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G20で明白になった欧米と中ロの力関係の逆転!

20~22日に開いた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁の会議は、共同声明を出せずに決裂して終わった。ロシアに対する各国の姿勢の違いから共同声明は採択されず、さらにロシア代表者の発言時には、米国のジャネット・イエレン財務長官をはじめ、カナダや英国、ウクライナの代表者が一時退席するなど欧米陣営とロシア中国陣営の対立が明白になった。

ウクライナ情勢について、参加国からは人道的危機および経済的影響に深い懸念が表明され、またウクライナのマルチェンコ財務相は「ロシアは世界経済の疾病だ」と、強い言葉でロシアを非難した。一方、中国の劉昆財政部長は「G20参加国は、世界経済を政治の道具として利用することを避けるべきだ」とし、欧米諸国の姿勢を非難した。

20カ国・地域(G20)のメンバー国ブラジルのフランサ外相は24日、ウクライナに侵攻したロシアをG20から排除する動きが出ていることについて、上院で「ブラジルは反対する」と述べていたため、ロシア排除はできなかった。

あらわになったのは、ロシア問題を巡る日米欧7カ国(G7)と新興国の分断だ。中国、ロシア、インドネシア、ブラジル、アルゼンチン、インドなど主要新興7カ国(E7)の経済力は、中ロ陣営となった中東産油国を含む「アラブ連合」などを加えると逆転する。G7とE7の分断は短期的には対ロ経済制裁の効果を弱め、エネルギーなど資源を握る中ロ陣営が優位となる。戦略的視点で見ても、アメリカと中国の覇権争いの力関係を大きく逆転させるものだ。バイデンの戦略的失敗は明らかだ。

これはアメリカの進めるウクライナ戦争の欺瞞的プロパガンダが、新興国に浸透していないことを示している。そこにはアメリカが2014年にウクライナのネオナチ勢力に金と傭兵を送り込み、グーデターでかいらい政権をでっちあげ、以後親ロシア派を弾圧してきたことが広く知られており、ロシアのプーチンは当時から怒りを表明してきたこと、つまり突然ロシア軍がウクライナを侵略したわけではないことが明らかであるからだ。

しかも欧米マスコミが、ロシア軍の悪逆非道を宣伝すればするほど、世界中で戦後アメリカが繰り広げてきた戦争で、多くの民衆を虐殺してきた戦争犯罪は問題にもされなかったことへの反発が浮上し拡大する。ウクライナの避難民が優遇されればされるほど、中東の戦争避難民が受けた冷遇が思い起こされ、欧米の欺瞞的二重基準が反発を呼ぶのである。

バイデン米大統領は、国内で高騰するガソリン価格で、支持率は相も変わらず低い。バイデンがいくら「ロシアが引き起こした物価高」を強調しても、アメリカ国民は2014年以後のウクライナで、バイデン親子が高額な利権を漁ったことは広く知られているのである。ゆえにバイデンは秋の中間選挙に向けて欧州での戦争を拡大、持続しなければならない。しかし欧米陣営と中ロ陣営の力関係はもはや逆転し、頼みの経済制裁も逆に欧州が甚大な打撃を受けることになる。

日本政府は、こうした経済的力関係の逆転が見えていないので、盛んにアメリカにゴマをすって対ロシア制裁に狂奔しているさまは、愚かとしか言いようがない。まるで第2次世界大戦前に、欧州の政治情勢を正しく分析できず、三国同盟で亡国の危機をまねいた時と同じに見えるのである。
#ウクライナ戦争が招いた戦略的変化
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コメント

アメリにもロシアを悪人扱い?

 しかし世界ではアメリカの陣営が少数派なのですね。
  戦争プロパガンダに騙されてはいけないですね。

アメリカは汚い

罠に嵌められたプーチンが核を使うかもしれません。バイデンがロシアを挑発し過ぎると大変な事態になりかねない。

先にアメリカが介入したのか

 なるほど!
プーチンはやられたのでやり返しているだけか?
 できれば戦争という形でなく、アメリカがやったようにクーデターでやり返  すべきだったのではないか?
 アメリカは戦争で儲かる軍需産業の国ですから、欧州の戦争を拡大すれば利益は大きいと思います。

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