中国経済の深刻な危機と経済指導部の交代!
中国に生産拠点を置いている外国企業は、中国政府の技術公開の圧力と、外資排斥の不買運動にさらされるだけでなく、ゼロコロナ政策と電力不足で工場が停止し、部品供給が追い付かず生産できない事態がたびたび起きている。したがって撤退を模索する外国企業が増えている。
ダイキン工業は2023年度中に有事に中国製部品が無くてもエアコンを生産できる供給網を構築する。省エネルギーなど中核機能にかかわる部品を日本国内で内製化するほか、取引先に中国外での生産を要請する。ゼロコロナ政策を受けたロックダウン(都市封鎖)や米中対立による供給途絶リスク、地政学リスクも抱える中国への依存度を減らす動きが日本の製造業で広がってきたことは注目される。
8月15日、国家統計局はまず、今年に入ってからの不動産市場の大不況を示すいくつかの数字を発表した。今年1~7月、全国住宅販売面積は前年同期比で27.1%減となって、売上高は前年同期比で31.4%減となった。そして個人による住宅ローンの借り入れ総額は前年同期比では25.2%減となったという。
夏以降、消費者が住宅ローンの支払いを拒否する動きが各地で広がっている。中国中部に位置する河南省の省都、鄭州市の郊外では廃虚のような光景が広がっていた。河南省の省都、鄭州市の郊外には建設工事が中断されたマンションが数多く存在する。現地メディアによると、昨年末には購入者が不動産開発会社に対する抗議デモを実施したという。さらに今夏からは購入者が集団で住宅ローンの返済を拒否する異例の事態に陥っている。
8月10日、中国を代表するIT大手のアリババグループは今年第2四半期の営業成績を発表した。グループ全体の純利益は前年同期比で53%減となったことがこれで判明された。こうした傾向は他の民間IT企業も同様である。中国先端企業の不況は、米中対立と、習近平政権の民間企業への抑圧政策の結果である。
8月15日、中国国家統計局が発表したところによれば、7月においては、16~24歳若年層の失業率は19.9%に上り、前月より0.6%上昇したという。政府当局が2019年8月にこの統計数字の公表を始めて以来の最高記録である。もちろんこの「19.9%」という数字にも人為的操作の疑いがもたれている。実際の失業率が5%台というのは政治的数字である。中国の失業率には農民工が算入されていない。若年層の実際の失業率はおそらく、20%以上になっているし、失業した農民工を入れれば中国の失業率は30%前後になるであろう。
中国の最近の危機的な景気減速の直接要因としては、感染再拡大を受けて、3~5月にかけ上海を始めとして全国各地で厳しいゼロコロナ(清零)政策が採られ、特に消費が大きく落ち込んだことが大きいが、昨年来低迷している不動産市場の不況と内陸部の市場化政策が失敗していること、相次ぐ洪水と干ばつで農業が受けた危機の大きさは半端ではない、これらが重なっての経済危機なのである。
過去に生産手段の全人民所有を進めた中国では、内陸部で工業団地やインフラを建設しても資本主義化は進まない。すべての土地が国有化されている中国では、土地を売却して資本を作ることはできない。資本主義の資本形成ができていない社会(とりわけ内陸部はでは、5億人の自給自足の農村である)どうしても統制経済に頼りがちになる。地方政府はインフラ投資で財政は破綻しつつある。銀行の取り付け騒ぎ=預金凍結は珍しくなくなっているのである。経済が最悪であるのに、どうして富の再分配を売りとする「共同富裕」の政策が成り立つであろうか?習近平の「共同富裕」の政策は大金持ちの海外逃避を促すだけである。
ロイター通信によれば、中国指導部は来月16日に開幕する第20回共産党大会で、経済チームの主要メンバーを過去10年で最も大幅に刷新する人事に着手するという。
李克強氏は先月、過去40年にわたる中国の経済発展の象徴とも言える深センを訪れた際、「中国の改革・開放路線は今後も続いていく。黄河や揚子江の流れは決して後戻りしない」と断言した。しかし経済成長の見通しが悪化する中で、改革志向の政策担当者は表舞台から退くとみられている。
習近平の3期目は、内政面の困難を多く抱え、中国経済は高度成長を続けられない事態を迎える。階級矛盾の激化は避けられない。内政面の危機は外に敵を必要とする。台湾への侵攻が現実的にありうる選択肢となりつつある。今侵攻されるとアメリカはウクライナと2正面となり困る。ウクライナでは早々と介入しないことを表明してロシアを誘い込んだが、バイデンが中国の台湾侵攻に対し、アメリカは介入すると口先で表明したのは、侵攻を本心から阻止したいからである。現在のアメリカに2つの大きな戦争を闘う経済的余裕はない。(闘っているのはウクライナだが経済的にはアメリカが支えている。)
中国経済の深刻化と経済指導部の交代が何を引き起こすか?が今後の注目点である。
#中国経済の危機
ダイキン工業は2023年度中に有事に中国製部品が無くてもエアコンを生産できる供給網を構築する。省エネルギーなど中核機能にかかわる部品を日本国内で内製化するほか、取引先に中国外での生産を要請する。ゼロコロナ政策を受けたロックダウン(都市封鎖)や米中対立による供給途絶リスク、地政学リスクも抱える中国への依存度を減らす動きが日本の製造業で広がってきたことは注目される。
8月15日、国家統計局はまず、今年に入ってからの不動産市場の大不況を示すいくつかの数字を発表した。今年1~7月、全国住宅販売面積は前年同期比で27.1%減となって、売上高は前年同期比で31.4%減となった。そして個人による住宅ローンの借り入れ総額は前年同期比では25.2%減となったという。
夏以降、消費者が住宅ローンの支払いを拒否する動きが各地で広がっている。中国中部に位置する河南省の省都、鄭州市の郊外では廃虚のような光景が広がっていた。河南省の省都、鄭州市の郊外には建設工事が中断されたマンションが数多く存在する。現地メディアによると、昨年末には購入者が不動産開発会社に対する抗議デモを実施したという。さらに今夏からは購入者が集団で住宅ローンの返済を拒否する異例の事態に陥っている。
8月10日、中国を代表するIT大手のアリババグループは今年第2四半期の営業成績を発表した。グループ全体の純利益は前年同期比で53%減となったことがこれで判明された。こうした傾向は他の民間IT企業も同様である。中国先端企業の不況は、米中対立と、習近平政権の民間企業への抑圧政策の結果である。
8月15日、中国国家統計局が発表したところによれば、7月においては、16~24歳若年層の失業率は19.9%に上り、前月より0.6%上昇したという。政府当局が2019年8月にこの統計数字の公表を始めて以来の最高記録である。もちろんこの「19.9%」という数字にも人為的操作の疑いがもたれている。実際の失業率が5%台というのは政治的数字である。中国の失業率には農民工が算入されていない。若年層の実際の失業率はおそらく、20%以上になっているし、失業した農民工を入れれば中国の失業率は30%前後になるであろう。
中国の最近の危機的な景気減速の直接要因としては、感染再拡大を受けて、3~5月にかけ上海を始めとして全国各地で厳しいゼロコロナ(清零)政策が採られ、特に消費が大きく落ち込んだことが大きいが、昨年来低迷している不動産市場の不況と内陸部の市場化政策が失敗していること、相次ぐ洪水と干ばつで農業が受けた危機の大きさは半端ではない、これらが重なっての経済危機なのである。
過去に生産手段の全人民所有を進めた中国では、内陸部で工業団地やインフラを建設しても資本主義化は進まない。すべての土地が国有化されている中国では、土地を売却して資本を作ることはできない。資本主義の資本形成ができていない社会(とりわけ内陸部はでは、5億人の自給自足の農村である)どうしても統制経済に頼りがちになる。地方政府はインフラ投資で財政は破綻しつつある。銀行の取り付け騒ぎ=預金凍結は珍しくなくなっているのである。経済が最悪であるのに、どうして富の再分配を売りとする「共同富裕」の政策が成り立つであろうか?習近平の「共同富裕」の政策は大金持ちの海外逃避を促すだけである。
ロイター通信によれば、中国指導部は来月16日に開幕する第20回共産党大会で、経済チームの主要メンバーを過去10年で最も大幅に刷新する人事に着手するという。
李克強氏は先月、過去40年にわたる中国の経済発展の象徴とも言える深センを訪れた際、「中国の改革・開放路線は今後も続いていく。黄河や揚子江の流れは決して後戻りしない」と断言した。しかし経済成長の見通しが悪化する中で、改革志向の政策担当者は表舞台から退くとみられている。
習近平の3期目は、内政面の困難を多く抱え、中国経済は高度成長を続けられない事態を迎える。階級矛盾の激化は避けられない。内政面の危機は外に敵を必要とする。台湾への侵攻が現実的にありうる選択肢となりつつある。今侵攻されるとアメリカはウクライナと2正面となり困る。ウクライナでは早々と介入しないことを表明してロシアを誘い込んだが、バイデンが中国の台湾侵攻に対し、アメリカは介入すると口先で表明したのは、侵攻を本心から阻止したいからである。現在のアメリカに2つの大きな戦争を闘う経済的余裕はない。(闘っているのはウクライナだが経済的にはアメリカが支えている。)
中国経済の深刻化と経済指導部の交代が何を引き起こすか?が今後の注目点である。
#中国経済の危機
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コメント
No title
内政が悪いので台湾への進攻がありえます。習近平は強国路線ですから野心が大きすぎる。
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習近平が独裁過ぎてしかも経済政策が無茶苦茶です。
アメリカは2正面は避けたいでしょうが、
国内が混乱したら台湾は危険ですね。