです。停戦したほうがアメリカは覇権を失わないのではと思います。バイデンは戦略的な視点が無いですね。

No title

 対米自立で中立がいいと思います。
 武器を売ればいいというので、
 アメリカは戦略では失敗しています。
  中国が有利になりかねません。


 

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