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NATOとロシアの戦争はどちらが有利かは不明

アメリカが対ロ制裁でドル決済からロシアを締め出し、ロシアは欧州にルーブルで石油ガス代金を払えと要求した、最近EUはルーブルでの支払いを加盟国に認めた。これでは対ロシア経済制裁の効果はない。世界の石油、天然ガス、鉱物や穀物など資源の多くはロシアとその支持勢力が持っている。つまり対ロシア経済制裁は、意外に効果がないのである。逆に欧米は、資源高騰、物価高騰が今後経済の足かせになる。

欧米は、金融緩和で紙幣だけは豊富に持っているが、これはコロナ禍で大膨張した金融バブルであり、これによるインフレがアメリカや欧州や日本における高物価となり、米連銀の金利上昇による通貨の過剰供給の収縮によってバブルは終わりとなる。欧米経済を見ると、アメリカはウクライナ戦争の戦争特需があるが、同時にバブル崩壊の金融危機含みの危うい状態でもある。欧米経済が大不況になれば、ウクライナは敗北的和睦を余儀なくされる可能性がある。

バイデンは中間選挙対策でウクライナ戦争を引き伸ばし、拡大しようとしている。これはロシアのプーチンには政権存続の危機であるが、同時に欧米経済にも大不況のリスクを大きくしているのである。世界戦略から見るとウクライナ戦争で中国だけが戦略的利益を享受する。つまりEUの東への拡大を阻止する上で、アメリカはロシアを侵攻に誘い込んで、欧州に新たな壁を作り、NATOを延命させたが、世界戦略から見るとロシアを中国側に追いやり、アジアにおける均衡は崩れ、中国に有利な軍事局面となった。

アメリカは日本の軍事費を倍増することで、アジアにおける軍事的均衡を回復しようとしているが、東南アジア各国やインド、中東は非同盟を貫くであろう。この場合非同盟とは反NATOである。アジアや中東で日本の経済的役割は低下し、中国の経済的存在が大きくなることは避けられない。

現在の戦争は、経済的・技術的、軍事的な複合的な争いなので、世界の資源の多くが反NATO側が保持している点は軽視できない。今後の欧米の経済危機がどの程度のものになるかが注目される点である。ウクライナでロシア軍が劣勢だからといって、NATOとロシアの戦争の勝敗が決まるわけではない。戦争が長引けば、双方が国内的、経済的に持ちこたえられるかが問題となる。中国だけが大軍拡と経済覇権確立の時間を獲得したといえる。

日本の大軍拡がアジアにおけるウクライナのように、アメリカ戦略に使い捨てにされない政治的布石が必要となっている。対米従属のリスクが高くなっていることを見て取ることが重要である。対米自立の好機が来たといえる。
#NATOとロシアの戦争
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コメント

どちらが勝つか分からない?

 欧米の経済が今後不況になれば確かに、戦争の長期化はリスクがあります。
  ロシアは制裁の打撃がそれほどでもないようですね。
   アメリカは自分がイラクよアフガンの後遺症で戦争できないのでウクライナに戦わせています。
 アフガンのように国土が荒らされないように、日本は代理戦争はしてはいけません。自立に賛成します。

経済制裁は失敗かも

 アメリカの作戦が成功したように見えますが、しかしまだわからない、ということですね。アメリカは2014年のクーデターの時から計画していたということですね。ウクライナはバイデンの利権ですから。私的利益が目的の作戦が成功するとも思えません。

戦争は早く終わらせるべき

 バイデンはロシアをつぶしたいのだが、欧州や日本が打撃を受ける。
  しかもウクライナは廃墟になる。早く終わらせるべきだ。
 大国の侵攻は止められない、ではいけない。

戦争の報道は嘘が多い!

 昔の大本営発表は嘘ばかりだった。ニュースだけ見ていては真相は分かりません。ウクライナ戦争は終わらせるのが難しいと思う。

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