世界経済が減速の時に金融資産倍増計画はあり得ない
最近の世界経済をめぐる報道を見ると、世界的規模で景気減速に向かっていることが分かる。最近の経済報道は以下のとおり。
歴史的な物価高が世界経済を襲っている。日米欧30カ国の4月の生活費は1年前と比べ9.5%上がった。上昇ペースは新型コロナウイルス禍前の7倍に達し、経済のみならず政治も揺らす。ウクライナ危機に中国のゼロコロナ政策が加わり、資源高と供給制約が連鎖してコストを押し上げる。ヒト・モノ・カネの自由な動きが支えてきた低インフレの時代が変わり、高物価が消費を縮小させている。
米主要企業の経営者が景気後退リスクに言及し始めたとの報道もある。フィナンシャル・タイムズ(FT)の調査によると、有力エコノミストの70%近くが、米国経済は来年景気後退に陥ると予測している。それによると、米シカゴ大学ブースビジネススクールの「イニシアチブ・オン・グローバル・マーケッツ」(IGM)と共同で実施した最新の調査によれば、歴史的な急回復を遂げた米国経済は、米連邦準備理事会(FRB)が40年ぶりの高インフレへの対策としての金利上昇のなかで、強い逆風になっている。
欧州経済も物価高が個人消費を下押し。家計が支払う電気・ガス価格の上限が大幅に引き上げられたことを背景に、高インフレが続く見通し。消費者のマインドは、物価高が家計を圧迫するとの懸念から、リーマンショックやコロナショック直後を下回る水準まで悪化すると見られている。企業の投資意欲の低下。2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻を受け、企業が先行きに対して感じる不確実性は増大。設備投資に対する下押し圧力となる公算が大きく、さらには輸出の弱含みもあって景気減速は避けられない。
中国国家統計局が15日発表した2022年5月の主な経済統計によると、百貨店、スーパーの売り上げやインターネット販売を合計した社会消費品小売総額(小売売上高)は前年同月比6・7%減った。前年割れは3カ月連続になる。新型コロナウイルスの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策で消費が縮小し、内需が落ち込んでいるためだ。中国国家統計局が16日発表した2022年4月の主な経済統計によると、工業生産は前年同月比2.9%減少した。20年3月以来のマイナスとなった。上海市の都市封鎖(ロックダウン)など新型コロナウイルスの封じ込めを狙う「ゼロコロナ規制」で物流が混乱し、小売売上高も落ち込みが拡大した。
日本経済は物価高を、急激な円安が加速させ、欧米以上の物価高となっている。鈴木俊一財務相は14日の閣議後の記者会見で、円相場について「急速な円安の進行が見られ、憂慮している」と述べた。「過度な変動や無秩序な動きは経済や金融に悪影響を与え得る」という主要7カ国(G7)の合意に言及したうえで「必要な場合には適切な対応を取りたい」と語った。急速な円安が進む中、日本の当局による円買い為替介入の有無に関心が強まってきた。米国は日本のドル売りを支持しない姿勢を示唆しており、実施するなら同国の理解を得ない状況での行動になりそうだ。
以上のように、世界の経済の先行きは押しなべて景気減速が避けられないことは明らかだ。問題は岸田首相がこのような経済の先行きの時に、国民金融資産倍増計画を掲げ、株価を下支えしようとして国民の預貯金を株式市場に誘導しようとしていることである。世界経済が減速に向かう時に出すべき政策ではない。この政策を行えば国民の老後の資金である預貯金が消失することになりかねない。岸田首相は世界経済の先行きが見えているのであろうか?失敗が確実な政策を掲げるのは愚策でしかない。
#国民金融資産倍増計画
歴史的な物価高が世界経済を襲っている。日米欧30カ国の4月の生活費は1年前と比べ9.5%上がった。上昇ペースは新型コロナウイルス禍前の7倍に達し、経済のみならず政治も揺らす。ウクライナ危機に中国のゼロコロナ政策が加わり、資源高と供給制約が連鎖してコストを押し上げる。ヒト・モノ・カネの自由な動きが支えてきた低インフレの時代が変わり、高物価が消費を縮小させている。
米主要企業の経営者が景気後退リスクに言及し始めたとの報道もある。フィナンシャル・タイムズ(FT)の調査によると、有力エコノミストの70%近くが、米国経済は来年景気後退に陥ると予測している。それによると、米シカゴ大学ブースビジネススクールの「イニシアチブ・オン・グローバル・マーケッツ」(IGM)と共同で実施した最新の調査によれば、歴史的な急回復を遂げた米国経済は、米連邦準備理事会(FRB)が40年ぶりの高インフレへの対策としての金利上昇のなかで、強い逆風になっている。
欧州経済も物価高が個人消費を下押し。家計が支払う電気・ガス価格の上限が大幅に引き上げられたことを背景に、高インフレが続く見通し。消費者のマインドは、物価高が家計を圧迫するとの懸念から、リーマンショックやコロナショック直後を下回る水準まで悪化すると見られている。企業の投資意欲の低下。2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻を受け、企業が先行きに対して感じる不確実性は増大。設備投資に対する下押し圧力となる公算が大きく、さらには輸出の弱含みもあって景気減速は避けられない。
中国国家統計局が15日発表した2022年5月の主な経済統計によると、百貨店、スーパーの売り上げやインターネット販売を合計した社会消費品小売総額(小売売上高)は前年同月比6・7%減った。前年割れは3カ月連続になる。新型コロナウイルスの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策で消費が縮小し、内需が落ち込んでいるためだ。中国国家統計局が16日発表した2022年4月の主な経済統計によると、工業生産は前年同月比2.9%減少した。20年3月以来のマイナスとなった。上海市の都市封鎖(ロックダウン)など新型コロナウイルスの封じ込めを狙う「ゼロコロナ規制」で物流が混乱し、小売売上高も落ち込みが拡大した。
日本経済は物価高を、急激な円安が加速させ、欧米以上の物価高となっている。鈴木俊一財務相は14日の閣議後の記者会見で、円相場について「急速な円安の進行が見られ、憂慮している」と述べた。「過度な変動や無秩序な動きは経済や金融に悪影響を与え得る」という主要7カ国(G7)の合意に言及したうえで「必要な場合には適切な対応を取りたい」と語った。急速な円安が進む中、日本の当局による円買い為替介入の有無に関心が強まってきた。米国は日本のドル売りを支持しない姿勢を示唆しており、実施するなら同国の理解を得ない状況での行動になりそうだ。
以上のように、世界の経済の先行きは押しなべて景気減速が避けられないことは明らかだ。問題は岸田首相がこのような経済の先行きの時に、国民金融資産倍増計画を掲げ、株価を下支えしようとして国民の預貯金を株式市場に誘導しようとしていることである。世界経済が減速に向かう時に出すべき政策ではない。この政策を行えば国民の老後の資金である預貯金が消失することになりかねない。岸田首相は世界経済の先行きが見えているのであろうか?失敗が確実な政策を掲げるのは愚策でしかない。
#国民金融資産倍増計画
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コメント
No title
確かに景気後退の時に投資を促したら、資産が倍増どころか消えてしまいます。国民は騙されないようにしましょう。
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