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自国優先の利上げ競争をやめ経済危機を回避せよ!

アメリカも欧州もインフレ対策を優先している。米連邦準備制度理事会のパウエル議長は「物価安定を回復できなければ痛みは一層大きくなる」として利上げを継続する意思を表明している。欧州中央銀行理事会メンバーのビルドワドガロバー仏中銀総裁は「9月に再度かなりの対応をとる」と利上げ継続を表明している。

欧米とも自国通貨の価値を上げることで輸入物価を下げようとしている。日本だけが円安を容認し、物価の上昇で国民が生活苦になっているのを容認している。問題は欧米の利上げ競争が、世界の景気を悪化させることだ。金利上げによる景気の引き締めは当然倒産と失業を増加させる。それでも自国の利益のために利上げを続けるというのだ。

現在の原油高騰はウクライナ戦争に伴う対ロシア経済制裁の結果である。バイデン米大統領は7月にサウジを訪問して、サウジは原油の日量10万バーレルの増産に応じた。それもあってバイデン政権の支持率が改善したのだが、石油輸出国機構(OPEC)に非加盟のロシアなどを加えた「OPECプラス」が9月5日、10月から原油の減産に転じると決めた。

今回決めた日量10万バレルの減産幅は、世界の需要の0.1%にすぎない。しかし産油国が原油の価格維持へ結束する決意を示したものであり、欧米の利上げで景気が落ち込めば、その分原油を減産してでも、現状の原油高騰を維持する決意を示したものといえる。したがって当分原油価格は高止まりすることは避けられない。

それでもアメリカと欧州が利上げを繰り返すのは、自国通貨を上げることで輸入物価を下げることはできる。問題は、利上げをすれば景気悪化が避けられないことだ。特にドイツの経済はロシアの制裁による天然ガス削減でエネルギー危機は深刻であること、ゼロ金利を続ける日本も円安が140円台になり物価の高騰が止まらない。また中国経済がゼロコロナ政策で都市封鎖が拡大し、景気の後退が現実のものとなりつつある。

つまり3重苦ともいえる、①コロナと②ウクライナ戦争、さらには③原油カルテルが物価の高騰に拍車をかけ、世界的な不況が避けられない事態が生まれつつある。しかも深刻な食糧危機と自然災害が世界に増大し、穀物不足が世界を襲うことになる。ゆえにすでに世界各地で紛争が始まっている。世界の市場が荒れれば不況はさらに深刻化する。強欲の資本主義が世界大恐慌を準備しつつある危険を指摘しなければならない。
#世界大恐慌の危険
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コメント

大恐慌と戦争を招くのでは?

 それにしても日本政府は無能ですね。
  国益も守ろうという意思がない。
 アメリカが金利を上げるなと言うので言いなりです。

No title

 戦争とコロナと気候変動で経済危機と戦争ですか?確かにあり得ます。
 困ったことですね。

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