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米の対中制裁検討は習近平体制への支援?

ロイター通信は13日、米政府が中国の台湾侵攻の抑止を目的に対中制裁措置を検討していると報じた。ロイターによると、制裁の検討は2月のロシアによるウクライナ侵攻後に始まり、ペロシ下院議長の訪台に中国が反発したのを受けて緊急性を増した。内容は不明だが、西側諸国が中国に課した通信機器などをめぐる貿易・投資制限よりも厳しいとしている。

米政府は中国への挑発を避けつつ欧州やアジアの関係国と制裁をめぐる認識の共有を図っているという。しかし欧州やアジア諸国は対ロシア経済制裁で経済が打撃を受けている時でもあり、アメリカ政府の対中経済制裁に疑問が多く出てくるであろう。

そもそも8月2日のペロシ下院議長の台湾訪問強行が、例年中国長老たちの集う避暑地での北戴河会議に向けた習近平援護であったと見られている。外交でアメリカと形だけにせよ緊張状態が内部矛盾を抑制する作用を発揮する。長老たちの習近平批判は控え気味となり、習近平が北戴河会議を無難に乗り切ったことで、台湾の武力解放を旗印とした、10月の党大会での習近平3選は動かないと見られる。

中国政府の資金65億円がアメリカの大学を通じてバイデン大統領の息子の組織に渡ったとの報道もある。バイデンはもともと親中国派であり、現政権との関係も深く、習近平の3選のために外交で敵対を装うことで、協力しているように見える。ユーロ経済圏との関係を強めていたロシアと違い、中国はドル経済圏での資本主義化であり、バイデンは軍事侵攻にならない限り、習近平体制は容認できるのである。

習近平は、経済政策で多くの失敗をしている。それはゼロコロナ政策で経済が打撃を受けているだけでなく、国営企業重視、民間企業抑圧政策の失敗、さらには人民への人気取りとしての「共同富裕」の政策、洪水と干ばつ被害の桁違いの大きさ。さらには華僑資本の拠点である香港での独裁強化、外国企業への不買運動などで、外資の撤退、資本の流出、金持ちの海外への脱出が進み、内陸部の市場化にも失敗している。内政の失敗は外への軍事的侵攻に繋がる。

アメリカ経済は主要には産軍複合体であり、将来戦争が起きればアメリカ経済は潤うのである。欧州におけるウクライナのように、台湾をアメリカの代理戦争に使うことも計算に入っていると見られる。イラク戦争とアフガン戦争で打撃を受け、当面戦争できないアメリカは経済制裁を主要な戦略的武器にしている。そのようにせざるを得ないのであるが、同時にそれは次の戦争への布石と見ておくべきであろう。
#アメリカの経済制裁
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コメント

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 アメリカは習近平の方が都合がいいので続投に協力しているのか。
  戦争を考えているのは習近平の強国路線が侵攻を避けられない、と見ているからでしょうね。アメリカは戦争で儲かる経済ですから、ウクライナもNATO加入でロシアを挑発しました。アメリカの差し金です。中国も挑発するのでは?

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