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バイデン大統領訪日の狙いは何か?

バイデン大統領訪日は、今までのアメリカ大統領の訪日とは違う狙いがある。ロシアによるウクライナ侵攻、事実上のNATOとロシアの戦争という事態を受けて、アメリカが当分の間、アジアを顧みる余裕がないことから、日米間の緊密な関係の確認であり、アジア・アフリカ・中東諸国が、世界の分割に対するアメリカ外交への不支持という、アメリカの発展途上国からの孤立の中で、インド太平洋地域を含む国際社会のNATOへの支持取り付けのため、アメリカと日本の連携強化という点が従来と大きく異なる点である。

したがって、バイデンの今回の日韓訪問は、事実上のNATOとロシアの戦争という事態のなかで、アジアの親米諸国が3正面に核保有国の敵を持つようになった戦略的不利の事態の中で、インド太平洋の新しい経済協力関係で同盟国の動揺を抑えようとするものである。

だが現在のアジア諸国の経済的困難は、対ロ経済制裁と、米中など国際流通網の逼迫による、穀物やエネルギー価格の高騰だ。バイデンは「物価の上昇はロシアのせい」と言い逃れてしいるが、実際はコロナ後の経済の始動・活性化に伴うものであり、中東産油国が原油の増産に応じない結果の、エネルギー価格の高騰なのである。

バイデンの欧州の戦争重視で、経済発展著しいアジアのほとんどの国が「アジアに分割を持ち込むな」という態度で、アジアでアメリカの欧州重視を支持しているのは日本・韓国・シンガポールぐらいなのである。アメリカが心配なのは、このままだとアジア経済が中国に席巻される可能性がある。そこでインド・太平洋地域の新しい枠組み(IPEF)を持ち出し、中国の経済的封じ込めを企んだというわけである。

バイデンは、ウクライナに武器支援すれば、ロシアを経済的に疲弊させることができると考えているが、ロシアは資源を中国やインドに売却している。対ロ経済制裁で打撃を受けるのは、むしろ欧州や日本などである。また世界に新たな分割に持ち込むことは、覇権国のアメリカ経済にも打撃となる。世界の二極化で打撃を受けるのはアメリカのドル支配なのである。

ウクライナ戦争の長期化で、世界の局面は、アメリカとロシア・中国の二大陣営の我慢比べの様相を呈している。その余波で世界の穀物不足は深刻で、とりわけロシアとウクライナの穀物に依存していたアフリカや中東諸国は飢餓に直面している。

バイデンは発展途上国のつなぎとめに、またアジアにおける習近平ファシスト政権の拡張主義の挑戦を抑止するために、同盟国の日本の協力が欲しいところである。ウクライナでの戦争が世界の新たな分割で、世界第3位の経済大国日本が、米戦略上の地位で重みを増しているのである。
#日米関係
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コメント

アメリカはピンチ!

 イラク戦争の後遺症で傷病兵士への保証が大変で戦争できません。
  ですから、従属国家のウクライナに戦争をやらせています。
 日本も代理戦争をやらされないようにしないといけません。
  ウクライナ戦争でアメリカが独り勝ちでぼろ儲けしています。
 軍需産業国家は戦争が儲け口なのです。もちろんロシアが侵攻したので悪いのですが、それだけに核兵器を使う可能性が高く危険です。

No title

 アメリカは中国が仕掛けるのを恐れている。
  バイデンはロシアと中国を各個撃破するつもりだったが、この2国を団結させてしまった。欧州では成功してもアジアでは失敗では。
 日本をウクライナの様に利用したいのでしょう。

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