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イラン攻撃論の狙いはどこにあるのか!

アメリカの国防長官が、イスラエルのイラン攻撃の可能性が高いと語ったことをアメリカのメディアが流し、イスラエル国内でもイラン攻撃論が出ているのはどのような狙いがあるのだろう?

アメリカのイラク占領は、イラクにシーア派政権を生み出した点で戦略的失敗であるだけでなく、アフガンからの米軍やNATO軍の撤退、パキスタンとアメリカの対立、内戦の続くシリア、パレスチナ武装勢力、これらのカギを握っているのが反米のイランの存在なのである。

つまりアメリカはイランの原油の輸出を止めることで、周辺国へのイランの支援を断ちきろうとしているのだ。イスラエルにしてもイランの核開発は脅威だが、自分も核を保持しているので抑止力はある。むしろパレスチナ武装勢力のハマスやヒズボラ、シリアのアサド政権へのイランの支援を止めさせたいのである。

イランにしても経済制裁で国力が疲弊しては政権の危機であるのでホルムズ海峡封鎖の切り札をちらつかせることになる。
軍事的切り札を持つ相手に、核施設を空爆するという脅しが通用するとも思えない。しかし経済制裁でイランの経済を疲弊させれば周辺国へのイランの支援は確実に減ることになる。

アメリカが「息継ぎの和平」に戦略転換している下では、アメリカはイスラエルの安全を外交的に保全する以外にないのである。イスラエルもエジプトとトルコとの関係改善ができていない下ではうかつに戦争を仕掛けるわけにはいかない。ロシアと中国が国連で拒否権を行使する状況では、国連は機能せず、国連の決議は不可能だ。

アラブの春が燃え盛っている時に、これを敵にする行為はイスラエルもアメリカも取れないのである。軍事的手段が難しいので口先で介入しているのであり、マスコミを使ったイラン攻撃論は、アメリカとイスラエルの弱さの表れなのである。アメリカにとって、核を保持するパキスタン軍部の反米的動きが不気味で、これを意識してイラン制裁をおこなっている側面もある。
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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル : 政治・経済

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