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ロシア支持の広がりで裏目に出た経済制裁!

3月15日付けの米ウォール・ストリート・ジャーナルは「サウジアラビアと中国が石油取引の一部を人民元建てで行うことを協議している」と報じた。サウジアラビアはこの6年間、中国と人民元建ての石油取引について協議してきたが、今年に入り、同盟関係にあるアメリカへの安全保障面での不信感を背景に協議を加速しているという。これが実現すれば、世界の石油取引で支配的だった米ドルの影響力が低下することは間違いない。

ウォール・ストリート・ジャーナルは8日にも、サウジアラビアのムハンマド皇太子とアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド皇太子はこの数週間、アメリカ政府から「バイデン大統領との会談を求められたが、いずれも拒否した」と報じていた。サウジアラビアとUAEの両皇太子はバイデン大統領との会談を拒否した後、ロシアのプーチン大統領と電話で会談している。

バイデン大統領は原油の増産を求めて両国の首脳との電話会談も模索したものの、実現しなかったという。アメリカ政府は8日にロシア産原油の輸入禁止を発表したのにもかかわらず、サウジアラビアとUAEはOPECプラス(OPECとロシアなどの大産油国で構成)での連携を維持すると強調している。

欧米の対ロシア経済制裁でロシアのドル資産が凍結されたことは、中東諸国にとってけっして他人事ではなく、産油国がドル依存からの脱却を図る動きを加速させている。欧米諸国は避難するウクライナ人に対して門戸を喜んで開放しているが、かつてシリアからの難民が流入した際、冷たい態度をとったことを中東の人々は覚えている。

中東地域の人々の間ではウクライナで起きていることはこれまで中東で起きたことと同じだ、との欧米のダブルスタンダードへの不満が生じている。「外国への侵攻」という意味では米軍のイラク侵攻も同じだが、「国際社会はアメリカに制裁を科したのか」、「侵攻された側を支援したのか」との強い怒りが、中東では湧き上がっているという。
ウクライナ戦争で「ロシアが国際的に孤立する」との論調が西側で強まっているが、ロシア支持は逆に広がりを見せている。中東、インド、アルゼンチンなどロシア・中国連合支持は資源国に圧倒的に多い。

サウジやアラブ首長国連邦は国連のロシア制裁や非難に棄権した。ムハマンド皇太子が、エジプトの大統領とイスラエルの首相と会談し、アメリカの進めるイラン核合意をつぶす話し合いをした、ことも報じられている。アメリカとサウジの関係は決定的で、サウジの皇太子がサウジ人記者の殺害を指示した事件でバイデンが「彼とは話をしない」としているため、アメリカはサウジとの関係を改善するすべがない。

つまりウクライナ問題での対ロシア経済制裁が長引けば、打撃を受けるのは欧州や日本などの方であり、世界の分割はバイデンの戦略的失敗であることが明らかとなっている。しかし秋の中間選挙対策としては、アメリカの穀物、原油、天然ガス、兵器市場の特需は大きく、バイデンはロシアをウクライナ侵攻に誘い込んだことで、国内的には成功したのである。
#対ロシア経済制裁
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コメント

No title

ロシアと中国の方が有利なのか?
バイデンは選挙目当てに画策したのだな!
ウクライナはお陰で廃墟です。特需で儲けたものが金を出せ。

No title

 戦争の時代に入ったようにおもいます。アメリカは指導者不在です。
 バイデンもトランプもダメです。

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