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ウクライナ戦争が世界情勢の転換点となるか?

アメリカがウクライナで右派クーデターを引き起こし、親米政権にしたうえでNATO加盟でロシアを挑発し、引き起こしたウクライナ戦争の真の狙いは、EUの共通通貨ユーロにある。ドイツ・フランス・イタリアなどのEUは、アメリカのドル支配から逃れるためにユーロ経済圏を目指し、ロシアの安いエネルギーを購入することで、ロシアをも自分たちの市場にしていくことにあった。そのEU諸国の抱える矛盾は経済では独自通貨圏をめざし、、国防ではNATOすなわちアメリカに依存(従属)していることであった。

EU諸国は、核大国のロシアに対抗するうえで、アメリカの核の傘に頼らざるを得ない。国防でアメリカに依存しつつ、ドル支配からの脱却を目指すEUの狡猾さは、アメリカの反撃を招くこととなった。旧東欧諸国をNATOに吸収する行為はプーチンのロシアを「大ロシア主義」に導かざるを得ない。こうしてアメリカの筋書きどおりロシアはウクライナに侵攻し、アメリカはNATO諸国などに対ロシア経済制裁を実施した。

この経済制裁でロシアからのエネルギー輸入停止としたが、ロシアからはインドや中国へ原油や天然ガスが売却されている。対ロ経済制裁で経済的に打撃を受けるのはドイツなどの欧州諸国である。安いロシアからの天然ガスで支えられたドイツなどの成長モデルが大打撃を受けることになる。実際にロシアは欧州への天然ガス供給を削減して欧州経済は危機に陥っている。EUがウクライナに武器支援をすればするほど、自国経済が打撃を受けるのである。実際にドイツのエネルギー価格は数倍に高騰し、今年の冬には貧困層が凍死するのではと心配されている。

こうしてドイツなど経済界にウクライナに停戦を求め、ロシアからのエネルギー輸入を求める動きが出始めている。しかしアメリカはウクライナへの武器支援でこの戦争を泥沼にする考えであるので、このままでは経済が破たんするドイツなどは、国防面での非米化を模索する可能性が出てくるであろう。なぜならNATOに加入している限り、経済が崩壊していくのであるから、欧州の選択はEUの解体か、もしくはNATOの解体しか選択がないのである。

既にドイツやフランスなどのEU指導部は、アメリカの狙いがEUの解体にあることを理解しているのであろうから、選択は経済破綻を逃れる方向への選択とならざるを得ないであろう。つまり今後アメリカの同盟国は非米化の方向へ舵を切る可能性が高い。ねぜなら次期米大統領の可能性が高いトランプは「同盟国を守りたくない」という考えなので、ドイツなどが安全保障よりも経済破綻を回避する選択をする可能性が強いのである。

アメリカが日本や韓国の対中国貿易を容認しているのは、ドル経済圏の枠内での交易であることが理由である。ドル支配の枠内での交易はアメリカの覇権を脅かすこともない。アメリカの企業は今も対中投資を行っており、ただ先端産業でのみ中国の経済発展を規制する方針なのである。

問題はロシアがアメリカの挑発にのり「大ロシア主義」に転換したことだ。大ロシア主義が続く限りEUはNATOから離脱できない。ロシアのプーチンがアメリカと欧州の矛盾を考慮した外交をとるなら、欧州の非米化が急速に進む可能性がある。

つまりアメリカの進めるEU解体策は、逆にNATOの解体を招く可能性を秘めているのである。世界がドル圏・ユーロ圏・ロシア中国圏と経済のブロック化が進む可能性が高いのである。
#世界のブロック化
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コメント

アメリカには頼れない時代

 欧州は対米自立が必要でその方向に進むと思います。
  次期大統領のトランプは海外から米軍を引き上げる方向ですから。

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