fc2ブログ

対ロシア経済制裁が物価上昇と株価暴落招く!

8月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想とは異なる想定外の上昇を示し、これを嫌気する形でNYダウは1200ドルを超える今年最大の下げとなったほか、ナスダック総合株価指数は600ポイント超の暴落となり、株価下落率でNYダウを上回り5%台に達した。

欧州のエネルギー危機の深刻化を受けユーロが下落した。ロシアによるガス供給の削減でガス不足の影響が一段と懸念されており、欧州の株価も下落している。アメリカのアジア株安をうけて、円は急落し、アジアの株価も全面安だ、アジアの株式市場は米株暴落を受け売り優勢で始まった。米消費者物価指数が予想を上回る上昇となったことを受け、米金融引き締め強化に伴う米景気減速が懸念されている。米中関係の悪化懸念も一段と高まっている。米政府は中国の台湾侵攻を阻止するため中国に対する制裁を検討していると報じられていることも影響している。

アメリカは秋の中間選挙に向け物価上昇を抑えようと金利を連続的に上げている。しかし今回の物価上昇は対ロシア経済制裁が、西側へのエネルギー供給量を削減しただけでなく「中東産油国プラス1」が原油供給量を削減して高価格を維持していること、したがって金利を上げて不況にして需給バランスが回復しても「中東産油国プラス1」が原油価格を高止まりさせる限り、物価は下がらないのである。今回の物価上昇はコロナ禍で、各国で進めた金融緩和によるインフレ政策の結果でもある。

アメリカの進めた対ロシア経済制裁は、逆にロシアの逆制裁で欧州経済をエネルギー高価格による大打撃を与えており、各国は原発政策の見直しや、石炭火力の活用に動き出している。とりわけドイツ経済は冬に向けて深刻化する。ウクライナのゼレンスキーがドイツ政府にレオパルト戦車を送るよう要求しても、ドイツ政府が拒否しているのは、ドイツ経済がロシアの安い天然ガスに依存しているゆえである。

ウクライナへの欧米の支援とロシアへの戦争犯罪の追及に対し、報道を見た中東の人々が、イラク戦争で民間人200万人を殺し、アフガンで50万人を殺したアメリカの戦争犯罪に激怒し、今や中東産油国とロシアは原油の高価格維持で「中東産油国プラス1」として堅く団結し、経済制裁で打撃を受けるのは皮肉にも欧米側となっている。

コロナ禍から経済が復興に向かう最中での、エネルギーや原材料価格の高騰は欧米や日本の経済を揺さぶる事態を生み出している。ウクライナ戦争はアメリカとロシアの代理戦争の様相を強め、先進的武器に劣るロシアが戦術核兵器を使用する可能性が高まっている。
ロシアには昔から焦土戦略がある。ウクライナを廃墟にすることでNATOの基地を作らせなければ戦争目的を果たすことができる。キューバ危機時のアメリカの軍事力行使と同じだとロシアをは見ている。しかもウクライナは旧ソ連領であり、ロシア人はウクライナは治安問題と認識している。

ウクライナ戦争の長期化は、欧米よりも、ロシア・中国・中東産油国の方が優位に立ちつつあるといえる。アメリカのウクライナを使ったNATO加盟の挑発は、狙いが欧州のユーロ経済圏を叩き潰す狙いが明らかになりつつある。イギリスがEUから抜けたのはアメリカのドル支配維持への欧州分断の戦略を知ったゆえなのかもしれない。アメリカの新たな世界経済の分割は戦略的失敗を招きつつある。このままアメリカが利上げを続ければ、景気後退で、株価の大暴落で世界同時不況が現実のものになる可能性を指摘しなければならない。時代は大経済危機と戦争の時代を迎えつつある。
#世界大恐慌の危険
スポンサーサイト



コメント

No title

 なんせ悪いことが重なっています。
 恐慌の可能性があるという点は同意します。
 世界大戦は避けてほしいですね。

No title

 ウクライナ戦争だけでなく各地できな臭い紛争が起きつつあります。
 経済危機が戦争を引き起こすことになりそうですね。

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

SEO対策:政治