ウクライナ戦争がもたらす変化について
セルゲイ・エイゼンシュテイン監督の映画「戦艦ポチョムキン」は、帝政ロシア時代の1905年に起きた戦艦ポチョムキン兵士の反乱を描いた映画である。この映画の「オデッサの階段」と呼ばれるオデッサの市民を虐殺する場面は、映画史上有名なシーンの一つである。つまりオデッサのあるウクライナは昔ロシア領であった。
ロシア軍のウクライナ侵攻は、ロシア政府にすれば旧ソ連時代の同胞が裏切り、敵であるNATO加盟を阻止するという大義名分があり、したがってロシア軍は領土占領欲から侵攻しているのではない。ウクライナにはロシア人も住んでおり、同胞への攻撃を強めている極右政権への反撃、安全保障という大義名分がある。それゆえアメリカが企んだプーチン政権の打倒は難しいのである。独裁国家は情報戦に強いのである。
アメリカはプーチン政権をNATO加盟で挑発し、侵攻したロシア軍戦車部隊を、準備していた携帯ミサイルとドローンで攻撃、撃破することには成功したかもしれないが、それは今後ロシア軍の近代化への動機づけをしたに等しい。プーチンにすれば交渉でウクライナの中立を勝ち取れば目的は達成したわけであり、したがってプーチンの支持率は今後上がるであろう。ロシア軍のウクライナ侵攻は旧東欧諸国を震え上がらせたので、これら諸国はNATOの中距離核ミサイルの配備が出来なくなるであろう。
欧州諸国がNATOへの依存を強めたが、ロシアの中国依存も強化した。世界の分断は国際経済への打撃となる。世界の覇権争いから見れば中国が「漁夫の利」を得て、アラブ連合やインドやアルゼンチンや、多くのアジア・アフリカ諸国が、ロシア・中国・イラン連合の支持もしくは中立の立場を表明したことは、アメリカの戦略的失敗を意味している。
ロシア、中国、イラン陣営の方が資源を押さえているだけに戦争の長期化には強いのである。今後も原油高は続くであろう。世界経済の分裂はアメリカ側の戦略的後退を意味している。多極化は世界通貨のブロック化でもあり、ドル支配は後退を余儀なくされる。アメリカはアフガニスタンに続きウクライナを見捨てたことで、同盟国の信頼を失うこととなった。アメリカはウクライナに派兵する気がないなら、ウクライナを「捨て駒」のように扱うべきではなかった。
特にロシア軍は、対携帯ミサイル、対ドローン対策を今後強化するであろう。このロシア軍の近代化は中国軍にも波及するので、アジアは重大な戦略的変化に見舞われるであろう。対携帯ミサイル、対ドローン対策として電磁波兵器が急速に研究開発、普及するであろう。
アメリカのバイデン政権が中国重視といいながら、実はそうではなくユーロ圏のロシアへの拡大を阻止するのが、今回のロシア挑発の狙いであったことが今後はっきりしてくるであろう。バイデンの戦略観点の欠如が、今後アメリカの政界で問題となるであろう。今後アメリカの覇権を奪うために対峙するであろう中国は、プーチンとは比べようのない戦略的巧妙さを持ち合わせていることを指摘しておかねばならない。
#ウクライナ戦争
ロシア軍のウクライナ侵攻は、ロシア政府にすれば旧ソ連時代の同胞が裏切り、敵であるNATO加盟を阻止するという大義名分があり、したがってロシア軍は領土占領欲から侵攻しているのではない。ウクライナにはロシア人も住んでおり、同胞への攻撃を強めている極右政権への反撃、安全保障という大義名分がある。それゆえアメリカが企んだプーチン政権の打倒は難しいのである。独裁国家は情報戦に強いのである。
アメリカはプーチン政権をNATO加盟で挑発し、侵攻したロシア軍戦車部隊を、準備していた携帯ミサイルとドローンで攻撃、撃破することには成功したかもしれないが、それは今後ロシア軍の近代化への動機づけをしたに等しい。プーチンにすれば交渉でウクライナの中立を勝ち取れば目的は達成したわけであり、したがってプーチンの支持率は今後上がるであろう。ロシア軍のウクライナ侵攻は旧東欧諸国を震え上がらせたので、これら諸国はNATOの中距離核ミサイルの配備が出来なくなるであろう。
欧州諸国がNATOへの依存を強めたが、ロシアの中国依存も強化した。世界の分断は国際経済への打撃となる。世界の覇権争いから見れば中国が「漁夫の利」を得て、アラブ連合やインドやアルゼンチンや、多くのアジア・アフリカ諸国が、ロシア・中国・イラン連合の支持もしくは中立の立場を表明したことは、アメリカの戦略的失敗を意味している。
ロシア、中国、イラン陣営の方が資源を押さえているだけに戦争の長期化には強いのである。今後も原油高は続くであろう。世界経済の分裂はアメリカ側の戦略的後退を意味している。多極化は世界通貨のブロック化でもあり、ドル支配は後退を余儀なくされる。アメリカはアフガニスタンに続きウクライナを見捨てたことで、同盟国の信頼を失うこととなった。アメリカはウクライナに派兵する気がないなら、ウクライナを「捨て駒」のように扱うべきではなかった。
特にロシア軍は、対携帯ミサイル、対ドローン対策を今後強化するであろう。このロシア軍の近代化は中国軍にも波及するので、アジアは重大な戦略的変化に見舞われるであろう。対携帯ミサイル、対ドローン対策として電磁波兵器が急速に研究開発、普及するであろう。
アメリカのバイデン政権が中国重視といいながら、実はそうではなくユーロ圏のロシアへの拡大を阻止するのが、今回のロシア挑発の狙いであったことが今後はっきりしてくるであろう。バイデンの戦略観点の欠如が、今後アメリカの政界で問題となるであろう。今後アメリカの覇権を奪うために対峙するであろう中国は、プーチンとは比べようのない戦略的巧妙さを持ち合わせていることを指摘しておかねばならない。
#ウクライナ戦争
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コメント
ウクライナ国民だけがひどい目に
アメリカには頼れない
日本は自立して自分の力で防衛するしかないです。
護憲派は亡国への道です。
護憲派は亡国への道です。
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ウクライナの大統領は英雄ではありません。亡国の徒です。
彼がアメリカの指示通りにNATO加盟で挑発したからひどいことになった。