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戦争の本質を理解する上で重要なこと!

個々の戦争には必ず目的がある。桶狭間の戦いでの織田軍の目的は、今川義元の首を打ち取ることであった。相手の10分の一の戦力でそれを行うには奇襲しかなかった。すなわち戦略目的は戦術を規定するのである。

アメリカが第2次世界大戦に参戦することが議会の反対に合い、そこで日本に経済制裁をすることで挑発し、真珠湾攻撃をやらせることで、アメリカは第2次世界大戦への参戦を実現したのである。戦争を仕掛ける側には、その国が直面する政治目的が隠されているのである。

つまり、政治的に解決できないとき、戦争により軍事的に解決するのが戦争なのである。アメリカは、欧州が統一通貨・ユーロ圏を東へ拡大することが、ドル支配を維持するうえで障害となった。またNATOがソ連崩壊で存在意義がなくなりつつあった。そこでアメリカはウクライナでクーデターを行い、かいらい政権を使いNATO加入を主張させてロシアを挑発し、プーチンに軍事介入させた。ロシアには旧ソ連圏のNATO取り込みを阻止する戦争目的がある。アメリカはロシア軍をウクライナの泥沼にはまらせて欧州に新たな冷戦ラインを引き、プーチン体制を打倒したいのである。おそらくウクライナ政権にはアメリカの工作員が多数入っている。ゆえにアメリカはウクライナへの軍事援助を携帯ミサイルの供与に徹している。ここでも戦略目的が戦術を規定している。

つまり戦争で重要なのは、誰が最初に戦いを始めたかではなく、関係国の挑発や、その政治目的を分析しないと、その戦争の本質は理解できない。アメリカはロシアが共産党解散で、普通の資本主義国になると考えていたが、できた政権は、アメリカに屈しない旧党官僚の国家主義的な、軍事独裁政権であった。これはアメリカには受け入れられないことであった。

ウクライナ戦争で浮かび上がった重大な戦略的問題は、プーチンの危険性だけではなく、バイデンの戦略観点の無さである。覇権争いをしている中国の側にロシアやイランを追いやる戦略観点の無さは話にならない。アメリカ国内でもバイデンの中国への融和政策は批判されている。しかもアフガニスタンに続き、ウクライナを見殺しにしたことで同盟国の信頼を失った。アメリカは覇権国として、失ってはならないものを失ったことは、今後の多極世界での戦略的連携(=合従連衡)に影響する可能性がある。

ウクライナ問題の次の焦点は、プーチンがNATOの旧ソ連圏への拡大を断固阻止できるか?であり、アメリカはウクライナを泥沼にするために軍事援助でロシア軍を困らせようとしている。ロシア軍はウクライナ市民への攻撃を禁じられているので、進撃が困難になっているが、市民が都市から退去した後で、戦術核兵器を使う可能性がある。また経済制裁に対し、プーチンが宣戦布告だ、といっているので敵対的周辺国に攻撃を拡大する可能性もある。つまり双方の内どちらかが、戦争目的を実現できないときに戦争を欧州全体に拡大させる可能性がある。

いずれにせよ、ウクライナ戦争は世界の戦略関係を変えた。中国の習近平ファシスト政権が「漁夫の利」を得ることになる。中国だけが「棚からぼた餅」のように戦略的利益を手にすることになる。その反面、日本はロシア・北朝鮮・中国と三正面に核保有国の敵を持つこととなった。これは今のウクライナのような孤立である。日本が戦争での廃墟化を逃れるには、核保有し、対米自立して、中立を宣言するしかない。アメリカに従属し続ければいつかウクライナのように「捨て駒」にされるのである。現在日本が戦略的危機(=亡国の淵)にあることを指摘しなければならない。欧州の一角(ウクライナ)の戦争がアジアの戦略関係を変えていることに無関心ではいけないのである。
#ウクライナ戦争
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コメント

戦略関係の変化

 確かに、ウクライナ戦争がアジアの戦略関係を変えていますね。
  戦略目標が戦術を規定するというのも大変興味深いです。

アメリカの魂胆がよくわかります

 自立すべきだとの意見に賛成します。

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