対ロシア経済制裁巡り西側の対立が激化!
ロシアへの経済制裁をめぐり、フランスのマクロン大統領と、ポーランドのモラビエツキ首相が批判合戦を繰り広げている。ロシアとフランスの対話路線が成果を生んでいないとモラビエツキ氏から追及されたのだ。きっかけとなったのは、モラビエツキ氏の4日の記者会見だった。ウクライナの首都キーウ(キエフ)の近郊のブチャで住民が惨殺されたことが明らかになり、「ロシアへの制裁が効いていない」と発言。天然ガス輸入停止に慎重なフランスのマクロン氏にも怒りの矛先を向けた。マクロン氏は6日、「根拠に基づかない発言だ」などと反論した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、ソーシャルメディアに投稿し、バイデン米政権が発表したロシア最大手銀行ズベルバンクなどへの制裁について、「十分ではない」と不満を表明した。「ブチャで世界が目撃した『悪』と見合ったものとは言えない」と強調し、南東部マリウポリなどでもロシア軍の激しい攻撃が続いていると指摘した。
さらに「もしロシアに対して本当に打撃を与える制裁が科されないのであれば、もし我々が何度も求めている武器が供給されないのであれば、ロシアに対して許可を与えるようなものだ。さらに深く侵攻して良い、攻撃して良い、(東部)ドンバス地方で新たな血なまぐさい攻撃を始めても良い、と」と強い不満を表明した。
フランスやドイツはロシアからの天然ガス購入を経済制裁の対象にすると、自国の経済が破たんするので、天然ガスの輸入禁止に踏み込めない。またアメリカやフランス、ドイツはロシアのプーチンを追い詰めすぎると戦争が拡大し、核戦争まで進む可能性がある。プーチンに逃げ道を与えておかねば危険と考えている。
しかし旧東欧のポーランドやチェコ、バルト3国などは、自分たちもロシアの攻撃を受ける可能性があり、ウクライナのように「捨て駒」にされる可能性があるので、経済制裁が形だけだとの強い不満がある。これらの国はアメリカやフランス、ドイツの形だけの経済制裁はロシアに侵略を促している、と映るのである。チェコがウクライナに戦車を送ったのは欧米の形だけの支援に対する批判なのである。
アメリカのバイデン政権はプーチン体制を倒したいが、制裁をやりすぎると核戦争の危険がある。フランスやドイツは自国の経済破綻を招く天然ガス購入を経済制裁に含めることはできない。また戦争の拡大は避けたい。だから武器援助もウクライナが勝ちすぎても困るので、ロシアを消耗させる程度の援助にとどめている。
プーチンは天然ガスのみルーブルでの支払いを求めている。日本が購入している液化天然ガスはルーブルでの支払いを求めていないのは、フランスやドイツ(=欧州)のエネルギーのロシア依存率の高さという弱点を突いているのである。日本はエネルギーのロシア依存は9%ほどなので、エネルギを止められても致命的ではない、しかし天然ガスの半分をロシアに依存している欧州は、ロシアにガスを止められると経済が大打撃となる。つまり経済制裁は資源輸出国の方が有利なのである。
ウクライナのゼレンスキー大統領は自国がアメリカに「捨て駒」にされたことを理解し始めたようだ。対ロシア戦争の消耗戦=長期化は戦場となるウクライナだけが大きな被害を受ける。とはいえ和平交渉で領土の割譲は受け入れられない。ウクライナは八方ふさがりだ。自国の地政学的位置を考えに入れず、NATO加盟に固執し、ロシアを挑発した結果とはいえ、ゼレンスキー大統領の選択は最悪となった。
#ウクライナ侵攻
ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、ソーシャルメディアに投稿し、バイデン米政権が発表したロシア最大手銀行ズベルバンクなどへの制裁について、「十分ではない」と不満を表明した。「ブチャで世界が目撃した『悪』と見合ったものとは言えない」と強調し、南東部マリウポリなどでもロシア軍の激しい攻撃が続いていると指摘した。
さらに「もしロシアに対して本当に打撃を与える制裁が科されないのであれば、もし我々が何度も求めている武器が供給されないのであれば、ロシアに対して許可を与えるようなものだ。さらに深く侵攻して良い、攻撃して良い、(東部)ドンバス地方で新たな血なまぐさい攻撃を始めても良い、と」と強い不満を表明した。
フランスやドイツはロシアからの天然ガス購入を経済制裁の対象にすると、自国の経済が破たんするので、天然ガスの輸入禁止に踏み込めない。またアメリカやフランス、ドイツはロシアのプーチンを追い詰めすぎると戦争が拡大し、核戦争まで進む可能性がある。プーチンに逃げ道を与えておかねば危険と考えている。
しかし旧東欧のポーランドやチェコ、バルト3国などは、自分たちもロシアの攻撃を受ける可能性があり、ウクライナのように「捨て駒」にされる可能性があるので、経済制裁が形だけだとの強い不満がある。これらの国はアメリカやフランス、ドイツの形だけの経済制裁はロシアに侵略を促している、と映るのである。チェコがウクライナに戦車を送ったのは欧米の形だけの支援に対する批判なのである。
アメリカのバイデン政権はプーチン体制を倒したいが、制裁をやりすぎると核戦争の危険がある。フランスやドイツは自国の経済破綻を招く天然ガス購入を経済制裁に含めることはできない。また戦争の拡大は避けたい。だから武器援助もウクライナが勝ちすぎても困るので、ロシアを消耗させる程度の援助にとどめている。
プーチンは天然ガスのみルーブルでの支払いを求めている。日本が購入している液化天然ガスはルーブルでの支払いを求めていないのは、フランスやドイツ(=欧州)のエネルギーのロシア依存率の高さという弱点を突いているのである。日本はエネルギーのロシア依存は9%ほどなので、エネルギを止められても致命的ではない、しかし天然ガスの半分をロシアに依存している欧州は、ロシアにガスを止められると経済が大打撃となる。つまり経済制裁は資源輸出国の方が有利なのである。
ウクライナのゼレンスキー大統領は自国がアメリカに「捨て駒」にされたことを理解し始めたようだ。対ロシア戦争の消耗戦=長期化は戦場となるウクライナだけが大きな被害を受ける。とはいえ和平交渉で領土の割譲は受け入れられない。ウクライナは八方ふさがりだ。自国の地政学的位置を考えに入れず、NATO加盟に固執し、ロシアを挑発した結果とはいえ、ゼレンスキー大統領の選択は最悪となった。
#ウクライナ侵攻
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コメント
経済制裁はどちらもこたえる
欧州は苦しいですね。エネルギーがあるので厳しい制裁はできず、戦争も拡大できない。ゼレンスキー大統領も窮地です。バイデンも追い詰められているとは知らなかった。
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