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世界の多極化は不均等発展の結果である!

第二次世界大戦後のアメリカの一極支配は、EUの統合と欧州通貨ユーロを生み、市場統合で欧州経済が発展し、経済のブロック化を促した。また冷戦崩壊後安上がり労働力を求めて多国籍企業が中国を世界の工場としたことで、中国経済が世界第二位の地位にまで発展した。つまり世界の多極化は、資本主義の不均等な発展が生み出した結果であり、アメリカの多極主義者の画策ではないのである。

アメリカは一極支配を維持するためシリア動乱やリビア動乱を利用し、多数の難民を欧州に送り込み、EUを揺さぶり、イギリスはEUから離脱した。またウクライナの右派を利用し、クーデターを画策し、親米政権を打ち立てて、NATO加盟でロシアを激怒させ、ウクライナ侵攻に引き込み、欧州の分断に成功した。

ドイツやフランスは安上がりなロシア産天然ガスの恩恵で経済は潤った。エネルギー代としてロシアに支払った外貨は、ロシアへの商品輸出の市場となり、EU経済圏は巨大化が確実であった。アメリカはドルの世界通貨としての地位を守るため、ウクライナ戦争を画策したのである。ロシアはまんまとバイデンの罠にハマったのである。

ウクライナ戦争でアメリカが行った対ロシア経済制裁で打撃を受けたのは欧州の方なのである。アメリカはユーロ経済圏に打撃を与えることでは成功したが、他方でロシア・中国・インド・イラン、プラス中東産油国を、非米同盟へと結びつけ、結果世界の新たな分断を作ってしまったのである。

つまりアメリカは欧州と結びつきを強めるプーチン政権を打倒し、合わせてユーロ経済圏を叩き潰す狙いであったが、そのことが新たな世界の分断を準備したということであり、アメリカに多極主義者がいるわけではない。

これを戦略的に見るなら、資本主義の不均等発展が、中国をGDP世界第2位の経済大国にしたのであり、その中国に習近平というファシスト政権が生まれ、その中国の側にロシアを追いやったバイデンの外交は、戦略的失敗と言えるものである。なぜならアメリカのドル支配の主要な挑戦者は中国であって、欧州ではないのである。欧州はアメリカ合衆国のように欧州の経済統合から、政治統合を目指したが、体制から見ればアメリカと同じ、自由と民主主義の陣営なのである。これに対し、中国・ロシアの陣営は独裁連合というべき反動的なものである。

バイデン米大統領は、アメリカのドル支配を維持しようとして、欧州経済に打撃を与えたこと、並びに世界を新たな分断へと導いたことは、アメリカの覇権維持から見れば大きな失敗なのである。世界の主要な覇権争いは米中間の体制的矛盾であり、ドルとユーロの通貨圏の矛盾は、アメリカにとっては副次的矛盾というべきものであった。ゆえに現在の世界の多極化は資本主義経済の不均等な発展の結果であり、この結果を多極主義者の画策と説明するのはとんでもない誤りなのである。世界情勢は経済から分析しなければ観念的間違いを犯すことになる。
#世界の多極化
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コメント

そのような論が?

 アメリカが自分で多極化するはずがないです。
  経済の不均等な発展による多極化というのが私も正しいと思います。
   アメリカは一極支配を維持したいのです。

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