fc2ブログ

外交の原則は国益優先であるべきだ

日本への天然ガス供給の約1割を占めるロシアのサハリン2の開発には、資金の22.5%を日本の2商社が出してきた(他に欧シェルが27.5%。残りの50%は露ガスプロム)。だが6月30日、プーチン露大統領はサハリン2を完全国有化して日欧を締め出す大統領令を出した。日欧勢は、1か月以内にロシア政府に申請して許可を得ないとガスの利権を失ってしまうことになる。

日本政府はウクライナに防弾チョッキを送ったが、武器の支援をしておらず、岸田首相らが対米従属の一環として、ロシアのウクライナ侵攻による現状変更を批判し、対ロシア経済制裁に参加して来た。サハリン2の国有化はこれへのプーチンの反撃である。

かって日本政府は、イランへのアメリカの経済制裁に協力して、有望な油田の採掘権を放棄したことがある。そのイランの油田は現在中国が保有している。サハリン2も日本の権益が中国に渡ることになる可能性がある。

5月の日米首脳会談で岸田首相がバイデン大統領に「台湾有事には、アメリカと一緒にしかるべき役割を果たす。」という趣旨の発言した。この発言をアメリカ側は台湾有事での自衛隊の積極的関与の約束、と受け止めている。自民党内では「首相が深く考えないまま口にした」と説明されているが、一国の安全保障にかかわる発言はもっと慎重にしてもらいたいものだ。少なくとも国会で説明・議論した上で行ってほしい。

なんでもアメリカ言いなりでは国益は守れない。自民党の外交にはすべてアメリカ優先で、自国の国益を優先するという原則に欠けている。フランスやドイツがロシアからのエネルギ輸入でルーブルでの支払いに応じるなどしている、日本外交にも柔軟性やしたたかさがあってもいいのではないのか?

かって田中元首相がアメリカの意向を無視し訪中し日中国交回復したことで、「裏切りだ」(キシンジャー国務長官)と決めつけられアメリカに報復され、ロッキード事件で刑事被告人にさせられて以後、日本の政治家のアメリカの顔色を読む従属外交がひどくなった。従属外交一辺倒ではロシアや中国になめられてばかりだ。

最近中国の軍艦とロシア軍艦が尖閣諸島の接続水域に挑発的に侵入した。日本政府が中国政府に抗議したら、中国側の報道官が「日本政府は発言を慎め」と高圧的に反論した。最近中国とロシアは爆撃機の編隊を日本周辺に飛行させ、艦隊や情報収集艦を日本列島を周回させるなど、軍事的威圧を強めている。アメリカ言いなりの日本外交は完全になめられているのである。政治がアメリカ追随ではなく国益を守るという強い決意を示すべき時である。
#対米従属外交
スポンサーサイト



コメント

対米従属はダメです

 いつも情けない政府だと思わされます。
  舐められてばかりですから。
   日本は周辺国にバカにされています。
    細切れ野党もダメですが、政府もダメです。

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

SEO対策:政治