ウクライナ戦争と世界の戦略関係の変化!
冷戦崩壊後、世界経済は一つの市場になった。グローバリズムは経済の不均等発展の結果として多極化を生み出した。欧州は東欧諸国を飲み込んでユーロ圏を東に拡大し、ロシアからエネルギーを購入することでロシア経済圏まで影響下に置き始めた。また中国の「一対一路」の経済戦略は、欧州と中国経済を結び付けて、大ユーラシア経済権を展望するものであった。これは世界の覇権国アメリカへの脅威に他ならなかった。
アメリカはユーロ経済圏とロシア経済圏と中国経済圏が結びつくことを怖れ、2014年ウクライナの親ロシア政権を覆すクーデターを行い、親米かいらい政権を生み出した。ウクライナは地政学的に見ると、アメリカにおけるキューバにあたり、ウクライナ政府のNATO加入表明は、キューバー危機の再来ともいえる立場を変えたロシアへの軍事的挑発であった。
アメリカはロシアの侵攻を演出したことで、戦略的にEUの東への拡大を分断し、中国の一対一路戦略を阻止することに成功した。ウクライナ戦争の長期化でロシアが弱体化するのは、中国へのロシアの依存を促すので(すなわち中国を戦略的に有利にするので)アメリカは、ウクライナ戦争をほどほどに終わらせる必要がある。ウクライナはアメリカに使い捨てにされたのである。
ウクライナ戦争は、中国の台湾侵攻の戦術的再検討を迫っている。中国軍はロシア軍をお手本としてきたので、ウクライナでのロシア軍の初戦の敗北は、得ることが大きいであろう。すなわちウクライナ戦争の教訓は中国の台湾侵攻の阻止には作用しないであろう。もう一つ世界の多極化とウクライナ戦争が生み出した重要な点は、アメリカの戦略にとって日本の重要性が浮上したことである。世界経済第3位の日本の戦略的地位が高まっているということである。
アメリカは今後世界の覇権を維持するうえで、海洋軍事大国を目指す中国の、太平洋・インド洋への展開を防ぐ日本の地政学的位置は、アメリカの習近平ファシスト政権を封じ込める、ロシアに対するウクライナのような立ち位置にあるということだ。日本はウクライナのようにアメリカの戦略の使い捨てにされないようにしなければならない。日米同盟の支配従属関係を見直し、自立した関係への模索が日米で始まるであろう。
つまり現在進みつつある世界の多極化は、グローバル化の中での資本主義の不均等な発展の結果であるが、それが世界に米英日・欧州・ロシア・中国・非同盟諸国の5つつの極を生み出している。これは誰かが意図して生み出したものではなく、経済の不均等な発展の結果に過ぎない。ウクライナ戦争でロシアと中国が一体化する可能性が生まれている。そうなるとアメリカは巨大な敵を生み出すことになるであろう。
アメリカの困難は、覇権争いよりも、むしろ国内の分断・対立にある。ロシアをウクライナ侵攻に誘い込んだことで、欧州に壁を作り、欧州と中国の一対一路戦略を阻止したとは言え、世界の分断は、実はアメリカ経済に打撃となる。世界の多極化と分断は、世界通貨ドルの地位を下げることにつながるのである。アメリカ国内の衰退する産業資本家と、IT産業や金融資本との矛盾は、安上がり労働力としての移民を解禁するのか?それとも白人の仕事を奪う移民を禁止するのかの深刻な対立を生み出している。
覇権国のアメリカは一つの困難を解決すると、今度はそのことが新たな困難を生み出すのである。現在バイデン政権は国内のインフレに悩んでいる。中間選挙までに物価を下げたいが、それにはウクライナ戦争をやめなければならない。しかしウクライナ政府が領土の割譲を受け入れる可能性は低い。対中国への関税も下げればアメリカ国内の物価は下がる。しかしそれは対中国戦略の解禁へとつながる。現在民主・共和の間で唯一一致しているのが対中国戦略なのであるが、中間選挙で対中国関税の撤廃はアメリカ国内の対立を激化させるであろう。バイデン政権は八方ふさがりの状態なのである。
#ウクライナ戦争が生み出した世界の戦略的変化
アメリカはユーロ経済圏とロシア経済圏と中国経済圏が結びつくことを怖れ、2014年ウクライナの親ロシア政権を覆すクーデターを行い、親米かいらい政権を生み出した。ウクライナは地政学的に見ると、アメリカにおけるキューバにあたり、ウクライナ政府のNATO加入表明は、キューバー危機の再来ともいえる立場を変えたロシアへの軍事的挑発であった。
アメリカはロシアの侵攻を演出したことで、戦略的にEUの東への拡大を分断し、中国の一対一路戦略を阻止することに成功した。ウクライナ戦争の長期化でロシアが弱体化するのは、中国へのロシアの依存を促すので(すなわち中国を戦略的に有利にするので)アメリカは、ウクライナ戦争をほどほどに終わらせる必要がある。ウクライナはアメリカに使い捨てにされたのである。
ウクライナ戦争は、中国の台湾侵攻の戦術的再検討を迫っている。中国軍はロシア軍をお手本としてきたので、ウクライナでのロシア軍の初戦の敗北は、得ることが大きいであろう。すなわちウクライナ戦争の教訓は中国の台湾侵攻の阻止には作用しないであろう。もう一つ世界の多極化とウクライナ戦争が生み出した重要な点は、アメリカの戦略にとって日本の重要性が浮上したことである。世界経済第3位の日本の戦略的地位が高まっているということである。
アメリカは今後世界の覇権を維持するうえで、海洋軍事大国を目指す中国の、太平洋・インド洋への展開を防ぐ日本の地政学的位置は、アメリカの習近平ファシスト政権を封じ込める、ロシアに対するウクライナのような立ち位置にあるということだ。日本はウクライナのようにアメリカの戦略の使い捨てにされないようにしなければならない。日米同盟の支配従属関係を見直し、自立した関係への模索が日米で始まるであろう。
つまり現在進みつつある世界の多極化は、グローバル化の中での資本主義の不均等な発展の結果であるが、それが世界に米英日・欧州・ロシア・中国・非同盟諸国の5つつの極を生み出している。これは誰かが意図して生み出したものではなく、経済の不均等な発展の結果に過ぎない。ウクライナ戦争でロシアと中国が一体化する可能性が生まれている。そうなるとアメリカは巨大な敵を生み出すことになるであろう。
アメリカの困難は、覇権争いよりも、むしろ国内の分断・対立にある。ロシアをウクライナ侵攻に誘い込んだことで、欧州に壁を作り、欧州と中国の一対一路戦略を阻止したとは言え、世界の分断は、実はアメリカ経済に打撃となる。世界の多極化と分断は、世界通貨ドルの地位を下げることにつながるのである。アメリカ国内の衰退する産業資本家と、IT産業や金融資本との矛盾は、安上がり労働力としての移民を解禁するのか?それとも白人の仕事を奪う移民を禁止するのかの深刻な対立を生み出している。
覇権国のアメリカは一つの困難を解決すると、今度はそのことが新たな困難を生み出すのである。現在バイデン政権は国内のインフレに悩んでいる。中間選挙までに物価を下げたいが、それにはウクライナ戦争をやめなければならない。しかしウクライナ政府が領土の割譲を受け入れる可能性は低い。対中国への関税も下げればアメリカ国内の物価は下がる。しかしそれは対中国戦略の解禁へとつながる。現在民主・共和の間で唯一一致しているのが対中国戦略なのであるが、中間選挙で対中国関税の撤廃はアメリカ国内の対立を激化させるであろう。バイデン政権は八方ふさがりの状態なのである。
#ウクライナ戦争が生み出した世界の戦略的変化
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コメント
アメリカも大変なんだ!
アメリカの国内の分裂
アメリカは国内の問題が解決できない。
このままでは覇権も危うい。
中国に有利な情勢ですね。困ったことです。
このままでは覇権も危うい。
中国に有利な情勢ですね。困ったことです。
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しかも国内が分裂と対立だ。バイデンも八方ふさがりとは知らなかった。